マルシェレポート08 「秋の収穫祭」
日本列島がもっともおいしくなる季節「食欲の秋」。今回の丸の内マルシェでは、若い世代のライフスタイルを意識した、異色のマルシェ屋台が登場した。数ある屋台の中でも、ひときわ目をひくチラシを配っていたのが「RARE PLANT」である。この屋台では、「農家の知恵や工夫によって、自然本来の力をめざめさせ、その才能を最大限に引き出した希少な野菜とフルーツ」を販売しているという。
マルシェでも人気だったのが、「ジンジャーコーディアル」とよばれるしょうがのエキスで作られた美容エキス。しょうがを無着色の三温糖に漬け込み、しょうがのエキスをじっくりと抽出したものに、八角茴香、花椒、陳皮、クローブ、シナモンスティック、赤唐辛子などの様々なスパイスをブレンドしたものだという。
このほかにも、「RARE PLANT」のホームページを覗くと、日本各地から厳選された生鮮食料品をはじめ、女性の心をくすぐるさまざまな商品が紹介されている。働く女性の味方として、美容と健康を意識したマルシェ屋台は今後、続々と増える予感がしてならない。
美容といえば「漢方農法」をテーマにした屋台も登場した。漢方農法とは、農薬や化学肥料によって病害虫を「退治」するのはなく、漢方薬に含まれるさまざな薬効成分を生かし、土壌微生物がバランスよく増殖できる元気な土壌を造ることを目的とする農法である。食育丸の内では、これまでに宮城の「漢方牛」を紹介したが、今回のマルシェでは、栃木県矢板市で漢方米を作る根本力さんが作った新米と、岐阜県で「漢熟トマト」と作る「森のトマト屋さん」のトマトが出店されていた。
根本さんの新米は、一切の除草剤、農薬、化学肥料を使わずに栽培されたお米で、全国の米・食味鑑定士協会主催の全国大会で、数々の賞と受賞したお米。日本一のお米として知られる、魚沼産コシヒカリ以上の食味値を証明したという。また、「漢塾トマト」は同じく漢方農法で栽培されたトマトで、トマトの枝で真っ赤に完熟したもののみをすっかしているという。漢方農法で栽培したトマトは抗酸化作用が強く、腐りにくいという特徴をもつという。
およそ20万人が働く街・丸の内では、おいしいのは当然ながら、食べて健康にいい野菜や加工品が女性客を中心に大人気だった。これから年末にかけて何かと食べる機会が多くなる季節。ただ食べるのではなく、食べて元気で、健康になる商品が今後のトレンドになるのは間違いない。