1. EAT&LEAD
  2. 丸の内シェフズクラブ
  3. 三國清三×杉山衛×張漢華 三大シェフがめでる 江戸の穐(あき)の収穫祭

SHARE

  • X
  • Facebook

三國清三×杉山衛×張漢華 三大シェフがめでる 江戸の穐(あき)の収穫祭

 今回は、三國シェフを筆頭に、「銀座寿司幸本店」の杉山衛氏、「福臨門魚翅海鮮酒家 丸ビル店」の張漢華氏の3大シェフが、フレンチ・和・中華によるミラクルなコラボディナーに挑戦。 「食育丸の内」のコンセプトである東京を中心とした大都市圏の自給率向上やフードマイレージ対策への提言となるイベントが実現しました。

会場の様子

 メニューの主役は、東京周辺で伝統的に生産されてきた「江戸東京野菜」。肉や調味料も東京素材を使用し、地産地消にこだわりました。また、「食育」という概念の発祥地であり、三國氏自身が食大使を務める福井県産の魚介や米、銘酒と江戸東京野菜とのハーモニーも、秋の味覚満載のコースにふくよかな滋味を与えてくれました。

三国シェフフラワーアレンジ(左)、「鱧deマリアージュ...」(右)

 HANAHIRO CQ による秀麗なフラワーアレンジが光る会場では、杉山氏の音頭による乾杯を合図に運ばれてきた前菜から、3シェフ3様の食の小宇宙を華麗に展開。

前菜の「ゆうじとたかしの18種」と削り節のだし&金華ハムベースの上湯スープ「鱧deマリアージュ...」

 張シェフによる人参、大根、白菜、水菜、蕪など7種の野菜にコラーゲンもたっぷりスープの後は、会場に特別に設置された寿司カウンターで杉山氏自らが江戸前握りパフォーマンスを披露してくれました。

三國シェフ

 そして秋川牛と江戸東京野菜が見事に融合したヘルシーかつ優雅なメインは、まさに三國シェフの真骨頂。さらにデザートはワンプレートに3シェフの粋が結晶 。その繊細かつ大胆なハーモニーに、「前菜からデザートまで感動し通しだった」「野菜が多いので、罪悪感なくいただけた」と、参加者からも絶賛の声が聞かれました。

杉山衛氏

 今回は、イチロー選手がメジャーリーグ記録達成時に送られたり、鳩山首相がオバマ大統領へのお土産にも持参した福井の老舗蔵元・加藤吉平商店の銘酒「梵 夢は正夢」をはじめとする日本酒の数々も料理に華を添え、「料理とお酒の相性や飲み比べも楽しめた」と、舌の肥えた参加者もご満悦の様子でした。

みんなで記念撮影

 最後に三國シェフが「江戸東京野菜と福井県の食材を主役にした今回のイベントは、地産地消やフードマイレージを考えるうえで非常に意義深い機会となりました。これからも、大人の食育プロジェクト「丸の内シェフズクラブ」一員として、食育につながる活動に積極的に貢献していきたい」と力強く挨拶。東京と福井の幸をテーマにした秋のスペシャルディナーは、国産食材への意識を高め、食育を推進する「食育丸の内」の活動の一環として、まさに実り多き1日となりました。

旬を味わえる希少な在来品種 東京生まれの「江戸東京野菜」江戸東京野菜

単に東京で作られた野菜でなく、主に江戸時代から東京周辺で伝統に生産されていた在来品種の野菜。露地栽培で育成するため、栽培農家は決して多くはないが、四季折々の旬を味わうことができる貴重な野菜といえる。代表的なのは、練馬大根、寺島茄子、品川蕪、谷中生姜、伝統小松菜、奥多摩山葵、千寿葱など約20種。

【江戸東京野菜 食育生産者ページはこちら】

食育の発祥の地・福井県は豊かな食文化の宝庫福井産のお米

「食育」の語源は福井出身の医師・石塚左玄が提唱した、その土俵に合った食材を摂って心身を癒すという「身土不二」の考えに基く。食文化の宝庫である福井は、コシヒカリの故郷でもあり、寒流と暖流が交わる若狭湾の海の幸も豊富。河川や湧水も多く、美味しい米や酒が生まれる源となっている。万延元年に創業した福井の老舗蔵元・加藤吉平商店で作られている「梵」も、宮内庁の儀式やカンヌ映画祭など国際的な公式行事晩餐酒として重用されている。

【福井県の食】

http://www.pref.fukui.lg.jp/miryoku/syoku/cat3602

【加藤吉平商店】

http://www.born.co.jp/

メニュー紹介四種の東京野菜のピュレ、小笠原の天然塩添え】と、杉山シェフの「野菜たっぷりなめろう(左)、広東風チャーシュー(右)

東京産野菜の彩りを活かした三國シェフによる【四種の東京野菜のピュレ、小笠原の天然塩添え】と、杉山シェフの「野菜たっぷりなめろう】、張シェフの【広東風チャーシュー】が並んだコラボ前菜。

金華ハムや老鶏などを5時間近く煮込んだ張シェフの【東京野菜と九州産すっぽんの上湯スープ仕立て】。

お好み江戸前握り寿司 とれたての新米と魚を福井県より(左)、東京・竹内牧場の秋川牛フィレ肉とフォアグラのロッシーニ ミクニスタイル(右)

杉山シェフ自慢の握りは、福井県産の新米コシヒカリに甘海老やイカなど福井産の魚も贅沢な【お好み江戸前握り寿司 とれたての新米と魚を福井県より】。

メインは三國シェフの【東京・竹内牧場の秋川牛フィレ肉とフォアグラのロッシーニ ミクニスタイル】。とろけるような秋川牛の下には、シャキっと爽やかな江戸東京野菜の伝統小松菜が。

【チョコレートの漆塗り仕立て】【江戸前 厚焼き卵焼き】【マンゴー入りココナッツ団子】(左)、東京マカロン(右

二種のチョコを使った三國氏の【チョコレートの漆塗り仕立て】、炭で焼いた杉山氏の【江戸前 厚焼き卵焼き】、張氏の【マンゴー入りココナッツ団子】が揃い踏みした魅惑のデザート。

最後はmikuni MARUNOUCHI名物の【東京マカロン】。緑のマカロンには江戸東京野菜の奥多摩産ワサビを、赤には大島産の海草 赤トサカ、黒には竹炭を用いるなど、材料も味もルックスもこだわり満点!

mikuni MARUNOUCHI オーナーシェフ 三國清三氏mikuni MARUNOUCHI オーナーシェフ 三國清三氏

1999年に同じ場所に「ミクニカフェ・マルノウチ」を構え、10年後にこの地「mikuni MARUNOUCHI」として戻ってくることができ、大変光栄です。

今日は杉山さんや張さんと共に、「丸の内シェフズクラブ」の一員とし旬の江戸東京野菜や東京の自然野菜、福井の食材を使って、さまざまな料理を考えて来ました。心身にやさしく美味しい料理を食べていただきたいという想いには「地産地消」というこだわりがあります。

あまりご存じないかもしれませんが、東京には15,000軒の農家が存在します。地産地消を実践することで、産地と近いゆえに新鮮な食材を提供できるのはもちろん、地域の優良な生産者を支えることができます。さらに輸送エネルギーの削減にもつながり、経済や環境対策にも貢献できます。こうした食育イベントを通して、明日の日本の食文化の一助となれば幸いです。

銀座寿司幸本店 主人 杉山衛氏ち銀座寿司幸本店 主人 杉山衛氏

本日は、フレンチのお店で寿司を握るという珍しい光景をご覧いただきながら、東京湾で獲れた新鮮な魚介を使った伝統的な江戸前お寿司を提供させていただきます。

食材には福井県産の甘エビや新米こしひかりも使わせていただいています。福井をはじめ北陸産のお米は粘性や弾力があって握りやす、それでいて口に入れるとぱらっとほどけ、味わい深いので、江戸前寿司とも非常に相性がよいのです。

また、今回のテーマである江戸東京野菜は、高品質で品質が安定しているうえ産地が近いので採れたてのフレッシュな味わいを楽しめます。寿司と言うと魚介を浮かべがちですが、野菜があるとアクセントになって食が進むのはもちろん、魚介のたんぱく質だけでなくビタミン類など野菜の豊富な栄養もバランスよく採りいれることができます。

これからの寿司は、野菜の使い方が重要な鍵をにぎっていると私は思っています。

メニューに登場した「太陽と雨」の元気な野菜たちメニューに登場した「太陽と雨」の元気な野菜たち

自然の摂理を大切にする広東料理は、自分の住む土地や、その季節に合ったものを食べることが身体に一番いいという、まさに「食育」の考え方に共鳴するものがありあます。私たちは香港から来ているので、国内とはまた異なる角度から食文化を伝えて行きたいと思っています。

今回は、通常使っている中国野菜では無く江戸東京野菜を用いたので、ベースとなるシャンタンスープの味つけをできるだけシンプルにして、江戸東京野菜の甘みやうまみを生かすように工夫しました。

こうしたイベントによって、これからも日本の食育活動に貢献していければ幸いです。

PAGETOP