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日本のごちそう 世界が注目する飛騨高山 豊かな食文化の秘密とは(前編)

ドミニク・コルビシェフと行く、飛騨高山
畑から食卓まで


飛騨山椒 代表取締役 内藤一彦さん

内藤さんは語ります。「飛騨山椒は、江戸時代に飛騨郡代が徳川将軍に献上した記録が残っています。豊かな香りと強めの痺れが特徴で、奥飛騨温泉郷の標高800m、半径5km以内でしかこのようには育ちません。山椒粉だけではなく、実を塩漬けにした実山椒、花を佃煮にした甘い花山椒などもあります。地元の方にもぜひ知ってほしいですね」

飛騨ねぎや、つばくろなすといった高山伝承野菜と、ポアロ(西洋ねぎ)やハーブなども無農薬で栽培している野村農園の姿勢に、コルビシェフは心から感動。「このなすに僕のオリジナルの塩を5粒かけて……どう?」という即興料理が完成。「おいしい! サラダみたい」と、農園の野村美也子さんも顔を輝かせました。


野村農園 野村美也子さん

寒暖差の激しい高山の気候の中、安心して食べてもらえる無農薬の伝統野菜やイタリア野菜を作っています。降雪を利用してボアロや赤カブ、飛騨ねぎを保存し雪中野菜を作っています。雪の中でゆっくり甘く柔らかくなる伝統野菜は高山の冬の食生活を支えるとともに年々注目が集まっています。

自身もフレンチ割烹を営むコルビシェフ。米・食味分析鑑定コンクールという国際大会で何度も総合金賞を受賞している和仁農園では、「リゾットに使ってみたい」と高山の米にも関心を持ちます。


和仁農園 代表取締役 和仁松男さん

「田んぼのある風景をなくしたくないと近隣の田畑を借り受け、12年前から米を有機栽培しています。農法や美味しさを見えるようにするのが、私たちの方法。栽培履歴をコンピュータで管理したり、ラジコン除草ボートを作ったりという独自の工夫も。国際大会でも総合金賞をいただいており、日本一の米だと自負していますよ」と和仁さん。

そして、コルビシェフも大好きで心待ちにしていた酒蔵へ到着。高山の酒造りは、豪商が副業として始めたという高山の酒造りの原点を聞いた後、15代続く平瀬酒造で日本酒を試飲し、「蔵元が誇りを持っているところがいい。高山の酒、とてもおいしいです」と太鼓判。コルビシェフと高山のマリアージュは想像以上だったようです。


平瀬酒造店 代表取締役社長 平瀬市兵衛さん

江戸時代に豪商たちが副業として始めた酒造業。300年前の記録では、高山には56の蔵があったということです。「今は、数は減りましたが、蔵元同士で助け合いながら、高山の日本酒を広めようと頑張っています。豪商たちのおかげで豊かになった高山の食文化。高山の伝統料理とお酒を、ぜひ一緒に味わってください」平瀬さんのお話を聞きながら一同頰があかくなってきました。

>>日本のごちそう 世界が注目する飛騨高山 豊かな食文化の秘密とは(後編)

「フレンチ割烹 ドミニク・コルビ」
☎ 03-6457-9934
東京都港区新橋2-15-13エレガンス新橋ビル5F
高山の食材を用いた料理とお酒をご用意し、コルビシェフが旅を語ります。

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