【これからの食を考える 7つの質問】「o/sio」オーナーシェフ 鳥羽周作さんが 外出自粛時に考えたこと

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世界中の人々が、新型コロナウイルスによる未曽有の体験をし、自粛生活を強いられ、生活や価値観など様々な変化が生まれたのではないでしょうか。だんだん新しい日常にも慣れつつあり、外出自粛時の気持ちや、考えたことを忘れてしまうこともあるかもしれません。しかし、自分と向き合う時間の中で導き出した答えは、これからの食や暮らしのひとつの指針になるはず。そこで、食育丸の内から各業界を牽引する方々に、今一度、当時の気持ちを振り返る7つの質問を投げかけてみました。今回は丸の内ブリックスクエアに「o/sio」を構え、コロナ禍の中で話題性のあるテイクアウトメニューの開発やSNSを活用したレシピの公開など、アグレッシブに活動されていた鳥羽周作さんの答えをご紹介します。

(PROFILE) 鳥羽周作さん

1978年生まれ、埼玉県出身。Jリーグの練習生、小学校の教員を経て、32歳で料理人の道へ。神楽坂「DIRITTO」、青山「Florilege」で修業を積んだのちに、恵比寿の「Aria di Tacubo」でスーシェフに。2016年3月より代々木上原「Gris」のシェフ、その後、同店のオーナーシェフとなり「sio」としてリニューアルオープン。

(1) 外出自粛時に、なにか新しい習慣は生まれましたか?

「#おうちでsio」というハッシュタグでSNSでレシピを公開しました。それらのレシピをたくさんのお客様がつくって投稿してくださっているので、全ての投稿に目を通し、コメントをするのが新しい習慣になっています。

(2) 改めて感じた、自分にとって大切なものはありますか?

私は「幸せの分母を増やす」という経営指針を持っています。レストランを1店舗経営するだけだと、1日に20人のゲストしか幸せにできません。ですがシェフの価値、レストランの価値は変わってきていて、対面するお客様だけにとどまらず、「伝える 拡げる」ことが求められている。例えばレシピの公開、店舗拡大、より多くのスタッフの教育。そういったことで幸せにできる人の総数を増やしていくんです。この「幸せの分母を増やす」という指針のおかげで、コロナ禍においても明快な判断基準を持ち、スピーディーな対応をすることができました。

(3) 自宅での暮らしを楽しむアイデアを教えてください。

時間ができる中で、温故知新の精神で物事に触れる時間を作ると良いと思います。私は魯山人の書物や千利休、民藝など過去の人物の思想に触れ、その一方で今新しくチャレンジしている物にも触れています。例えば「マルニ木工」のモダンにアレンジされた椅子、建築家で友人の長谷川豪さんの作品、クリエイティブディレクター 水野学さんの作品など。古くからのものと新しい解釈の両方を知ることで、自分なりの新しいアイディアが生まれてきますよ。

(4) この2か月の間で記憶に残っている食体験を教えてください。

家族で食事をする機会が増えました。「おうちでsio」のレシピのプロトタイプをつくって家族に食べてもらい意見をもらうなど、仕事にも繋がる有意義な時間が持てました。

(5) AFTER/WITHコロナ時代の食にとって重要なキーワードはなんだと思いますか?

料理人が対面で料理を提供する時代から、「伝える・広げる」というところにまで価値がシフトしていくと思います。「幸せの分母を増やす」ことで、AFTER/WITHコロナの時代も生き抜いていけると考えています。

(6) コロナ禍の中であなたの価値観や人生観など、変わったことはありますか?

あくまで徹底的にお客様目線が大事であり、私たちは「料理人」だということ。お客様が求める料理を最高に美味しい状態で提供することに努めるのは、コロナの前後でも変わらないことです。

(7) より良い社会にしていくために私たちが教訓とすべきことはなんでしょうか?

目先の利益ではなく、本質的に課題解決になっているかどうかで判断すべきだと思います。

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<他にも、こんな方々に聞きました>

株式会社スマイルズ代表 遠山正道さん
https://shokumaru.jp/7q-06/

「ミクニマルノウチ」オーナーシェフ 三國清三さん
https://shokumaru.jp/7q-03/

シェフ、カリナリープロデューサー 薬師神陸さん
https://shokumaru.jp/7q-08/