服部幸應の食育のツボ05「健康な体を作る5大栄養素って知ってますか?」
「炭水化物」「脂質」「たんぱく質」「無機質(ミネラル)」「ビタミン」の5種類です。名前は聞いたことがあると思います。これらは体内での作用によって「エネルギーの源となる熱量素」「人間の体そのものを作る構成素」「代謝調節のための調節素」と大きく3つに分けることができます。つまり、人間のエネルギーを育み、元気で丈夫な体を体の内部から作り、新陳代謝を促進させる。私たちにとっての「食事」は、人間が生きるために必要不可欠ものだということがわかります。したがって、偏ったものばかり食べたり、添加物や化学物質が混入したものを食べないほうがいいことは言うまでもありません。
人体の筋肉や各種臓器は主に栄養素から摂取したタンパク質から作られます。骨格などは無機質です。エネルギーは炭水化物、脂質、タンパク質などの熱量素を、体内で参加分解することで得られます。そして、これらの栄養の代謝を円滑にするのが調節素に含まれる「無機質、ビタミン」です。
病院の食事は美味しくないという声をよく聞きます。どんなに栄養士が栄養計算をした完璧な献立をたてても、まずい料理など体内の免疫機能を低下させるコルチゾールという副腎皮質ホルモンが増加し、回復力が弱まるという研究結果があります。逆に、香りがよく、見た目にもよい料理は、その香りが嗅覚から脳を刺激し、必須アミノ酸のトリプトファンから作られるセロトニンという物質が気持ちを和らげ、楽しい気分になることで食欲が湧き、免疫力が増すと言われています。これは、米国デューク大学のスーザン・シフマン教授らの研究で明らかになりました。
味と周囲の環境は密接に関係しています。日本の病院の平均入院日数は21日らしいのですが、おいしい料理やテーブル・コーディネーションにより、14日で退院できるというデーターもあるほどです。学校給食も家庭の食事も、栄養バランスだけでなく、食欲の湧くおいしい料理を提供することが重要なのです。