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EAT&LEADトークサロン第5回「土地とつながる食」 pescecoオーナーシェフ 井上稔浩さん×コラムニスト 中村孝則さん

感性を揺さぶる一皿を生み出す「料理人」の創造力、共創力、ロジカル思考に着目したプログラム「EAT&LEADトークサロン-食べることから学ぶ、生きる力-」。ファシリテーターを務めるシェフの薬師神陸さんとともに2名のゲストがパネルトークを繰り広げ、「食」を通じて、新たな価値観や明日を切り開くアイデアと出会える一夜限りのイベントです。11月8日(火)に開催された第5回は「土地とつながる食―地域に特化したレストランの在り方」というテーマのもと、長崎県島原市「pesceco」のオーナーシェフ井上稔浩さんと、コラムニストの中村孝則さんをゲストに迎え、土地に根差してレストランを営むことの意義を問い直すトークが展開されました。

>>当日のパネルトークの様子は、動画にてご視聴いただけます!
●ダイジェスト動画(ご登壇3名の終了後の一言コメント付き)
https://youtu.be/-nr2dfamgsI

新たな価値観、気づきと出会える場「EAT&LEADトークサロン」

「EAT&LEADトークサロン」は、EAT&LEADの前身となる「食育丸の内」プロジェクトが2008年にスタートして以来、数々の料理人たちと関係を深める中でたどり着いた方向性の1つともいえるイベントです。地域や生産者さんとつながり、地域の「食」の課題と向き合い、クリエイティブ力を生かして1皿を生み出す料理人の言葉に耳を傾ければ、私たちにも多くの“気づき”が見つかるかもしれません。

毎回、お迎えするゲストは「食にまつわる仕事をする人」と「異業種で活躍する人」の2名。
ファシリテーター・薬師神陸シェフと2名のゲストが、ビジネスや生きることそのものへのヒントにつながるパネルトークを行います。

また、イベントの後半では、ゲストや参加者が一体となり、それぞれの思考とひとりひとりの気づきをシェアする共創型のワークショップを実施。今回は「あなたと食のルーツを探る」というテーマで、過去と現在、自身を形成する「食」について振り返りました。

【ファシリテーター】薬師神陸さんの自己紹介
私は、虎ノ門ヒルズで「unis」という全8席のレストランをやっています。2019年12月にオープンし、まもなく2年が経とうとしているところです。営業は夜だけ、週4日間のみ。残りの時間は、併設する「ソーシャルキッチン」というキッチンラボで、様々なシェフと企画・開発などをしています。ここではバーテンダーさんと和菓子職人さんが一緒に何かを作ったり、中華の料理人さんとチョコレート職人さんがコラボしたり、他ではあり得ない交流が生まれ、キッチンをハブにして小さなコミュニティが形成されてきました。最近は、ようやく今まで積み重ねてきたことを公の場でお披露目する機会が増えてきていまして、コロナ禍で取り組んできたことが実を結びはじめているのを感じています。
https://unis-anniversary.com/

【ゲスト】井上稔浩さんの自己紹介
生まれ故郷の長崎県島原市で「pesceco(ペシコ)」というレストランを営んでいます。見上げれば雲仙普賢岳、見下ろせば有明海、そんな場所にあるレストランです。コンセプトは「里浜ガストロノミー」。地元の漁師さんや市場、志ある農家さんとつながって、お魚とお野菜をテーマにしたお料理を作っています。たとえば、昔ながらの伝統食・エタリを発酵させた塩辛(エタリとはイワシのこと)とバターを活かしたタルトとか、ワタリガニと島原素麺で作ったかにそうめんとか(島原湾で獲れるワタリガニのことは「多比良ガネ」と呼びます)、地域に存在する食材や食文化を掛け合わせて作った1皿を楽しんでいただけるレストランとなっています。
https://pesceco.com/

【ゲスト】中村孝則さんの自己紹介

今はコラムニストという肩書きですが、もともとは雑誌の編集者で、ライフスタイル、ファッション、旅、いろんなテーマで取材をしてきました。ここ10年くらいは「食」に特化して、様々なシェフやレストランと仕事をしています。本日のイベントは“土地”というテーマですが、私も国内はもちろん、海外にも仕事でよく足を運んでいます。薬師神さんとも愛媛へ食材探しの旅をしたり、大分の別府で温泉の湯気で作った「地獄蒸し」を味わったことがありましたね。また、長年「ダイニングアウト」というプロジェクトをやっていまして、日本各地へシェフと一緒に行き、その土地の食文化を再構築して新たなオリジナル料理を作る、ポップアップの野外レストランを開催しています。海外の仕事では、まずコロンビアの親善大使をしていますね。コロンビアは生物多様性が世界トップクラスの国で、現地のマーケットに訪れると面白いんですよ。あと、10年前からイギリスの「世界のベストレストラン50」の日本の評議委員長を務めていまして、世界各国の名店へ食事に行く機会が多くあります。他には、EUとの契約で、イタリアのチーズ「グラナ・パダーノ」のアンバサダーなどもやっています。グラナ・パダーノという名は、産地名を適切に使用している“地理的表示”の1つ。3年前に日本とEUは経済連携協定を結び、関税を撤廃するという点に広く注目が集まりましたが、その中に地域の「食」の名前を保護する取り組みがあることもぜひ知っていただきたいですね。

【本日の「おむすびと味噌汁」のご紹介】
EAT&LEADトークサロンの会場では、薬師神さんがゲストの2人にちなんで考案した「おむすびと味噌汁」が参加者へ振る舞われます。今回のメニューはこちらでした。
●2つの産地の にこまるおむすび
●具雑煮風蓮根もち 味噌仕立て

おむすびは、品種はいずれも「にこまる」で、長崎産と愛媛産、産地違いのお米を2種類使用。長崎産にこまるは、井上稔浩さんの故郷・島原の天然水、有明海の矢堅目の藻塩を使った「長崎 塩おむすび」に。愛媛産にこまるは、四国カルスト天然水、愛媛県大洲市・梶田商店の「たつみ麦味噌」を使って焼き上げた「愛媛 味噌焼おむすび」に仕上げました。中村孝則さんと食材探しの旅をしたこともある薬師神さんの故郷・愛媛の味覚を込めた、麦味噌の甘みがふんわりと広がる焼きおむすびです。

味噌汁は、島原の郷土料理「具雑煮」をイメージして作った1品。本来は海の幸とお餅が入る具雑煮をアレンジし、旬のレンコンを使用しています。具材は、えび、あなご、鶏肉など、いろんな具をゴロゴロと入れたレンコン餅。レンコンのすり流しに「たつみ麦味噌」を入れたお汁でいただきます。

このおむすびと味噌汁が参加者すべてのテーブルに行き渡った頃、パネルトークがスタートしました。

パネルトーク「土地とつながる食」

東京にレストランを構え、第一線で活躍するEAT&LEADトークサロンのファシリテーター・薬師神さん、故郷の長崎県島原市で「里浜ガストロノミー」を標榜する新進シェフの井上さん、世界の名店を渡り歩く「美食」のエキスパート・中村さん、この3名によるパネルトークは果たしてどんな展開になったのでしょうか。

──最初の質問は「今の土地をどうして選ばれましたか?」です。井上さんの場合は島原のご出身ということでしたが、ご自身の食の表現の場としてなぜ故郷を選ばれたのでしょうか?

井上さん:単純に地元が好きで、愛着があるからです。18歳で島原を出て、その後、東南アジアを中心に各地を旅しました。もちろん旅は楽しいし、きれいな風景とたくさん出会えましたけど、おかげで地元の魅力に気づくことができたのだと思います。私が料理を始めたのは鮮魚店を営む父の影響が大きくて、自分も小さい頃から父と一緒に市場へ足を運んでいましたが、当時の漁業は活気があり、魚もたくさん獲れていました。でも、大人になった頃には、漁協が減っていたり、漁師さんが少なくなっていたり、魚も獲れなくなっていたのです。そこで、自分がレストランをつくることで、再び島原の海を豊かにできないかと考えました。たとえば、むやみに魚を獲り過ぎず、良質な魚だけを少量獲るようにすれば価値が高まりますよね。だから「里浜ガストロノミー」というテーマのもと、料理を通じて、海と接点を作り、環境とつながりを持ち、ここに存在する意義のあるレストランでありたいと思いながら、日々、取り組んでいます。

薬師神さん:私も地元・愛媛でレストランを作らないかとお声がけいただいたこともありましたが、なかなかチャレンジするには至りません。地方では外食する頻度が少なく、給料日とか記念日とか、ちょっと贅沢をする時だけです。特にフレンチともなると結婚式でしか食べる機会のない人も多いですし、井上シェフのようにイタリアンだったとしても、コース仕立てというよりもパスタやピッツァをイメージする人が多いので、お店を軌道にのせるまでに高いハードルがありますよね。それと、情報が集まる場所で自分なりに変換しながら物事を考え、新しいものを作っていきたいという思いもあって、あえて東京という場所を選んでレストランをやっています。

中村さん:世界の人にアンケートをとると、日本を旅する目的の1位は圧倒的に「食・食体験」や「食文化」なんですよ。つまり、そこへ足を運ばないと食べられない料理を求めてやってくる。“そこでしか食べられない料理”というのはいろんな理由がありますが、特にその土地から持ち出せない食材を活かしていることですね。近年、各地にわざわざ旅をする理由となるレストランが増えていて、日本の魅力向上につながっていると思います。ちなみに、コロンビアではカピバラを食べるんです。かわいそうだと思うけど、これが非常に美味しい。あれはまた食べたくなる味ですね。

──その土地ならではの「食」を通じて、どのようなことを伝えたいとお考えでしょうか? また、地元や国内外、どのようなお客様に向けてお料理を届けたいと思っていますか?

井上さん:当初は、地元の方へ向けてイタリアンのレストランをやっていました。でも、せっかく産地が近くにあるのだから、もっと地元食材を活かそうという発想に変わってから、地元以外のお客様へ目を向けるようになりました。たとえば、地元の人はそうめんが好きで、毎日のように食べたりもしますが、「レストランで食べるものではない」という反発もあったのです。でも、旅で訪れたお客様に提供すると「やっぱり島原といえばそうめんだよね」と捉えてくれて、そんなことを続けているうちに、地元の人も「そうめんという素晴らしい食文化を伝えてくれてありがとう」という雰囲気になってきました。私は地域に文化として根づいている食材を使うことを一番大切にしていますが、それが今の自分にとっての強い個性となっています。

薬師神さん:私は普段から全国の産地をめぐっていますが、東京に入ってこない知名度のないローカル食材もいろんな食材と掛け算し、新たな楽しみ方の提案をすることで付加価値を持たせていきたいと思っています。東京の強みは、何といっても優れたインフラです。翌日にはモノが届くという便利さを活かし、各地から届いた様々なものを掛け合わせることができるわけです。レストランにお越しくださるお客様には、常に「自分なりの解釈でこういう料理にしました」と提案していきたいと思っています。

中村さん:薬師神さんがおっしゃったことは非常に納得で、今、「食」のインフラは加速して充実しています。新幹線が物流サービスをやろうとしていたり、生で食べないと美味しくないものも東京にどんどん集まるようになってきました。食材も良い、シェフも良い、あとはもっと発信することが必要です。食文化やシェフという日本の武器を、ここ丸の内から世界へ積極的に発信していきたいですね。

薬師神さん:これまでのように“課題解決に食を通じて取り組もう”ではなく、これからは“課題解決のカゲに料理人あり”という時代になってほしいと思っています。すでにあるブランディングに「食」をはめていくというよりも、料理人たちが社会課題に目を向け、自らメディアを作れる時代になりましたよね。今日は会場に料理人の方も多数お越しいただいて嬉しいんですが、こういう場を増やして、料理人さんが「自分にも何かできるかな」って考えてもらえる機会をもっと増やしていきたいです。

中村さん:レストランがメディアになったというのは、ここ15年くらいのことですよね。料理人が情報の発信源になっているという点では彼らの時代だと思うし、一方、取り組まなければいけない課題が多く、彼らの負担が増しているかなとも思います。だから、本日のような公の場で課題をシェアするのはすごく大事なことです。また、私たちも料理人たちを応援することで、食環境の保全につながるのだと思いますよ。今、主な「食」の課題は、資源の枯渇と労働環境の悪化。そんなこと昔は考えなくても良かったんですけど、これからはあれは食べちゃダメ、それは発信してはいけないと制約の多い時代になってきます。その時、料理人たちの技術力と発想力が活きてくるはずです。

井上さん:資源の問題については、産地にいると、農産物も海産物も良くない部分も見えてきます。海や畑に影響を与えていたり、自然環境の変化があったり、今、自分たちがやれていることが数年後にはできなくなるかもしれないという危機感があるのです。東京には良い食材が集まってくるかもしれませんが、もし産地がダメになってしまえば東京もダメになってしまいますよね。だから、本日のような場で、みんなで工夫や知恵を絞り合い、より良い食材を守っていくためにできることを考えていきたい。それが食文化を次の世代に残すためにも必要なことで、今のひとつひとつの選択しだいで未来は変わっていくと思います。

──島原の食材や食文化が、意識的に守ろうとしないと守れない状況になっているともお聞きしましたが、その点についてはいかがですか?

井上さん:そうですね。文化はどんどんなくなっていくもので、たとえば自己紹介の時に触れた「エタリの塩辛」も、昔は獲れた時に塩漬けをし、保存食として欠かせないものでした。今は冷凍などのテクノロジーが発達し、それを作らなくても生きていける世の中になって、どんどん作られなくなっています。でも、あの塩辛の素朴な美味しさが失われてしまうのは寂しいですし、テクノロジーによって食べ物が均一化され、地域の食文化がなくなっていくと地域の個性がなくなっていくわけです。田舎とはいえコンビニもありますし、便利になった一方で、昔はあったけど今はないというものが当たり前にあります。そういうものを地元のおじいちゃん、おばあちゃんから教えていただいて、その知恵や工夫を料理に活かし、今の時代に合う美味しさに変えて発信していきたいと思っています。

今、料理人は美味しい料理を作ることだけに専念するのではなく、「食」を取り巻く課題に挑み、発信する時代。東京で仕事をする人も、地方に拠点を持つ人も、それぞれの目線で自分なりに行動することが大切で、1人でも多くの料理人の意識が変わっていくと日本の「食」は本質的な豊かさを取り戻していくのではないか、そんなメッセージが伝わってくるパネルトークとなりました。

ワークショップ「あなたと食のルーツを探る」

トークセッションが終了し、イベントは後半へ。
登壇者も参加者も一緒に行うワークショップが始まりました。

テーマは、「あなたと食のルーツを探る」。
会場内の全員が2つの質問について回答を用紙に記入し、1人ずつ発表していきます。

【2つの質問】
●あなたの食の原体験を教えてください。
●今のあなたを作っている食はなんですか。

1つ目の質問「食の原体験」で、一番多かった回答はやはり“母の手料理”です。
たとえば、余った冷ごはんで作ってくれた塩むすび、「大海(だいかい)」という煮物(新潟県村上市の郷土料理)、フレンチトーストとそのパンの耳で作った揚げパン、今も実家に帰ると必ず食卓に並ぶ幼少期からの大好物・さつまいもの天ぷらといった回答がありました。

また、“母の味”ではなく、“父の味”や“祖父母の味”が原体験という人も。
飲食店を営んでいた父が作る洋食、半ドンだった土曜日に父が作る焼きそばとテレビの『吉本新喜劇』がセットになった昼ごはん、祖父が作った大きなぼた餅など。

そして、ゲストの中村さんの原体験は?といえば「幼稚園の頃に食べた、レバーとブルーチーズ」。世界にはこんなに美味しいものがあるのか!と衝撃を受けた2品だそうで、その後も美味しさの基準としてご自身の中でずっと生き続けている原体験だと話します。美食の世界に精通した中村さん、さすがのご回答でした。

井上さんは「妻の実家に初めて結婚の挨拶に訪れた際、義理の祖母が作ってくれたほうれん草の白和え」。若くして亡くなった奥様のお父様が好きだったもので、折に触れては義祖母が食べきれないほど作るそうです。その思い出を込めたほうれん草の1皿を、井上さんのレストランでは冬の定番メニューとして供していると言います。

薬師神さんは「宮大工だった祖父の家に併設された工場で、灯油ストーブの上で作る鍋料理『いもたき』」。小学校から帰ってきて、工場の職人さんたちと食べるいもたきは、里芋がドロドロになるほど煮詰まり、目分量で作るので味も毎日違ったそうですが、それがとびきり美味しかったのだと話してくれました。

2つ目の質問「今の自分を作っている食」で、最も多かった回答は“お米”でした。
たとえば、母から送られてくる実家の田んぼでとれたコシヒカリ、東京から移住した先・白馬村のミルキークイン、毎朝、家族のために鍋で炊き上げる白米など。また、子どもの頃にサッカーの試合前に縁起を担いで食べていた赤飯のおむすびを、今も何かに挑戦する機会がある度に必ず食べるという人もいらっしゃいました。

ゲストの中村さんは、先ほどのご回答・レバーとブルーチーズとは打って変わって「胡麻と海藻」。胡麻は、薬師神さんと大分に行った時に買った小鹿田焼のすり鉢で毎日大量にすり、みそ汁に入れたり、ほうれん草と和えたりしているそう。また、海藻は主にふのりで、胆汁を活発にするという健康面で取り入れているとのことでした。

井上さんは「つながりのある生産者さんの野菜で作った料理」。自分が食べているもの全部が、どこで生まれ、誰がどのように育てたかがわかっていると嬉しいし、日々、有難みを感じながら味わうことができるから、という実に井上さんらしいご回答でした。

薬師神さんは「ごはん」と「店のまかない」。ごはんは、“ビールとごはん”もいけるほど白米好きで、毎日欠かさず食べるそうです。また、レストランで発生する食材の端材を100%使い切るよう考えてまかないを作っていることは、今の自分を形成する上で大切なものになっていると言います。アナゴの尾だけで作ったアナゴ丼、グリーンアスパラの下の方だけをグリルして作った焼き浸しなど、お客様には出さない端材を活かした料理をスタッフみんなで美味しく味わっているそう。ちなみに、まかない作りは、主にスーシェフの担当なのだとか。冷蔵庫の食材管理の面で、下の子よりも現場を指揮するスーシェフの方が適しているためで、薬師神さんのお店のチームワークの良さを窺わせるお話でした。

こうしてワークショップを終え、閉会を迎えたEAT&LEADトークサロン。実は今回、これまで開催してきた4回とは少し異なる点がありました。それはビジネスパーソンが中心の集まりではなく、食従事者の参加者が過半数を占めていたこと。それを踏まえた上で、薬師神さんが「料理人をはじめとする食従事者の皆さんこそ、EAT&LEADトークサロンに参加し、もっと視野を広げてもらえたら嬉しい」と力説する場面もありました。最後に、薬師神さんの言葉をご紹介します。

「世の中にはお金にはならないけどやった方が良いこともあれば、お金にはなるけどやらなくていいこともいっぱいあって、限られた時間の中で必要なものを選択するのは難しいところですが、EAT&LEADトークサロンのような場に参加する機会を増やし、思考めぐらす時間は大切だと思います。また、私の場合、お店を週4日の営業にしてインプットする時間を増やしていますが、日々いろんなものに追われ、余白を持てなくなると自分を振り返ることができなくなりますよね。今の時間の使い方に疑問を持つことも重要で、自分にとって何を優先すべきか、ぜひ一度考えてみてください」(薬師神さん)


「EAT&LEADトークサロン」今後の開催予定

【第6回】2023年1月24日(火)「食の価値観から見える未来予測」
ゲスト:naoさん(JULIA Executive Chef)× 諏訪綾子さん(アーティスト/food creation 主宰)
>>参加者募集中!お申し込みはこちらから
https://shokumaru.jp/talk_02/


>>今回のダイジェスト動画の視聴はこちら!
第5回「土地とつながる食―地域に特化したレストランの在り方」

*こちらの動画ではパネルトークのみご視聴いただけます。

 

 

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