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四川豆花飯荘×イルギオットーネ 一夜限りのスペシャルコラボレーションディナー 国産伝統野菜のマリアージュ ?京都・会津若松・江戸?

伝統野菜のマリアージュ〜京都・会津・江戸〜 コース料理のご紹介四川&イタリアン 六味前菜の盛り合わせf、フカヒレのムニエルとすぐきを使った会津米のリゾット 京都青ゆずの香り(右)

【四川&イタリアン 六味前菜の盛り合わせ】

伝統野菜:地ねぎ(会津)、小菊かぼちゃ(会津)、じゃがいも(会津)、唐辛子(京都伏見)

四川料理とイタリアンの見事なハーモニーが奏でる前菜。上3皿が笹島シェフ、下3皿が遠藤シェフの料理。

【フカヒレのムニエルとすぐきを使った会津米のリゾット 京都青ゆずの香り】

伝統野菜:すぐき(京都)

醤油ベースのフカヒレと、色鮮やかなサフランリゾットのチーズが好相性。 ほんのり香る青ゆずと、すぐきの酸味がちょっとした箸休めに。

海鮮とリコッタチーズ、菊菜、菊花のパートフィロ包み「春巻き仕立て」(左)、餃子ミンチを詰めた豚肩ロースのインボルティーニ(右)

【海鮮とリコッタチーズ、菊菜、菊花のパートフィロ包み「春巻き仕立て」】

伝統野菜:菊菜

XO醤ベースの辛味ソースと春巻きのリコッタチーズがぴったりマッチ。 味全体をまろやかにまとめます。菊菜の食感とほのかな苦みが味のアクセント。

【餃子ミンチを詰めた豚肩ロースのインボルティーニ】

伝統野菜:かおり枝豆(会津)

福島産の高原豚を使った餃子餡を肩ロース肉で巻き焼き上げたもの。 大豆の濃厚な風味が楽しめるかおり枝豆、辛味の効いた包辣椒ソース、 オリーブオイルと一皿で3つの味が楽しめる。

伝統野菜 チャイニーズバーニャカウダ(左)、自家製タリオリーニ 坦々風(右)

【伝統野菜 チャイニーズバーニャカウダ】

伝統野菜:しんとり菜(江戸)、金時人参(京都)、赤かぶ(京都)、立川牛蒡(会津)、赤南瓜(会津)

伝統野菜の素のおいしさが存分に楽しめる一品。 豆豉(トウチ)で深みを与えた特製チャイニーズバーニャカウダソースは、 野菜がいくらでも食べられるクセになりそうなおいしさ。

【自家製タリオリーニ 坦々風】

伝統野菜:南郷トマト(会津)、小松菜(江戸)

福島産の高原豚を使った坦々ソースにコシの強い自家製タリオリーニがしっかり絡むオリジナルパスタ。 トマトの酸味と小松菜の歯ごたえが辛味を和らげる役割に。

梅酒のグラニテ(左)、デザート3種盛り(左)

【梅酒のグラニテ】

濃厚な会津高田の梅酒が口の中をリセット。白キクラゲのコリコリとした食感も楽しめる。

【デザート3種盛り】

「八角風味のいちぢくのコンポートとジャスミンティーのジュレ」は口の中に八角と ジャスミンの爽やかな風味が。 「あたたかなチーズスフレ」は、フワフワとした軽やかな口当たりが楽しめる。 「福島の巨峰プリン」はプリンにも巨峰の果肉が入っている驚きの一品。 どれも甘すぎることなく、爽やかなイメージでコースを締めくくります。

スペシャル対談 コラボレーションディナーは、お客様だけでなく、シェフも新たな感動と出会う場でもあります。

イベントを終えた笹島シェフと遠藤シェフにいろいろとお話をうかがいました。

笹島シェフ

――お疲れ様でございました。イベントを終えられてのご感想をお願いします。

笹島: 今年の夏に子ども向けの食育イベントを行いましたが、大人向けのプログラムは企画当初から 話していました。一夜限り、ここでしか食べられないものを、という思いで作りました。 はじめて中華の厨房に入って、新たな発見もたくさんあり、自分で作っていても楽しかったですね。

――新しい発見とはなんでしょうか?

笹島: 中華のバーナーの火力がものすごかったことです。 今日の肉料理に添えた会津産のしいたけは、開演30分前までは、蒸して使おうと思っていましたが、中華のバーナーを見て、これは炒めた方がおいしいかも、と閃いたのです。実際、やってみたらうま味も香りも良く出て、すごくおいしい。自分でもこの発見にはビックリしました。

遠藤シェフ遠藤: 笹島さんは野菜の使い方を本当によく知っていますよね。直前になって調理法を変えられるのは 野菜本来の持ち味を最大限に出し切れる、という自信があるから。中華の厨房という違う フィールドでも実力を発揮できるのは、普段から京都という野菜のおいしい土地で 活躍しているからなんでしょうね。

笹島: 洋食の世界では、野菜を炒めるというのは油、つまりうま味をまとわせる、という考えなのです。 でも中華はものすごく強い火力だから野菜の水分が一気に飛んで、うま味が凝縮される。 今まで自分が思っていた中華の概念とは違うことが判りました。野菜はあの火力で炒めると 本当においしい。ウチの厨房にも中華のバーナーが欲しくなってしまいました。

遠藤: なるほど、自分たちでは当たり前のことだったので、改めて気づきました。 僕は笹島さんの仕事を見ていて、彩りがキレイなことと、オリーブオイルの使い方が 勉強になりました。使うタイミングや、食材との絡ませ方、とてもマネできませんね。 これからは野菜と相談しながらうまくやっていかないと、野菜に失礼だな、と思いました。

笹島シェフと遠藤シェフ――先ほど笹島シェフの方から「中華の概念が変わった」とおっしゃっていましたが、 具体的にお話ししていただけますか

笹島: 中華は好きなのですが、実は辛いのが苦手で。なんで中国の人はこんな辛いものを食べるのか 疑問に思っていました。でも、まかないで遠藤さんの麻婆豆腐を食べたら、ただ辛いだけではなく、 香りもコクもあって、食べると本当に元気になる、と感じたのです

中華もイタリアンと一緒で、エリアによって料理が違うということがわかって、もっと勉強しないと、 と思いました。歴史の深い国の料理は、奥深いし、厨房に入らないと判らないことがたくさんあります。 本当に大きな収穫です。自分の料理感が変わった感じがしました。

それと中華は、調理方法からして「食べるものを作っている」感がすごくある。あの火力からして そうですよ。おいしいものを早く作って、早く食べてエネルギーにしよう!というパワーがある。 それが中華だと思いました。だから中国ってあんなにエネルギッシュなんでしょうね。

遠藤: 中国人は食に対してものすごく貪欲ですからね。いかにしてもっと早く、簡単に おいしく食べられるのか、と追求していますね。

笹島シェフ笹島: 中華のレストランを見ていても、食べることが明日への活力につながる感じがするし、 人間の躍動感を感じます。今、日本が他のアジアの国に比べて元気がないのは、食が 原因かな、と思います。今の若い人は食が細いでしょ?食べていないからエネルギーを 感じないですよ。

遠藤: そうですね。あと笑いながら食事をしなくなったし、大人数でも食べなくなりましたよね。

笹島: 確かに。中華は大家族で円卓を囲むし、イタリアは必ず家族と食事する。 レストランでも大きなテーブルで相席になることも多く、気がつけば隣の席の人と 仲良くなることもしょっちゅうですからね。

そう考えると、日本人の食の変化はちょっと問題ですよね。 食が細くなり、食事に時間をかけなくなった。こういう食習慣の変化が、 今の若い人たちの性格を作っているのでしょうか?この先どうなるか心配になります。

笹島シェフ――その想いが、今回のコース料理のボリュームにも繋がっているのでしょうか?

笹島: そうなんですよ。試食の時、若いスタッフから「量が多いから減らしませんか?」という 意見もありましたが、僕は倒れるまで食べて欲しいと思ったのでそのままにしました。 僕は日本人の食の危機を感じているので、もっと食べて元気になって欲しい、 というメッセージを込めたんです。

――なるほど、その想いを知らずに全部ペロッと食べてしまいました(笑)。

笹島: 味にメリハリがあったから、全部食べられたでしょう?(笑) パスタの前に出したバーニャカウダは遠藤さんが 「野菜を手で食べる機会ってなかなかないので、ぜひやりたい」と提案してくれたのです。 お肉もお魚も食べて、お腹いっぱい、と思ってても口直し的な役割があって、 リセットされる。あのタイミングで出して正解でした。 イタリアンだと、肉料理の前にパスタがあるので、日本人だと食べられないことが多いけど、 今日のコースの流れは日本のイタリアンだと使えると思いました。

遠藤: そうですね、今日のコースの流れは中華の手法です。

笹島: イタリア人の強靱な胃袋と同じ事は日本人にはできませんよね。 日本人にとって、パスタやご飯などは、やはりシメですよ。お肉もお魚もいっぱい食べて、 最後に食べられる量のパスタを提供する、というのが日本ならではのイタリアンなんでしょうね 今日、お料理を提供してみて思いました。

笹島シェフと遠藤シェフ――今回のコラボディナーを通して、いろいろと勉強になったことなどを踏まえ、今後の抱負を教えていただけますか?

遠藤: 今回のようなコラボレーションを続けていきたいですね。 ジャンルの違う料理人が集まって、知恵を出し合って、食材を活かしていけるような 料理を切磋琢磨しながらたくさん作っていきたい。 そしてお客様に喜んでいただけることが我々のパワーにも繋がりますからね。 とてもいい連鎖。どんどん続けて行きたいですね。

笹島: 丸の内は大人の街なので、「食育丸の内」のテーマのように大人に対してアプローチを もっとしていきたいですね。昔食べた野菜の味を懐かしんで、子ども達に食べさせようとか、 ちゃんとした食事をゆっくり味わおうとか。大人がまずできないとダメですよね。

それと、環境のことも考えていきたいです。レストランは多量の生ゴミが出るので、 リサイクルに力を入れていきたい。日本の中心である丸の内のレストランが集まって 環境問題に取り組むことはとても意義のあること。アクションを起こしていきたいですね。

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