日本のごちそう 世界が注目する飛騨高山 豊かな食文化の秘密とは(後編)

>>日本のごちそう 世界が注目する飛騨高山 豊かな食文化の秘密とは(前編)

飛騨高山の食卓

飛騨山脈の麓に位置する高山市。冬には降雪もある、寒い土地です。

そのため味噌や砂糖で保存、再利用したりと、工夫を凝らした調理が特長です。


写真右上から時計回りに。1. 朴葉味噌。高山伝統の朴葉味噌は、本来は味噌のみ。近年は来客をもてなすため飛騨牛などと共に出される。2.(大皿の右から時計回りに)衣に味がついた天ぷら。高山名産のあぶらえ(エゴマ)をほうれん草に和えて。なつめ煮は、高山の棗をふっくら煮上げた逸品。絹さやの胡麻和え。柿なます。あぶらえのおはぎ。二種のこも豆腐はかまぼこ状に。3. あげづけ。油揚げを醤油ベースのタレで味付けしたあげづけ。火で炙ると酒のつまみに。4.ころいもの煮付け。5.白菜の漬物を煮込んだ、にたくもじ。6.ぜんまい煮。7.栗おこわ。8.白菜の漬物を焼いて醤油などで味付けした、漬物ステーキ。9.米なすの田楽。自家製味噌に卵黄を加え2時間混ぜた味噌ダレを乗せて焼いた、旅館かみなか人気の料理。10.旬のフルーツ。11.川魚の塩焼き。この日は旬のアマゴ。脂の乗った背中側からいただく。

 


旅館かみなか 女将 上仲敏美さん・若女将 上仲陽子さん

130年の老舗の旅館。建物と蔵は、国登録有形文化財に指定。純和風の雰囲気の中で心のこもった会席料理を味わえる。

美しい木造建築が並ぶ飛騨高山。料亭も多く、そこで出される美味しい郷土料理は冬を乗り越える工夫が見られる人々の誇りの料理です。高山の料理の特徴について、旅館かみなかの女将に伺いました。「冬が長い土地なので、保存食らしい調理法が多いですね。まずは何と言っても朴葉味噌。自家製の味噌にねぎや生姜、シイタケなどを混ぜ、朴の葉の上で焼くもの。焼いた味噌はごはんのおかずにぴったりです。できたての豆腐をすのこで巻いて茹でた、こも豆腐も高山ならでは。漬物ステーキ、にたくもじは、古くなった白菜の漬物を再利用することで生まれた料理。漬物ステーキは鰹節をかけたり卵でとじたりといろんな食べ方がされています。油揚げに醤油ベースの味をつけたあげづけは、テレビで紹介されたのを機に注目されました。うちで出す川魚や山菜の煮物も高山らしいと好評。先人の知恵が今も伝わる伝統料理をぜひ味わってみてくださいね」

飛騨高山の見どころ

ミシュラングリーンガイドに紹介され海外からの観光客も多い高山。伝統文化や歴史を感じる町並みにはコルビシェフも大喜び。朝市ではたくさんの食材をお買い上げ!毎朝7時から12時頃まで開かれている朝市は必見。宮川朝市と陣屋前朝市でたくさんお買い上げ!

江戸時代より城下町として栄えた飛騨高山。その頃の建物をそのまま保存し、「古い町並」として活用されている。

高山市の中心地を流れる宮川にかかる真っ赤な中橋は、飛騨高山の観光名所のひとつ。春の桜や夜のライトアップも見もの。

そして、飛騨高山の老舗料亭萬代本店では、飛騨高山ブランド研修会とドミニク・コルビシェフの交流会が行われました。蔵元や料理人、地元メディアの前で「外国人の観光客が多い高山市ですが、外国人向けに味をアレンジする必要はない。その方が外国人にも喜ばれる」と語りました。


コルビ氏の右となりが國島市長。


交流会では、高山市内の
7蔵の酒が集結。


ワイングラスで日本酒をのみ、香りと味を当てるという企画がコルビ氏のもと行われた。

 心ゆくまで楽しんだ高山の旅もいよいよ終わり。高山の蔵元や料理人たちと共に交流会では、「日本酒もワインのように香りと味がそれぞれあります。自然の味を大切にしてください」とアドバイスしたコルビシェフ。飛騨に伝わる祝いの唄「めでた」を披露してもらい、「フランスにも同じようにお祝いの席で歌われる歌があります。感動しました」と感激し、「また高山に来ます!」と再訪を約束したのでした。


ドミニク コルビシェフ
フランス・パリ生まれ。ラ トゥール ジャルダン東京などの総料理長を経て、東京・四谷に開業したフレンチ割烹「メゾン ドゥ ミナミ」、「シュヴァリエ デュ ヴァン」の総料理長を務める。

「フレンチ割烹 ドミニク・コルビ」
☎ 03-6457-9934
東京都港区新橋2-15-13エレガンス新橋ビル5F
高山の食材を用いた料理とお酒をご用意し、コルビシェフが旅を語ります。

: Tomoko Ohmagari

写真: Tamon Matsuzono

編集: stillwater