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おいしい教室~お弁当のじかん~「第3回 お麩会弁当」

食育丸の内プロジェクトの一環としてSoup Stock Tokyoの代表、遠山正道さんをホストに連続7回開催されるシリーズワークショップが丸の内で開催されました。
第3回目のゲストはタレントの水道橋博士さん。水道橋さんが月2回のペースで発行しているメールマガジン「水道橋博士のメルマ旬報」のファンであり読者の遠山さんから直接のラブコールで実現した今回。お弁当のテーマは「お麩会」という難題が挙げられ、苦戦しながらも生徒さんたちが様々なお麩を使ったお弁当を持ち寄りました。発見に満ちた教室が始まります。

水道橋博士さんと遠山さん

 水道橋博士さんは多忙に多忙を極める日々。前日は瀬戸内海出張、そしてこの日も早朝からご子息の運動会に出席した後に会場に駆けつけてくれました。
「藝人春秋」という本を出版された水道橋博士さんに、遠山さんがお話を伺います。

遠山:博士は執筆活動もされていて、『藝人春秋』という本を出されたり、週刊文春ではその続編ともなる「週刊藝人春秋」という連載をされていますが、これは編集者と毎週、打ち合わせをされてるんですね。
水道橋博士:そうなんです。打ち合わせには、編集者とデータを確認してくれる人、それから僕のマネージャーが参加して、すべて芸能界で見聞きした事実しか書いていない僕の原稿の、事実の確認をしながら読み合わせをします。僕はこの打ち合わせを「バンド活動」と呼んでるんです
遠山:「バンド活動」?
水道橋博士:僕の第一稿が譜面で、それを読んでみんなが音を出したときに、「ここが気になる」「主語がわからない」「これは悪文だよね」ということをみんなで言い合う。それが、本当に楽しいんです。
遠山:その連載分がありますから、あと数カ月も待てば、『藝人春秋2』ができますね。
水道橋博士:物理的にはそれだけの量はとっくにありますね。
CREA WEB記事本文より抜粋)

 東浩紀さんのゲンロンカフェにここ最近通う遠山さんからの、スナックのように飲めるし、トークもあるし、そんな水道橋博士ならではのプラットフォームがあれば面白いんじゃないでしょうか?との質問に…。

水道橋博士:僕は今、「ピンポンバー」をつくろうとしてるんですよ。卓球はお得意ですか?
遠山:中学のときキャプテンでした。
水道橋博士:まさにピンポン!
遠山:
水道橋博士:8月8日が長男の誕生日で、毎年、誕生日には好きなものを買ってあげるんですけど、今年は息子が「卓球台がほしい」って言ったんですよ。ちなみに去年はドラムセットを買ってるんですが。
会場:えー!
水道橋博士:ドラムセットを買ってやるのはどうかしてるけど、「どら息子」だから「ドラムセット」と、韻を踏んでいるので、いいんです(笑)。韻を踏んでるのが俺の中では大事なんです。それで今回、卓球台と言われたときも、きっとこれも何かの韻を踏むはずだと思って買ってあげました。
遠山:その後、どんな韻を踏んだんですか?
水道橋博士:僕は老眼でもうキャッチボールも難しいくらいなんですけど、昔、僕の家には卓球台があって8歳から10歳くらいにかけてインターハイ代表だったおじさんに鍛えられたんです。それで今でもやってみたら、すっごいうまいんですよ。
遠山:へーえ、老眼なのに?
水道橋博士:老眼でも。僕のマネージャーは卓球部だったんですけど、いまだに僕に勝てないんですから。それに、卓球はまったく知らない人とやっても面白くて、かつて中国とアメリカの緊張が卓球の国際試合をきっかけに緩和されたように、まさに「ピンポン外交」なんですよ。だから僕はピンポンバーをつくりたいんです。サイドビジネスは一度もやったことがないんですけど、これだけは絶対に面白い!
遠山:たしかに面白そうですね。
水道橋博士:いま、その妄想にとりつかれているから、ある日、いとうせいこうさんに偶然会ったときに、いとうせいこうさんの顔がペンホルダーにしか見えなかったんです。
遠山:なんとなくわかります(笑)。
水道橋博士:それで唐突に、「せいこうさん、卓球をやったことがありますか?」と聞いたら、「俺、高校の卓球部だよ」って言われて、「うおー、ピンポン! だ」と。それでそのまま仕事先に行って、イラン出身の美人タレント、サヘル(・ローズ)さんに会って、「サヘルさん、卓球やったことありますか?」と聞いたら、「私、東海大学の卓球部です」って。
遠山:えー!
水道橋博士:それでまた、ピンポーン! となったんです。それ以降、会う人会う人に、「卓球やってますか?」と聞いてるんですが、その後そんなにピンポンじゃなかった。今日の社長が久々のピンポン! です。
CREA WEB記事本文より抜粋)

 さて、そんな水道橋博士が今回お弁当のテーマに選んだのが「お麩会」。

水道橋博士:今回は、女性の参加者が多いと聞いて、お麩がいかに女性にいいか、ということを言いたくて「お麩会」というテーマにしました。その割には、僕の弁当にはあんまりお麩が入ってないんですけど(と言いながら、お弁当の蓋を開ける)。
遠山:おお、きれい! 華やか! ご自分でつくったんですか?
水道橋博士:かみさんに手伝ってもらいながら、つくりました。茶色のお麩は山形の庄内平野のきざみ麩で、刻んで揚げて、塩・こしょうをしただけなんですけど、めっちゃうまいんですよ。こっちのカラフルなのは京都の手毬麩。かわいいですよね。水で戻しただけです。あとは、枝豆、卵焼き、ひじき、いんげんの肉巻き、マカロニサラダ、小豆島の名産の醤油豆、しそを散らしたさけごはんです。
遠山:ほー。
水道橋博士:ところでみなさん、コラーゲンは食べてもなんの効果もないんですよ。
会場:えー!
水道橋博士:分子生物学者の福岡伸一先生が、著書で何度も「摂取したコラーゲンは消化管内で分解されてアミノ酸となる。他者のコラーゲンがまるごと消化管を通り抜け、細胞間や関節に届いて、その場所に補給されることはまったくありえない」と書いているんです。でも、「コラーゲンを摂ったら、肌がすべすべになった」と言う人がいますよね。それは実際にすべすべになってるんです。なぜかというと、それはプラシーボ効果で、風邪薬だと言って渡されたら、金魚のフンでも風邪が治ることがあるように、コラーゲンを食べたら肌がつるつるになると思い込んでいるからなんです。
遠山:ああ、そういうことですか。
水道橋博士:ところが、NHKの「あさイチ」という番組にゲストで出演したとき、お麩特集で、「お麩には、体内でコラーゲンの部品になるアミノ酸の一種プロリンが豊富に含まれている」という発表が学会でされたと聞いたんです。それで今、女子のあいだで「お麩会」が流行っている、と。お麩料理だけの会です。それが面白かったので、僕がかみさんの参加しているママ会で、お麩の料理をするようになったんです。
遠山:ママ会をお麩会にしたんですね。
水道橋博士:しかもお麩って主に、鯉が食べてるじゃないですか。鯉ってつるつるしてますよね?
遠山:つるつるっていうか、ぬるぬる……。
水道橋博士:いや、つるつるですよ! で、人は恋をする。僕の中ではそういう韻を踏んでるんですよ。だから、「お麩は恋の食べ物だ!」と。オンラインじゃなくて、オフ会で集まって、お麩を食べながら、鯉として恋をするんです!
CREA WEB記事本文より抜粋)

水道橋博士さんのお弁当

 一方ホストである遠山正道さんのお弁当は、お題である「お麩会」から考えました。福島弁で「お麩かい?」にしました。

遠山さん:「『これが、、お麩かい?』という、イメージです。もちろん旨くなきゃいやで、一見してお麩に見えない、『うな重』を作ってきました。牛蒡を繊維に見立て、お麩が脂分、木綿豆腐はたんぱく質、海苔を皮目に見立ててます。見るからにうな重になっていますね。これに山椒をかけていただきます。」

遠山さんのお弁当

 生徒さんのお弁当の講評は、持ち時間1人あたり1分という短い時間の中で行われます。予め考え抜いてきたそれぞれのコンセプトを、お弁当を広げながら発表していきます。お麩会という難しいテーマをそれぞれの方の捉え方で表現しています。みなさんお互いのお弁当に「そういう使い方もあったのか」と目を見張ります。

 最後に参加者全員の投票で票が集まったのが”印象的だったお弁当”はチョコバナナにお好み焼き、お麩で作ったとは思えない、荒巻洋子さんの「『お麩かい?』なお祭り弁当」、”おいしそうだったお弁当”はウニの軍艦巻きの要領でその場で巻いて食べるお寿司、コニシマリさんの「じゅわっとするお麩のすきやき寿司弁当」、そして今回のテーマである”お麩会なお弁当”は、季節の移ろいをお麩だけで表現し、見事に春夏秋冬を彩った下田知世さんの「お麩で四季を表現した弁当」の3つでした。

荒巻洋子さんの「『お麩かい?』なお祭り弁当」「『お麩かい?』なお祭り弁当小西真理さんの「じゅわっとするお麩のすきやき寿司弁当」「じゅわっとするお麩のすきやき寿司弁当」下田知世さんの「お麩で四季を表現した弁当」「お麩で四季を表現した弁当」

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