【これからの食を考える 7つの質問】「PIZZERIA GTALIA DA FILIPPO」シェフ 岩澤正和さんが 外出自粛時に考えたこと

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世界中の人々が、新型コロナウイルスによる未曽有の体験をし、自粛生活を強いられ、生活や価値観など様々な変化が生まれたのではないでしょうか。だんだん新しい日常にも慣れつつあり、外出自粛時の気持ちや、考えたことを忘れてしまうこともあるかもしれません。しかし、自分と向き合う時間の中で導き出した答えは、これからの食や暮らしのひとつの指針になるはず。そこで、食育丸の内から各業界を牽引する方々に、今一度、当時の気持ちを振り返る7つの質問を投げかけてみました。今回は地産地消にこだわり、上石神井で絶品ピッツァを作る「PIZZERIA GTALIA DA FILIPPO」の岩澤正和さんの答えをご紹介します。

(PROFILE) 岩澤正和さん

ピッツァの本場で修業するため渡伊。帰国後、大手飲食チェーンの開発に携わり、調理指導やFC加盟店会派の事業責任者を務める傍、ナポリピッツァの世界大会に挑戦し2006年、2007年の2年連続表彰という快挙を成し遂げた。2012年に独立し、「PIZZERIA GTALIA DA FILIPPO」を石神井公園にオープン。国産小麦を始め日本の旬食材を使った、“武蔵野ピッツァ”を提案する。2020年3月に愛媛県の滑床渓谷にッツェリア「Selvaggio」をオープン。

(1) 外出自粛時に、なにか新しい習慣は生まれましたか?

体温を測ったり、体調確認の頻度が増えました。また、レストランでは除菌設備をより充実し、殺菌を今まで以上に行うようになっています。家で料理をする機会も増えました。食材の大切を理解しているからこそ、日々の自炊の大切さに気づき、楽しむことができたと思います。逆に、この自粛期間中に料理が苦痛になっていたのは母親という立場の方だと思います。だから、1日1食でも男性が家事を分担し、バランスよく家事を担ってライフスタイルを送ることが今後の課題だと思いました。私自身、自粛前は忙しくて家族との会話が少なくなっていたので、家族との時間の大切さ、楽しさを考えさせられた期間でした。

(2) 改めて感じた、自分にとって大切なものはありますか?

普通の日常、命、人に会えるということ。今の時代は自分たちのためだけではなく、これからの子どもたちや子孫が住みやすい街作りや仕組みが必要ですね。食を通してよい循環を加速することが、今の自分にできることだと思います。

(3) 自宅での暮らしを楽しむアイデアを教えてください。

料理をすること。庭でのバーベキューしたり、テイクアウト商品の再調理してみたり。私は、夜の自由な時間が増えたので、庭にゴザを広げて空を見上げたのが良い時間でした。また、普段は忙しくて後回しにしてしまうけど、やりたかったことを楽しむのも良いと思います。子どもと一緒に完成させるパズルやプラモデル、そして油絵も“時間が作品を作るもの”なのでおすすめです。

(4) この2か月の間で記憶に残っている食体験を教えてください。

公園へお弁当を持参して過ごした、家族とのたわいもない食事の時間。早朝に散歩した後のテラスでの朝食。また、愛媛のお店が自粛休業していた時、農家さんに手伝ってもらいながら畑仕事をしました。その時に、愛媛で農家をしている芝さんと毛利さんが作ってくれた、地元の野菜を使った料理や塩むすび、麦茶が人生最高の食事でした。

(5) AFTER/WITHコロナ時代の食にとって重要なキーワードはなんだと思いますか?

原点回帰がキーワードで、「皆で楽しむ」「自給率」「価値観の変化」この3つがポイントだと思います。

(6) コロナ禍の中であなたの価値観や人生観など、変わったことはありますか?

日々のたわいもない日常が幸せだと改めて感じました。また、災害時の生産者の強さや需要への対応について、考えが変わってきています。世の中がどれだけ便利になり、科学の力が発達しても、人の力だけでは作れない自然との共存の大切さを知りました。

(7) より良い社会にしていくために私たちが教訓とすべきことはなんでしょうか?

もし感染者が出ても、家族ならば受け入れられる。会社の同僚や、お客さん、すべての人たちが家族になれるような仕組みが必要ですね。私が感じた教訓は、線引きするのではなく、信頼関係を構築するということ。また、昨今では、日常使いできる飲食店は以前のにぎわいを戻しつつあります。しかし、インバウンドに頼っているお店や、年に一度の特別な日に行くようなレストランや施設は、未だ厳しい状況が続いています。しかし、そんなレストランやそこで働く人材をなくすのは、この国にとって損害が大きいでしょう。業界維持のため、厳しい中ではありますが、自分の店でも自粛期間中に2名の人材を受け入れています。世界に誇れる技術や人材に価値を見出せる社会になれるよう、様々な分野で連動し、早くに解決したいと思っています。

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<他にも、こんな方々に聞きました>

「o/sio」オーナーシェフ 鳥羽周作さん
https://shokumaru.jp/7q-05/

「ミクニマルノウチ」オーナーシェフ
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シェフ、カリナリープロデューサー 薬師神陸さん
https://shokumaru.jp/7q-08/