【これからの食を考える 7つの質問】「和久傳」女将 桑村祐子さんが 外出自粛時に考えたこと

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世界中の人々が、新型コロナウイルスによる未曽有の体験をし、自粛生活を強いられ、生活や価値観など様々な変化が生まれたのではないでしょうか。だんだん新しい日常にも慣れつつあり、外出自粛時の気持ちや、考えたことを忘れてしまうこともあるかもしれません。しかし、自分と向き合う時間の中で導き出した答えは、これからの食や暮らしのひとつの指針になるはず。そこで、食育丸の内から各業界を牽引する方々に、今一度、当時の気持ちを振り返る7つの質問を投げかけてみました。今回は京都の老舗料亭「和久傳」女将、桑村祐子さんの答えをご紹介します。

(PROFILE) 桑村祐子さん

1964年京都府生まれ。大徳寺の塔頭で住み込み修業を経た後、1989年に家業の「高台寺和久傳」に入り、2号店の「室町和久傳」の立ち上げを担当。2003年に物販の別会社「紫野和久傳」の取締役に、2007年に「高台寺和久傳」の代表取締役に就任。1870年に丹後・峰山で開業した料理旅館がルーツの老舗ながら、革新的なおもてなしで料亭文化の新しい時代を切り開く「和久傳」の女将として店を束ねている。

(1) 外出自粛時に、なにか新しい習慣は生まれましたか?

毎日少しずつですが、断捨離を始めました。物を増やさないようにキープするなど、少ない時間の中でも楽しめるよう家事を工夫するのが好きになりました。また、器の金継ぎや漆塗りを始めました。

(2) 改めて感じた、自分にとって大切なものはありますか?

仕事そのものや一緒に働く仲間の大切さを、改めて教わりました。残された人生の時間を自分らしく過ごすために、何を食べるかよりも、「なぜ食べるのか」「誰と食べるのか」を大切にしたいと思うようになりました。

(3) 自宅での暮らしを楽しむアイデアを教えてください。

食卓や机の上に物を置きっぱなしにしないこと。そうすることで、心にも余白ができると思います。

(4) この2か月の間で記憶に残っている食体験を教えてください。

スタッフとともに行っている、お米や蕎麦の栽培。また、保存ができておいしいもの、漬けたり発酵させたりした、からだに良い食べ物が“ある”ということだけでありがたいと感じました。一方で、捨てられる食べ物がまだまだ多くある社会をなんとかできないものかと、強く思っています。

(5) AFTER/WITHコロナ時代の食にとって重要なキーワードはなんだと思いますか?

“もったいない”にこだわってみる。

情報だけ持っていても地に足が付いていない状態では活用できません。うまく生きようとするのではなく、失敗や苦心から学ぶようにしたいと思っています。

(6) コロナ禍の中であなたの価値観や人生観など、変わったことはありますか?

特に変わっていません。これからも、困難から逃げずに反省とトライを繰り返していきたいと思います。食事の尊さは、お皿の上だけではない、そこから生まれる共感。その共感で、社会貢献をしていきたいです。

(7) より良い社会にしていくために私たちが教訓とすべきことはなんでしょうか?

社会で起こっていることに怒りや悲しみの気持ちを麻痺させないこと。つい思ってしまいがちな「どうせ」という気持ちも、一度疑ってみるのはいかがでしょうか。

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<他にも、こんな方々に聞きました>

「ミクニマルノウチ」オーナーシェフ 三國清三さん
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「招福楼」四代目 中村成実さん
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株式会社スマイルズ代表 遠山正道さん
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