〈食のFIELD WORK in 雲仙〉 レポート1日目/伝説の守り人 編
「美味しさの本質」ってなんだろう…
その答えは産地(ローカル)にありました。
都心を飛び出し、シェフと巡った3日間。
〜EAT&LEAD食のフィールドワーク in 雲仙〜
<1日目:伝説の守り人 編>
一人ひとりが「食」と向き合い、真に食べる楽しみ知るために必要なことはなんでしょうか?
その答えを探すために、3名のシェフとともに産地を巡るフィールドワークを行いました。
私たちの身体を構成する「食」がどのように生まれ、どのように育てられているのか。
全国各地の生産者と深くつながり、その魅力を丁寧に伝える食の探求者であり、
伝道師であるシェフとのフィールドワークは、私たち消費者はもちろん、
産地の人たちにも新しい視点を与えてくれるはずです。
【一緒に巡ったシェフの皆さん】
PIZZERIA GTALIA DA FILIPPO オーナーシェフ
岩澤 正和さん
1979年神奈川県茅ケ崎生まれ。家業がレストランだったため、小さい頃から厨房が遊び場だった。18歳より料理人の道へ。2002年にピッツァの本場・イタリアに渡航。帰国後は大手飲食チェーンでの調理指導等を務める傍、ナポリピッツァの世界大会に挑戦し、日本人として初めて2006・2007年2年連続表彰を成し遂げる。2012年に独立し、「PIZZERIA GTALIA DA FILIPPO」を石神井公園にオープン。全国6店舗のgtaliaグループの代表を務める。国産小麦の推進や商品開発など、日本の食材を使った“人の繋がりで地域に根付くレストラン”を提案している。
byebyeblues TOKYO シェフ
永島 義国さん
1975年、新潟県出身。19歳でイタリアンの料理人を志し、都内で修業を開始。29歳で渡伊し、5年間で6つの州、星付きレストランを含む8店舗で修業する。35歳で帰国し、2014年にサローネグループに入社。2018年に「SALONE TOKYO」のシェフに就任。2022年9月にシチリアに渡って、10年連続ミシュランの星を獲得している名店「byebyeblues」の厨房でトレーニングを積み、同年11月、丸の内・東京ビルTOKIAにオープンした「byebyeblues TOKYO」のシェフに就任。シチリア本店と同じ料理を、日本の食材を使って作り出している。
招福樓 若主人
中村 嘉宏さん
1990年、滋賀県出身。「招福楼」の若主人であり、5代目。小さな頃から調理場を遊び場にして育ち、20歳で招福楼に入社、30歳のときに東京店の店長に就任。料理人としての技を追求する一方、江戸時代から伝わる食文化を中心とした暮らし方や思考を、現代の人々に繋ぎ伝える活動を続けている。明治初年、滋賀県・八日市にてお茶屋として開業した「招福楼」は、第二次世界戦後、3代目の中村秀太郎さんが料理店に改め、今では名料亭と称されている。店舗は本店のほか、丸ビルにある東京店の全2軒。
食のフィールドワーク、第3回の舞台は長崎県雲仙市です。
長崎県南部・島原半島の北西部、雲仙普賢岳を取り巻くように位置しており、西岸に橘湾、東岸は有明海に面しています。また、市内の一部は日本最初の国立公園である「雲仙天草国立公園」に指定されている自然豊かな地域です。
加えて、島原半島は火山の恵みにより土壌が肥沃なことから、農業が盛んな場所。
さらに、畜産や水産資源も多く、半島の形状にもあいまって「一億人のいぶくろ」とも呼ばれています。なんと今年、「初代 美食都市アワード」も受賞し、食材のおいしさが際立っているとの事前情報もあり、ずっと訪問を楽しみにしていました。
【 1日目 】伝統の守り人を訪ねる
羽田空港から一同を載せた飛行機は長崎空港へ。
一行を出迎えてくれたのは、雲仙市役所 観光商工部観光物産課の松坂良太さん。
今回のフィールドワークの企画や現地調整等をしてくださった、「食の雲仙」のスポークスマンです。
「今日は雲仙までお越しいただきましてありがとうございます!雲仙の方は話好きの方が多いので、絶対行程が押すと思いますが、そこも考慮の上ですのでご安心を(笑)。ぜひたくさん交流してください」と一言。
松坂さんに3日間の行程をご説明いただきながら、マイクロバスで雲仙市内に向かいます。 まずに訪れたのは「種の自然農園」の岩崎政利さんの畑。
約40年にわたり、農薬も肥料も使わず種を繋いで “在来種”を守っている岩崎さん。
岩崎さんの育てる生命力あふれる野菜や人柄、想いに魅せられて、雲仙に移住してきたシェフも多いといいます。
一行が伺った8月下旬はちょうど夏野菜と秋野菜の端境期。
「今は収穫後であまり野菜がないのですが、かぼちゃが少しと、ししとうをもう一つの畑で育てています。種の交雑を避けるために、畑を10箇所ほどに分散させています」と話すのは岩崎さん。畑に入った瞬間、土のやわらかさに驚きました。
“在来種野菜”とは、古くから農家が種をとったり、挿し木や芋で増やしたりして栽培してきた伝統野菜や雑穀などの作物のこと。自然な育種をしていくうちに、その地域の気候風土にあわせて適応していくといいます。
日本では1970年代以降、「F1種」と呼ばれる交雑種の野菜が次々と登場してから、それまで日本各地で当たり前に行われていた有機栽培も種採りも姿を消してしまいました。
形が揃っていて、日持ちがするように品種改良されたF1種は、流通目線では優秀な野菜。しかし、その性質は1代限りで、農家さんは毎年種を買う必要があるそうです。
反対に岩崎さんの繋いできた「在来種」は個性が強いのが魅力。
数百年という古い歴史をもつものもあれば、数十年という新しいものもありますが、自然交配や人々が何年にも渡って選別をしながら育種をしてきた野菜ばかり。その種をとって育てると、親と同じような性質の野菜ができるそう。
その土地の風土と農家の手が繋いできた在来種野菜は、旨味はもちろん野菜自身がもつ酸味・苦味・えぐみなども感じられるといいます。
「少しなんだけど野菜を残しているから、ぜひ食べてみて。これは大和スイカ。そっちにあるのは、山口きゅうりと平家きゅうり。こっちはマクワウリ」と岩崎さん。机いっぱいにお野菜を準備していてくれました。
その場で切ってくださったスイカは、明治時代からある縞模様のないスイカ。とってもジューシーで甘味が強い!
マクワウリはほのかな甘味と瑞々しさ、少しほくっとした食感でデザートのよう。
「メロンほど甘くなくて、前菜に使えそうですね」と永島シェフ。
岩崎さんが大切に繋いでこられた貴重な種も見せていただきました。
「ここ10年ほどは日本各地から在来種の種が送られてくることも増えました。大体が閉農される地方の農家さんばかりです。この種は北海道のカボチャ農園さんから届いたものです」と少し悲しげに話す岩崎さん。
「私がこの種を絶やしてしまったら、この世からこのカボチャが無くなってしまう。頑張って残さないと…とやってきました」と続けます。
雲仙と気候の異なる土地の在来品種も、毎年大切に育てて種をとるうちに、雲仙の土地にあった野菜になっていく、「風土に馴染む」と岩崎さんはいいます。地球温暖化でF1種は枯れてしまうそうですが、岩崎さんのように毎年種を繋ぐやり方だと、野菜自体が少しずつ暑さに強くなるというのも納得です。
自然と対話しながら土をつくり、繋いできた種を植え、実った野菜を収穫し、野菜の花の美しさを楽しみ、次世代に残すための種をとる…。毎日休みなく畑に足を運び、種を繋ぐ岩崎さんの姿を見て、消費・流通の発展と同時に私たちが失いつつある、本来の日本の農の豊かさについて考えさせられました。
続いて一行が訪れたのは、岩崎さんも野菜を卸しているという「オーガニック直売所 タネト」。
代表である奥津爾さんは、岩崎さんとの出会いをきっかけに家族で雲仙市に移住。2019年に「タネト」をオープンし、半径20km以内で生産された在来種野菜を中心とした無農薬野菜や、オーガニックな加工品を取り扱っています。
一行が滞在している間も、地域の農家さんや生産者さんが次々と食材を納品していきます。
食材につけられているポップには、生産者さんの名前はもちろん、美味しい食べ方などが手書きで添えられていて、食材に対する愛情が溢れていました。
また、お店ではプラスチックフリーを実践。米袋をリサイクルしたお買い物袋を用意したり、ビニール袋での個包装はせずに根菜は土の上に直置きしたり、葉物野菜は切り口を水につけて立てておくなど工夫されていました。
また、在来種野菜を守るためには「知ってもらうこと」が大切と、岩崎さんの栽培技術を若手農家に伝える勉強会や在来種野菜について学ぶ講座「雲仙種の学校」の開催など、この先種を守る担い手の育成にも取り組んでおられるそう。
残念ながらこの日は奥津さんにはお会いできませんでしたが、雲仙の生産者と消費者を繋げるだけでなく、在来種野菜の発信拠点でもあることを実感しました。
時間はちょうどランチタイム。
岩崎さんとともに一行が訪れたのは「Locanda del Campo」。
イタリア・トスカーナ地方のレストランで、互いにシェフとして出会ったオーナーシェフの宇治拓磨さん・望さん夫妻が、奥様の故郷である雲仙の自然と食材を気に入り、2022年にオープンされたイタリアンレストランです。
岩崎さんの在来種野菜や地元の旬な食材にこだわった創作イタリアンを提供されています。
生産者との対話やシェフ同士の交流にも積極的に参加されており、この日は同じ雲仙の名店「雲仙福田屋」で腕を振るっている総料理長の草野玲さんが助っ人としてキッチンに。
「和食の料理人がイタリアンのキッチンをサポートしてくれるの!?」と驚いていると、今回のフィールドワークをアテンドしてくれた雲仙市役所の松坂さんが教えてくれました。
「実は雲仙では、“天幕レストラン”という、島原半島のシェフたちが総力を結し、雲仙の豊かな食材をフルコースに仕立てて提供するイベントを何度も開催しているんです。レストラン会場になるのは雲仙の大自然。自然の中に天幕を張り、その下で食事やお酒をいただくスタイル。この日のために、雲仙のいろんなレストランからシェフ・料理人が集まり、互いの知恵と技術を出し合い、どんなコースにするかはもちろん、提供するお皿や合わせるお酒についても綿密に打ち合わせをするんですよ」とにっこり。
だからこそ、雲仙では和洋中などのジャンルを問わずシェフ同士の繋がりが強く、今回のように和食の料理人の草野さんがイタリアンのキッチンをサポートすることもあるそう。
「今日は岩崎さんのお野菜はもちろん、雲仙の豊かな食材を使ったコースを仕立てました」と宇治さん。その言葉通り、雲仙の食の豊かさがギュッと詰まったお皿の数々に、一行も笑顔が溢れます。
「岩崎さん、お店に来てくれるのは初めてですよね?楽しみにしていたんですよ」と宇治さん。
実は岩崎さん、宇治さんのお店にお野菜を卸しているけれど、お客様としてくるのは今日が初めて。
「ここ数年、在来種野菜が評価されるようになってきましたが、それは“食”としての価値を料理人の皆さんが認めてくださったことも大きいです」と岩崎さん。
<Degustazione di “UNZEN”>
Stuzzichino
ヤマト醤油“粕” 豆腐 山女魚
クレソン 梅干し 雲仙オリーブオイル
Antipasto Misto
タワラマゼラン 早ノ瀬サフラン 蛸 島大蒜 ガゼ味噌
芳寿豚ヒレ 横輪鮪 実山椒 平家胡瓜 ザッコ海老 新生姜
鰯 長崎長茄子 モロヘイヤ ゴーヤ もち麦 黒米 蔓紫 完熟ピーマン
Primi Piatti
ラサ/芋粉 コウ貝 冬瓜 千々石ブナ
パッケリ/玉ねぎ 雲仙小川牛
Secondo Piatto
ちんぜい猪 エゴマ 無花果
赤ジャガイモ 大雲仙トマト リコッタ
Dolce
黒皮スイカ 無地皮スイカ 吾妻町のお茶
「在来種野菜は個性的なものばかり。大根と一言でいっても、亀戸ダイコンや源助ダイコンなど、多種多様な品種があるんです。それに加えて、育つ風土や生産者によっても味が全然違うんですよね。同じ種を植えても同じものにならない。だからこそ、個性をどう活かすかは料理人次第。もっと生産者と料理人がタッグを組めば、より在来種野菜について知ってもらえるんじゃないかな」と宇治さん。
種を守り繋ぐ人、そしてそれを“食”を通じて伝える人、そんな方々とテーブルを囲むことができた、最高のランチタイムでした。
続いて一行は海へ向かいます。
続いて伺ったのは「株式会社 天洋丸」。
雲仙市の橘湾で煮干しの原料となるカタクチイワシを獲る「中型まき網漁」を中心に、代々養殖・加工業を営んでいます。
長崎県内では、下あごが垂れ下がっている特徴から、タレ、エタリ、エタレなどと呼ばれている「カタクチイワシ」。橘湾沿岸では「エタリ」と呼ばれているそうです。橘湾では4~6月と7~9月、10~12月に漁獲されています。年間の水揚げ量は全体で1000トンほど。しかし、ここ数年は漁獲量が例年より少ない状態が続いているといいます。
まずは「天洋丸」取締役の竹下敦子さんに煮干しの加工場を案内いただきました。
漁場で引き上げられたカタクチイワシはすぐに岸に戻り、船のタンクからポンプを通って加工場に送られます。選別機でサイズを分けた後は、塩水で洗浄した後せいろに広げ、約98度の塩水で煮て一気に熱を通した後、数時間おきに上下を返しながら温風乾燥機で乾燥させ、異物を取り除いたのち加工・出荷しているそうです。
また、天洋丸の竹下ご夫妻はアイデアマン!
カタクチイワシの煮干しの出荷前には異物を取り除く作業があるのですが、そこで見つかるのがこちら。海老や太刀魚、タコなど、カタクチイワシ以外の稚魚です。
そんな魚たちも無駄にすることなく美味しく食べて欲しい、という思いで「MIXにぼし」という商品を開発。
「MIXにぼし」には、カタボシイワシ、タチウオ、エビ、イカ、エソ、オキヒイラギ、テンジクダイなどが入っています。どの魚が入っているかは届いてからのお楽しみ。
魚図鑑のような一覧表を同封してくれているので、小学生の夏休みの自由研究などにも人気なのだそう。
続いて、代表取締役の竹下千代太さんに海を案内してもらいます。
海の温暖化により、この夏は3ヶ月カタクチイワシが取れていないという橘湾。
最近は違う業態にも力を入れておられます。
連れて行ってくださったのは、鯖と牡蠣の海上養殖場。
大きすぎたり油が乗りすぎたり、“煮干しに向かない”カタクチイワシを餌にして育て、「雲仙ニボサバ」として売り出しているそうです。また、美味しい食べ方として「しめ鯖」を提案。〆時間を「10分(レア)」「4時間(ミディアム)」「24時間(ウェルダン)」と3段階で作り、食べ比べセットとしても販売されているそう。
牡蠣の養殖も最近始められたそうで、試食させていただきました。ミルキーで濃厚な味わい。
今夏はカタクチイワシが獲れなかっただけでなく、赤潮が発生して大量の鯖が死んでしまったといいます。全国各地で起きている海の温暖化。自然豊かな橘湾も例外ではありませんでした。
そんな大変な中でも、竹下ご夫妻はユニークかつ、ツボを押さえた商品と企画を次々と世に送り出しています。
その一つが「網エコたわし」。古くなった魚網を使いやすいサイズに切って、洗浄殺菌したものです。
魚網は定期的に繕いながら使われますが、10年ほどで新しいものと入れ替え、使い古した網は、畑の鳥よけなどに利用されてきました。一方で、地元の漁師さんたちは使い古しの網を包丁やまな板などの汚れ落としに重宝していたそう。
そこで思いついたのが「エコなたわしとして販売しては?」というアイデア。
網目が細かく少量の洗剤でもよく泡立ち、丈夫で長持ち。泡切れもよく乾きやすいと大ヒット。年間1万個を売り上げる大ヒット商品になったそう。
そのほかにも漁業のインターンシップ「一年漁師」の開催や、日中は使わない漁船を停泊レンタルする「漁船ピング」企画など、漁業を通じた様々な企画を生み出しています。
大変な状況でも歩みを止めることなく、自然と向き合い、地域の未来を考え行動する、生産者の方々の逞しさを実感しました。
そして一行は本日の宿泊場所「雲仙観光ホテル」へ。
昭和10年創業。外国人避暑地として栄えた雲仙の歴史を象徴するホテルです。
スイスシャレー様式を取り入れた建物は国の登録有形文化財及び近代化産業遺産に登録されている、九州唯一のクラシックホテルだといいます。
象徴的な外観ももちろんですが、館内もノスタルジックな造り。
アンティークな雰囲気で、昭和初期にタイムスリップしたかのような気持ちに。
客船をイメージした館内には、客室61室、メインダイニング、バー、売店、図書館、理容室、会議室、ビリヤード場、硫黄泉浴室男女1室が完備されています。
もちろんお風呂は天然温泉。なめらかでやわらかなお湯が、旅の疲れを洗い流してくれます。
温泉で心身ともに癒された後は、200坪を誇るアンティーク・ダイニングで夕食の時間です。
かつてダンスパーティーも開かれたこの場所に、華やかに着飾った国内外の文化人や財界人が集い、情報交換や文化交流が行われたといいます。そんな人や文化の出会いの場で、長崎県・雲仙観光局・雲仙市の方々とロングテーブルを囲み、料理長自慢の「雲仙キュイジーヌ」をいただきました。
Amuse bouche
長崎産骨付きオリジナルハムと季節のフルーツ
雲仙オリーヴオイル
Hors-d’oeuvre
橘湾産真鯛のブランダードに梨のタルト
サワークリームとイタリア産キャビアを載せて
フォンドヴォーバルサミコにセロリラブのフォーム
和栗のキャラメリゼとレッドカランとのコンフィチュール、ココナッツの粉を散らして
Deuxieme
雲仙つむら農園の旬菜に皮付き蓮根のソテー狩猟猪
南島原九年母のマーマレードとフォンドヴォーラグー
塩フレンチトースト添えペコリーノロマーノをかけて
Poisson
長崎産太刀魚のルーロー
バジルとほうれん草のブルゴーニョンバター
島原産干し芋のピュレを敷いて
Granite
柘榴のグラニテ
Viande
有明産絶品茄子ピステッカに詰めた
雲仙鹿牧場 鹿ロースの炭火焼きと雲仙野菜
茄子に塗った南島原酒造吉田屋、はねぎ搾りと
酒粕のソースと六角香酢ソースの二種
Dessert
パティシエ デザートコレクション
「こんなに素晴らしい食材が揃う雲仙が羨ましい。食材に惚れ込んで料理人がこぞって移住しているのも分かりますね」と岩澤シェフ。島原半島を中心とした地元食材を使い、長崎の和華蘭文化にインスパイアされたお皿の数々に、会話も盛り上がります。
旅の興奮冷めやらぬ一行は、そのままホテルのオーセンティックなバーへ。
ホテルの創業以来ずっと同じ時を刻み続けてきたというバーは、重厚で落ち着いた雰囲気。
ガラスは創業当時から変わらないものを使用しており、床のタイルも地元の窯元で一つひとつ手焼きされたもので、一つとして同じものがないそう。
ホテル開業の1935年にできたリキュール”イエーガーマイスター”をベースにしたカクテルを傾けながら、出会った生産者さんやシェフ、食材について振り返り、雲仙1日目の夜が更けていきました。
→「2日目」に続く
〈食のFIELD WORK in 雲仙〉 レポート2日目/大地の力 編
1日目の食のフィールドワークで伺った場所・出会った人たち
・種の自然農園 岩崎政利さん
・オーガニック直売所 タネトの皆さん
・Locanda del Campoオーナーシェフ 宇治拓磨さん・望さん夫妻
・雲仙福田屋 総料理長 草野玲さん
・株式会社 天洋丸 竹下千代太さん・敦子さん夫妻
・雲仙観光ホテルの皆さん
※このフィールドワークは2024年8月下旬に実施されました。