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【FOOD INSPIRATION】齋藤宏文 #食を楽しむ場作り

食の多様性と楽しさを丸の内に「TexturA」

さまざまな人が行き交う有楽町で、食の多様性を表現

「『TexturA』のひとつのテーマは、『ハイテンション、ハイクオリティ』です。落ち着いた店内で静かに食事をするような高級店ではなく、ハイクオリティでありながら手頃な料理を皆さんでワイワイと、ハイテンションに楽しんでもらう店にしたいですね」と話す齋藤さん。静謐な空気に包まれた鎌倉「イチリン ハナレ」からは一転して、「TexturA」はアップテンポな曲が流れ、入り口のバーカウンターにはきらびやかなシャンデリア、奥のレストランエリアにはラグジュアリーなソファ席と、心をくすぐる“都会の大人の遊び場”の雰囲気。

そして「TexturA」のもうひとつのテーマが「ダイバーシティ(多様性)、オリジナリティ」。「有楽町は、映画を観に来る人、働く人、海外の人など、多種多様な人が交わる場所です。ザ・ペニンシュラ東京もあれば皇居もあり、あらゆるものが入り混じっている街だと思います。ですから私もここで、私なりの多様性を表現したい」と齋藤さん。「TexturA」はバーカウンター、カジュアルダイニングエリア、レストランエリアといくつかのエリアに分かれ、さまざまな人とさまざまなシーンで利用できるようになっています。そしてここで味わえるのが、中国料理とスペイン料理。2つを掛け合わせたフュージョン料理ではなく、中国料理は中国料理、スペイン料理はスペイン料理として提供する新しい形です。

どこか懐かしく、それでいて新しい楽しみ方を見つけたい

齋藤さんは、「私にとって中国料理とスペイン料理は親和性があるんですよ。どちらも食材をシンプルに使う料理ですから。ですが、これらを融合させたフュージョンにしてしまうと新しくないんです。今まで別の場所で活躍してきた中国料理とスペイン料理の料理人がそれぞれの力を発揮しながら、ひとつの調理場で作り出す食事というのが面白いんじゃないかと思っています。このチャレンジを楽しんでほしいですね」と話します。「赤坂四川飯店」で12年の修業を積んだのち、独自のこだわりを突き詰めてきた齋藤さんの中国料理と、スペイン料理のセッション。「TexturA」では今までになかった新たな食の発見が待っています。

そして、「『TexturA』では、10年前の日本のレストランにあった楽しさや豊かさを感じてほしい」と齋藤さん。大きな店に人が集まって大声で騒いでしまうような、一つの点を楽しむというよりは囲む楽しさ、人が集って話すという楽しさ、豊かさを、もう一度提案したいと話します。「そんな人間味のあるコミュニティを、東京の中心である丸の内に蘇らせたいですね」。どこか懐かしくて、それでいて新しい。そんな唯一の店として「TexturA」が日本のブランドとして認められ、この場所にあり続けることで文化になればと思いを語ります。

「TexturA」では、兵庫県・丹波の「高坂鶏」を使った齋藤さんのシグニチャーメニュー「イチリンハナレのよだれ鶏」も味わえる。

 

食の楽しさ、豊かさを、若い世代にも伝えていきたい

「TexturA」ではレストランの楽しさ、豊かさを表現したいという齋藤さん。その思いはお客様にはもちろん、飲食の世界で働く人にも向けられています。「世の中がいかに進化して便利になっても、飲食は常に豊かな仕事として、今後も変わらずに残っていくものだと思っています。私はワクワクと希望を持って料理人になり、常に楽しくこの仕事を続けてきました。これからの若い人たちにも同じ思いを抱いてほしいですね」。そのためにも日々お客様が楽しみ、それに呼応するようにスタッフも楽しめる店として、「TexturA」を育てていきたいと話してくれました。

Profile
齋藤宏文(さいとう・ひろふみ)
1976年、静岡県生まれ。「赤坂四川飯店」で12年間研鑽を積み四川料理の神髄を学ぶ。2013年に築地に「東京チャイニーズ一凛」を開店し、2017年には鎌倉に「イチリンハナレ」をオープン。2019年4月には有楽町に「TexturA」を東京・有楽町にオープンした。

「TexturA」
https://whaves.co.jp/textura/

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