食育の丸の内

  1. 投稿者 : 出版スターツ

女性は、月経周期や年齢を重ねることによるホルモンバランスの変化に加え、結婚や育児などのライフイベントによって、心も身体も大きく変化します。健診プログラムでは、通常の企業の健康診断の項目には含まれることが少ない、不定愁訴の原因の1 つである「隠れ貧血」の測定や、重い月経痛の原因となり得る子宮筋腫や子宮内膜症などを調べる「経腟超音波検査」などが含まれています。働く女性ならではの健康リスクや「日々のなんとなくの不調」の原因を探り、日々の不調理由と向き合うことができる検査をご用意しています。「生理痛に悩んでいる」、「過多月経を感じている」、「更年期症状を感じる」など女性特有のお悩みを抱えている方にはぜひ受けていただきたいプログラムです。

■検査項目
・経腟超音波検査(エコー)
・婦人科診察
・鉄代謝(鉄(Fe)、総鉄結合能(TIBC)、フェリチン、トランスフェリン)
・糖代謝(血糖、HbA1c(NGSP)、インスリン)
・血液検査(白血球数、赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット、MCV、MCH、MCHC、血小板数)
・助産師健康相談(ご予約制・任意)
・問診

特設ページに検査内容や検査でわかる疾患なども掲載しています。

■検査所要時間
約1時間~1時間半

■価格
11,000円(税込)

■ご予約受付締め切り
~2022年5月20日(金)

■ご受診期間
2022年4月1日(金)~2022年5月31日(火)

■ご予約方法
メールまたは、お電話にて承っています。
メールお問い合わせフォーム:https://www.creage.or.jp/contact/event/
お電話0120-815-835(9:00-16:00※日、月休)

■主催
クレアージュ東京 レディースクリニック
東京都千代田区有楽町1-7-1 有楽町電気ビル北館 17階

クレアージュ東京 レディースクリニック
医師・スタッフすべて完全女性専用人間ドックを提供。女性に必要な検査を総合的に行うことで、すべての女性が自身の体に起こりうるリスクをこれまでよりも多く・正しく知ることができる健診施設の実現を目指すクリニックです。(YOU 健診推奨クリニック)
https://www.creage.or.jp/

>>「クレアージュ東京」をプロデュースしている株式会社ファムメディコ佐々木さんのインタビューはこちら
https://shokumaru.jp/hokenshitsu_2022_01/

>>2021年10月に実施した「クレアージュ東京×まるのうち保健室オリジナル健診プログラム」についてはこちら
https://shokumaru.jp/wcm2021event01/

 

第3回のゲストは平野紗季子さん・梅川壱ノ介さん

ファシリテーターを務める薬師神陸さんは、虎ノ門ヒルズの1階に店を構える「unis」のシェフ。誕生日や記念日などのハレの日に利用することをコンセプトに、有田焼のお皿に映像を投影したり、オリジナルの音楽を流したりするなど、ミュージアム感も大切にしたレストランです。隣接するシェアキッチンでは、外部シェフのイベントや商品開発などのサポートを行っています。

ゲストは、フードエッセイストの平野紗季子さんと舞踊家の梅川壱ノ介さんをお迎えしました。平野さんは文筆活動をする傍ら、企業の食文化事業のサポートや、菓子ブランド「(NO) RAISIN SANDWICH」の代表を務めています。梅川さんはバレエダンサーとしてキャリアをスタートし、歌舞伎俳優を経て、日本舞踊を専門とする舞踊家として活動しています。

本来、このイベントはゲストにちなんだストーリーを薬師神さん考案の「一汁一菜」を頂けるのが魅力でもあるのですが、残念ながらオンライン配信となり、ゲストのみの試食となりました。

ゲストたちの好きな食材や生まれ育った故郷のお話しなど二人を作り出す背景をインタビューするなかで出来上がったのが、「はんざき柚子と牛しぐれのアールグレイ香りむすび」と、「ディルの香るもち麦といりこの味噌スープ」です。

おむすびにはゲスト2名が九州出身ということで、甘い醤油を使用。赤ワインを加えて煮込んだ牛しぐれを、アールグレイの茶葉で炊いたご飯で包み、皮の柔らかさに特徴のあるはんざき柚子を使用した柚子胡椒をトッピング。お味噌汁は「シンプルに言うと豚汁ですね」と薬師神さん。出汁はパンチェッタというハムと、平野さんの好きないりこ出汁。梅原さんの氏神神社の近くにあるお食事処「大はら茶屋」のオリジナルの麦みそを使用し、ディルを加えました。シチリア料理ではディルとイワシを合わせることがあり、今回のお味噌汁でも相性の良さを確かめることができたようです。

平野さんは「和食に西洋食材を入れたらどうなるかという好奇心もあり、ハーブのディルをリクエストしました。薬師神さんの創造性の跳躍の飛距離に感動しました」とフードエッセイストらしく、豊富な語彙力でコメント。

ツアーにも携帯するほど「大はら茶屋」の麦みそが好きだという梅川さんは、「いつも食べているものとはまったく違う味わいですね。食べながら、味覚があっちに行ったりこっちに行ったりして楽しかったです」と熱のこもった声で語りました。

「届ける声・届く声」をテーマにパネルトーク

パネルトークの冒頭で薬師神さんは「ここ丸の内はビジネスパーソンの方も多くいるエリアで、何かを「伝える」ということもビジネス上大切なスキルですから、そのような人たちに刺さるアウトプットの方法と届いたその先を意識し、『届ける声・届く声』にしました」と、テーマを決めた理由を話しました。

続いて「テーマに決まったとき、最初に紗季子さんが浮かびました。言葉のチョイスが面白く、和気あいあいとお話ができるかと思いました。梅川さんのキャリアは、フランス料理から入り、日本の食材に目を向けた僕のキャリアと似ていて、和と洋のバランスについてお聞きしたいです」とゲスト2名を招いた理由を紹介しました。

薬師神さんの言葉を受け取った梅川さんは「華やかさで魅了するバレエの世界を飛び出し、形式美や平面的な美しさを重んじる日本舞踊の世界へ入って来たときは、戸惑いもありました。しかし次第に、大きな動きで物理的な広がりを見せるのではなく、凝縮された和の動きで鑑賞する方の想像力に広がりを与える日本舞踊の魅力に気付くようになりました」と語りました。

文章で「届けること」を生業にしている平野さんは、まずは自身が感動することを大切にしているといいます。

「食べ物は消えゆく芸術で、その儚さに魅せられます。最も大切なのは、目の前で消えゆく現象に対してどれだけ感動できるか。それがないと、エッセイに残そうとしても偽物の言葉になってしまうので」と届ける側の姿勢を話しました。

「最近関心のあること」について問われると、平野さんは取材で訪れた岩手県遠野市のオーベルジュでの体験を語りました。

「そのオーナーは料理人であり、米農家であり、醸造家でもある。その方が一番大切にしているものが土でした。リジェネラティブな農法といって、土を再生するために必要な種を埋めて、実った作物を食べる。芯が通った活動されている方に出会えるのが楽しいです」

梅川さんはコロナ禍になり、健康な生活があってこその文化や芸術だと感じ、そこから新たな発想を得たといいます。

「健康のために大切なのは食事だと思いました。食事は毎日のことだからこそ、毎日食事によって幸せになれる可能性がある。そこに感動があれば、もっと幸せになれるのではないでしょうか。そこで『小さな踊りの会』を考案しました。レストランでおいしい食事を食べつつ、日本舞踊を見て楽しんでいただくという企画です」

薬師神さんは情報過多の現代社会において、汲み取る能力が落ちていくことへの懸念を示しています。「紗季子さんや梅川さんのように届けることが上手な人たちは、まず感じ取ることが上手です。感じ取るためには詰め込みすぎず、楽しむ余白が必要だと思います」

ここで、リクエストに応えて梅川さんが短い舞を披露。それを鑑賞した平野さんは「時空を超えた」と感動を口にしました。

話題は変わり、平野さんの著書「味な店」から言葉を借り、それぞれが思う「味な人」について語り合いました。

「料理人にはそれぞれ価値観があり、物語があります。塩対応な料理人でも、背景にある物語を知れば味な人だと知れることもあります。そういった味な人に出会ってもらうための、ドアを作りたいですね」(平野さん)

「粋なものを持っている人も、味な人だと思います。私が日本舞踊や歌舞伎の世界で粋だと感じたのは、自分がしたことを自慢げに話さないこと。その奥ゆかしさを美しいと思います」(梅川さん)

「どのジャンルの料理も時代に合わせて変わるものですが、寿司、鰻、蕎麦などの専門食は、伝統を守りつつ寄り添うように微調整をしていく。そういった料理人を味だと思います」(薬師神さん)

パネルトークの途中には、視聴者から質問が寄せられました。

Q さまざまな活動をなさっている平野さん。キャスティングで大切にしていることを教えてください。

平野さん:ぱっと頭に思い浮かんだ人をキャスティングしています。シンプルに好きで一緒に仕事をしたい人など、直感を大切にしていると思います。その一歩手前を見ると、自分の言葉を言語化していますね。企画書にしてみると、コンセプトがはっきりして何が足りないのかが見えてきます。そこで思い浮かんだ人に声を掛けています。

薬師神さん:私も一緒ですよ。楽しいと思える人と仕事をしたいですね。忙しいとクリエイティブなことを考える時間がなくなります。余白を作るためにも、意図的にunisの営業を週4日営業にしています。

Q 受け取る感性を研ぎ澄ませるための余白作りに行っているルーティーンがあれば教えてください。

梅川さん:朝起きて、コーヒーを飲みながら、その日やることを考えるというシンプルなものです。毎朝行っていると、その日その日で感じ方やコーヒーの味に違いがあることが分かります。その違いに気付くことで自分との対話ができる。その冷静になれる時間を持つことが余白につながっています。

平野さん:どんなに疲れていても、1日1回は絶対においしいものを食べるようにしています。会社員時代、夜中の2時くらいまで仕事をすることがあり、「自分はなんて空っぽなんだろう」と感じたことがありました。その時間まで営業しているお店に行ったとき、春菊のすり流しを出してもらい、それを飲みながら泣きました。「どんなに疲れていても、自分はモノを感じることをしないといけない人間なのだ」と気付いてからは、おいしいものを食べてから寝ようと決めています。それが自分の時間を生きるということだと思います。

薬師神さん:パソコンのデスクトップと携帯電話のメモ機能の中に「頭の中」というフォルダを作っています。そこにフレーズやデザイン、写真など気になったものを入れています。アイデアが必要になったとき、そのフォルダを確認して引っ張り出しています。

「届く声」には届ける人に豊かな感性とそれを研ぎ澄ませるための余白があると気付かされるイベントになりました。イベント終了後、3名は以下のように総括をしました。

「トークイベントへの出演経験が少なく最初は緊張していましたが、異分野のスペシャリストの方とお話をしているうちに、共感したりしてもらったりできて楽しくなり、幸せな時間を過ごすことができました」(梅川さん)

「おいしいおむすびとお味噌汁、そして梅川さんの舞を見ることができ、とても贅沢な時間を過ごせました。これからもこのイベントが末永く続いていくことを祈っています」(平野さん)

「今日もとても楽しかったです。第1回目は『ブランディング』をテーマにパネルトークやワークショップを行いました。そこでは『消費者が社会に求めているものをかなえてくれる会社が好き』という答えが導き出されました。第2回目のテーマは『健康』でした。自分を知ること、そのための時間を作ることが必要で、最終的に余白が大切だということに落ち着きました。第3回も余白が話題になり、すべての回を通じて、余白が大切だと感じました。来期もさまざまなゲストをお招きし、会場で皆さんとお会いしたいと思います。会場に来るのとオンライン上では、感じられる熱量がまったく違うと思います。おいしいおむすびとお味噌汁を召し上がっていただき、ゲストともっと直接的にコミュニケーションを取っていただけたら、私もとてもうれしいです。ですから、また次回も開催したいと思っています」(薬師神さん)

「届ける声・届く声」をテーマに、異分野のトップランナー視点のトークが繰り広げられました。2022年1月17日、2月22日、3月15日の3回に渡って行われた「EAT&LEADトークサロン」、今後の活動にもぜひご期待ください。


こちらにて今回のトークサロンのアーカイブ動画をご視聴いただけます。

「届ける声・届く声」<アイデンティティの見せ方。相手に伝わる表現とは?>
https://www.youtube.com/watch?v=qvvMuBxKzEE

第1回のレポートはこちらから
若林洋平さん(Maison Rococo 株式会社 CEO)×行方ひさこさん(ブランディングディレクター)
「ブランド・クリエーション」<ブランドづくりにおける思考のプロセスとは?>
>>https://www.youtube.com/watch?v=OBWwqGdtL98
>>イベントレポートはこちら
https://shokumaru.jp/talk_01_01/

第2回のレポートはこちらから
下川穣さん(株式会社KINS 代表取締役)×伊達公子さん(テニスプレーヤー)
「身体が嬉しい食事」 <身体をととのえること -”調える”と”整える”>
>>アーカイブ動画はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=ZXnkE5PiXLg
>>イベントレポートはこちら
https://shokumaru.jp/talk_01_02/

第2回のゲストは下川穣さん・伊達公子さん

第2回のゲストは、株式会社KINS 代表取締役の下川穣さんとテニスプレーヤーの伊達公子さん。下川さんは菌を取り入れることで体質改善をする「菌ケア」の考案者。伊達さんはテニス解説やジュニア育成をする傍ら、ベーカリーストア「FRAU KRUMM」のプロデュースも行っています。

そんなゲスト2名が通うレストランである「unis」のシェフを務めるのが薬師神さん。誕生日や記念日などのハレの日に使用することをコンセプトにしたレストランで、1.5か月ごとにメニューが変わるコース料理が魅力の一つです。薬師神氏は「『食 × 健康』というテーマで、生きることや日常のヒントを、異なる業界で活躍するゲスト2名から聞き出したいと思います」とイベントの趣旨を説明しました。

本来、このイベントはゲストにちなんだ薬師神さん考案の「一汁一菜」のメニューを頂けるのが魅力でもあるのですが、今回は残念ながらオンライン配信となり、ゲストのみの試食となりました。

「このイベントを行っているTOKYO TORCH 常盤橋タワー3Fには『みそスープBAR』があり、おむすびと味噌汁を販売しています。せっかく同じ場所で開催するイベントなので、ゲストにちなんだ食事を同じフォーマットで提供しようというアイデアが浮かびました。今回はゲスト2名に合わせ、『菌活』をテーマに味噌を取り入れた食事にしました」と薬師神さん。

暦は立春ということで、おむすびの具材にはふき味噌を採用。発芽玄米を使用し、冷めてもおいしく食べられるおむすびに仕上がっています。味噌汁に使用しているのは福井県のマルカワ味噌。「蔵で採れた野生酵母を使用しており、菌ケアの側面から見ても効果が期待できます。この味噌蔵さんは本当にすごいんです」下川さんが熱弁。

味噌汁はカツオと昆布で出汁を取るのが一般的ですが、今回は豚肉とアサリで取り、トマトを入れてアクアパッツア風に。使用した味噌の量は通常の1/4ほどですが、出汁のおかげでうま味をしっかり楽しめると薬師神さんが説明しました。

この味噌汁を飲んだ伊達さんは「人間はおいしすぎるものを食べると無口になりますね。出汁のうま味が一般的なものとは異なりますし、トマトが入っていることにも衝撃を受けました。大きいどんぶりで飲みたいくらいおいしかったです」と感想を述べました。

身体を「調えること」と「整えること」をテーマにパネルトーク

一汁一菜の食事レポート後はパネルトークに。トークテーマの設定について、薬師神さんは次のように語りました。

「最近、サウナブームや腸活ブームで『整った』という言葉をよく耳にします。それはどういう状態なのかを考えたのがきっかけでした。料理人にとって「調う」という漢字は、「調理」や「調味」のように、よりおいしくするために使います。「整える」は体がいい状態ではないときに使います。異なる業界で活躍するお二人は、それぞれ整えるために何をしているのかお伺いしたいと思いました」(薬師神さん)

薬師神さんの質問に対する伊達さんの回答には、アスリートらしさが表れていました。

「私は朝目覚めたときから整え始めています。現役時代は、まさに体が資本でした。同じように8時間寝ても目覚めがいい時、ちょっと悪い時、体が重い時と状態はさまざま。寝ている状態でどの筋肉が張っているか確認し、起きてストレッチをしながら、改めて張りを確認したり、触ったりします。選手時代から続けているルーティーンで、今でも行ってしまいます。自分の体をいい状態に戻そうと自然に考えて動く自分が嫌いではないですね」

朝から晩まで腸内フローラのことを考えているという下川さんは、菌ケアのために3つのことが大切だと言います。

「『整える』と言えば、腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)を整えることです。『菌を取り入れる』『いい菌を育てる』『菌の邪魔をしない』の3つが大切です。菌を取り入れるということは、発酵食品を摂るということです。『菌を育てる』ためにはポリフェノールやオメガ3、ほかにも先ほど食べたおむすびに入っていた発芽玄米が有効です。最も重要なのが『菌の邪魔をしない』こと。ストレス、運動不足、睡眠の質の低さも影響します。私の場合、会食続きで食生活が乱れたり運動不足になったりすると、スマホを使って仕事をしながらウォーキングをしています」(下川さん)

トークから派生して、話題は朝ごはんに。飲食店を経営する薬師神さんは夕食の時間が遅いため、朝はさほど空腹感がなく、バナナ1本などエネルギーになるようものを摂るだけにとどめていると話しました。それに対し、下川さんは菌ケアの側面から、伊達さんはアスリートとして次のように語りました。

「仕事柄難しい人もいますが、夕食はなるべく早く取り、朝食をしっかり取る。一日の活動は朝に始まるため、朝昼はしっかり食べます。夜は体を休める時間ですから、夕食は少ないほうがいい。地中海に住んでいる方々はとても健康で、食と健康に関する論文の数でいえば、地中海料理が1位です。彼らは昼に最も多く食べて、夜は少しのパンとチーズ、ワインで終了。『朝は王様のように、昼は貴族のように、夜は貧者のように食べよ』という言葉の通り、朝食から夕食にかけて食べる量を少なくしていくという流れが、実は腸内環境を整えるために有効です」(下川さん)

「基本的に朝食は食べますね。お米は大好きですが、コーヒーを飲まないと一日が始まらないため、必然的に洋食です。1回目の現役のときはたくさん食べていましたが、2回目の現役のときはそれほど食べませんでした。どのみち朝食後、アップが終われば食べ、試合後に食べてといったように、小腹が空いたらすぐ食べるからでしょう。今はパンとコーヒー、それにフルーツくらいですね。薬師神さんがおっしゃったように、夕食が遅くなり、翌朝はお腹が空いていなければコーヒーのみということはあります。食べたら体を動かして、汗をかく。出し入れをしっかりすることを意識して整えています」(伊達さん)

そもそも「調っている・整っている」の指標はどのようなものなのか?回答は三者三様でした。

「『昨日、何を食べましたか?』と聞くと、昨日のことすら思い出せないくらい食事を意識されていない方がほとんどだと思います。体が勝手に整ってくれるよう、食べ合わせや、1週間のうちにメニューがかぶらないようにすることは強く意識していますね」(薬師神さん)

「気分がいいとか、体調がいいとか、『整う』の指標はさまざまですが、体の声に耳を傾け、欲しているものを摂ることにしています。例えば試合後のように疲れていると、肉を無性に食べたくなることがあります。そのなかで、薬師神さんと同じように取り入れるものや、量のバランスを考え、整うように意識はしていますね。例えば昨日は肉だったから、今日はお魚にしようというふうに」(伊達さん)

「私は健康や精神状態がお腹に表れやすい体質です。だから『整っている』状態というのは、お腹が張っていたり、痛かったりせず、存在を意識しなくても良い状態ですね。また、お腹に症状が表れるときは、不安感を抱えているサイン。そうすると決断するときに臆病になるもの。仕事をする上でも、お腹の調子の良しあしを意識しています」(下川さん)

次に話題に上がったテーマが、日々のパフォーマンスを上げるための、メンタルの保ち方です。伊達さんは好きでいたり、情熱を持ったりすること。苦手意識があったり、興味がなかったりすることでも、その中で興味を持てるものを見つけ、考えて向き合う姿勢が、モチベーションにつながっているといいます。

伊達さんの意見に同意を示しつつ、薬師神さんが意識しているのは、「ベストパフォーマンス」よりも「ファインプレー」だといいます。

「先輩シェフである須賀洋介さんに言われて印象に残っているのが、『ファインプレーをし続けろ』という話です。ベストパフォーマンスは自分が最高だと思う状態です。それに対しファインプレーというのは、他人に意識が向いているように思えます。相手の期待や想定を少しでも超えること。それがファインプレーだと思っていますし、常に意識することが大切だと思います」(薬師神さん)

それを受けた伊達さんは、テニスプレーヤー人生を振り返り、次のように語りました。

「自分の限界を決めないこと。失敗を繰り返すことは、パフォーマンスを上げることにつながると思います。自分のテニス人生を振り返っても、ジャンプアップできた前は、必ず怪我をしていたり、スランプに陥っていたりします。失敗することを恐れずに挑戦する精神が、ベストパフォーマンスにもつながっていると思います」

「私は近視眼的になっているときは、判断を誤りがち。しかし『そもそも何のために会社を始めたのか』や『目標のために今何をすべきか』と広い視野で考えると、自ずと進むべき道が見えてきます。ではそうなるために何をするかというと、お風呂に入ってバカみたいな顔をします。湯船に体を沈めて力を抜き、子ども時代に戻ったように惚けます。それをルーティーンにすることで、頭の切り替えをしています」(下川さん)

自身と向き合い、気づきを得るという視点や時間を持つことの大切さに気付かされる有意義なイベントになりました。イベントの終わりには、3名は以下のように総括をしました。

「まったく異なるキャリアを歩んでいるお二人とお話しできて、本当に貴重な時間を過ごせました。自分自身のことを理解していない方が多い中、お二人はとても内省している。僕も自分自身と向き合うことがすごく好きなので、今後も逃げずに向き合い続けることが大切だと実感しました」(下川さん)

「食文化が多様化していて、さまざまなものを食べていますが、アスリートでない今も食事をしっかりと意識しています。なにせ120歳を目指しているので。健康は体と心の二つに言えることです。お二人の話を伺う中で、心の健康を保つためにはバランスの良いライフスタイルが大切だという共通点を発見しました」(伊達さん)

「どうやったら自分が整うのか、理解していただきたい。食べることは体を作ることなので、生きるために一番大切なことです。もしかしたら晩御飯を食べながらこのトークセッションを観ている方もいるかと思います。今まさに食べているものについて考える時間を捻出する。喉を通るものに興味を持っていただけたのであれば、EAT & LEADのテーマ『食べることは生きること』というテーマに沿って、気付きを与えられたと思います」(薬師神さん)

異分野のトップランナー目線で「身体が嬉しい食事」をテーマに、プライベートにまで踏み込んだそれぞれの流儀が垣間見れるトークが繰り広げられました。


こちらにて今回のトークサロンのアーカイブ動画をご視聴いただけます。

第2回「身体が嬉しい食事」 <身体をととのえること -”調える”と”整える”>
>>https://www.youtube.com/watch?v=ZXnkE5PiXLg

第1回のレポートはこちらから
若林洋平さん(Maison Rococo 株式会社 CEO)×行方ひさこさん(ブランディングディレクター)
「ブランド・クリエーション」<ブランドづくりにおける思考のプロセスとは?>
>>アーカイブ動画はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=OBWwqGdtL98
>>イベントレポートはこちら
https://shokumaru.jp/talk_01_01/

第3回のレポートはこちらから
平野紗季子さん(フードエッセイスト)×梅川壱ノ介さん(舞踊家)
「届ける声・届く声」<アイデンティティの見せ方。相手に伝わる表現とは?>
>>アーカイブ動画はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=qvvMuBxKzEE
>>イベントレポートはこちら
https://shokumaru.jp/talk_01_03/

第1回のゲストは若林洋平さんと行方ひさこさん

第1回のゲスト、Maison Rococo株式会社CEOの若林洋平さんは2018年に日本初のラグジュアリービール「ROCOCO Tokyo WHITE」を立ち上げ、ビールのブランディングを行ってきた当事者。そして、ブランディングディレクターの行方ひさこさんは、地方創生や工芸、商品開発など、ブランディングに携わることを生業としています。今や、人もレストランもいまやブランディングの時代。星付きレストランなどの一流店でのみ扱われ、ビールに新たな価値を吹き込んだ日本初のラグジュアリービール「ROCOCO Tokyo WHITE」はどのようにして生まれたのか? ブランドのストーリーづくりやコンセプトワークも手掛ける行方さんの視点も交えて、「ブランドづくり」の真髄を探ります。

冒頭で、ファシリテーターを務める薬師神さんは「新型コロナウイルス感染症の流行拡大が懸念されるなか、1回目を無事に開催できたことをうれしく思います。私はコロナ禍に入った2020年、虎ノ門ヒルズにレストラン『unis』をオープンしました。レストランの運営だけでも大変な状況ですが、よりシェフの可能性を見出すため、営業を週4にし、週3は併設したラボで外部シェフによるイベントや商品開発などを行っています」と挨拶。日頃からお世話になっている若林さん、行方さんを初回のゲストに招いたと紹介しました。

このイベントはゲストにちなんだ薬師神さん考案の「一汁一菜」のメニューを頂けるのが魅力でもあります。メニューはおむすびと味噌汁です。メニュー選定の背景について、料理を手掛けた薬師神さんは次のように説明しました。

「EAT&LEADの活動拠点であるここ3階では、日頃からおむすびと味噌汁を提供しています。そんなキッチンで開催するイベントの初回だからこそ、おむすびと味噌汁を提供できればおもしろいのではと思いました」

おむすびには、行方さんがブランディングに携わる八女茶を使用。トマトも使用した、ピラフのようなおむすびです。また、味噌汁の味噌は、薬師神さんの出身地である愛媛県の麦で作ったもの。具材には里芋が使われ、横にはライムが添えられています。薬師神さんは「途中で味噌汁に絞って召し上がってみてください」と説明。若林さんのラグジュアリービール「ROCOCO Tokyo WHITE」に合ったおむすびと味噌汁です。

ブランド作りについて語るトークイベント

続いて始まったトークイベントでは、まず若林さんがラグジュアリービールを開発した背景について語りました。

「Maison Rococoは、私とアメリカ人、カナダ人との3人で創業した会社です。中学から大学院までアメリカ留学をしていたことから、3人とも日本を外から見ることができた。物事には、離れて見るからこそ見えてくる良い面、悪い面があります。私が気づいたのは、日本で高級レストランに行ったとき、乾杯に日本のお酒が使われないということでした。日本の食は世界に誇れると思っているのに、乾杯のときにはメイドインフランスのシャンパンを使う。そのことに悔しさを覚えたのです。『最初はビール』という言葉があるのに、高級レストランではそれができない。じゃあ、そういった店でも誇らしく乾杯できるビールを作ればいいと思ったのが、ラグジュアリービールを作ろうと思ったきっかけです」(若林さん)

自分のブランドを確立すべく動いてきた若林さん。一方、行方さんは今回の料理に使われていた八女茶など、外部のもののブランディングを手掛けるのが仕事です。同じブランディングでも、両者が大切にしていることは違うのではとの薬師神さんの問いかけに対し、両者は次のように回答しました。

「通常、ブランディングというと何かをやらなければならないと思うかもしれませんが、重要なのは何をやらないのかにフォーカスすることだと思います。ROCOCO Tokyo WHITEは、高級レストランで飲めるシャンパンに代わるビールを目指していたため、そのイメージに合わないところにはあえて卸しませんでした。また、ブランディングと製品・サービスの品質が一致していることも重要です。製品・サービスがブランドより下回ると信頼をなくしてしまいますから」(若林さん)

「ブランドは世の中に対する姿勢や立ち位置を示すこと。やることとやらないことを決めるのは元より、広い視野で見て抽象度を上げ、解像度を上げていくことが大切。その繰り返しで唯一無二のブランドにしていきます」(行方さん)

次に薬師神さんが投げかけたのは、私生活におけるルーティーンの有無です。行方さんは「基本的にルーティーンという言葉があまり好きではない」と語り、あえて違う方法を選び、当たり前だと思っていることを当たり前ではないと思えるよう心掛けていると説明しました。若林さんは「バランスがキーワード」とし、バーンアウトしないよう、何事もバランスを取るように意識していると語りました。

続いて語られたのは、ブランディングをしてみて気づいたことについてです。若林さんも行方さんも、「ブランドを作るのは人」だと指摘します。

「人間の延長線上にブランドがある。ROCOCO Tokyo WHITEを成長させるためには、自分たちブランドを作っている側がもっといい人間にならねばと思っています」(若林さん)

「その方々の人となりがブランドに乗って広がっていく。お手伝いをする段階でどこまで深く考えられるのか。伴走しながら一緒に考えていけたらと思っています」(行方さん)

トークイベント後に設けられた質疑応答タイムでは、以下のような質問が会場・オンライン参加者から寄せられました。

Q ブランディングをしていく中でうまくいかなかった事例、こうした方が良かったと感じる事例があれば教えてほしい。

若林さん:ROCOCO Tokyo WHITEは、狙い通りブランディングができたといえる。ただ、ブランディングができても、それで終わりではないと感じています。店に卸していただいた後、最終的にはエンドユーザーにオーダーしてもらうところまでいかなければならない。その行動変容の方がブランディングより難しいと実感し、日々悩んでいます。

Q 学生の間に意識しておくべきことは何か。

薬師神さん:「こうしたい」という思いの強さからブランドができているため、まずは「僕がこうしたい」を持つことが大事。最近は「こうしたい」がない学生が多いと感じているが、多少エゴでもいいし間違っていても構わないので、「僕だったらこう」を持ってほしい。

若林さん:日本では平均を求められるが、アメリカでは強みにフォーカスすることが是とされる。一つでもいいから人に負けない何かを持つのが重要。それを実現しやすいのは好きなことをやることではないかと思う。

行方さん:好きなことや強みが分からない人もいると思う。私は少しでも興味を抱いたものに関する本を9冊ほど読むようにしていた。ある程度の知識が多角的に入ることで、本当に興味があるかどうか判断しやすくなる。心が動かされることを手当たり次第に掘っていくと、一定のところでふわっとつながることがある。気負わずにやっていってもいいのでは。

Q ブランドを作る際、どの程度のライフサイクルを見据えているか。

薬師神さん:こういうブランドじゃなきゃいけないという思いはあまりなく、時代に沿って転換できればすごくいいと思う。時代によってニーズも世代も変わっていくため、unisは週4営業というスタイルは維持しつつ、時代に沿ったキッチンのあり方、アドリブ力を大事にしたい。

行方さん:臨機応変。世の中の変化は激しく、スピードも速まっていくので、執着しない、傾倒しないことを心がけている。

若林さん:そもそもブランドが浸透するまでには時間がかかるものだと思っている。短期的なブームで終わるものではなく、じわりじわりやって100年後にも存在するようなブランドを目指す方がいいと考え、ロングタームで見るようにしている。目先のアイディアに惑わされず、信じているものを一歩ずつきちんとやっていきたい。

ワークショップ「愛されるブランドになるために求められること」

後半には45分間のワークショップが行われました。会場参加者を3グループに分け、それぞれが好きなブランドとその理由についてセッションを行います。薬師神さん、若林さん、行方さんの3名も各テーブルを移動しながら参加。和やかな雰囲気で進められました。

最後には、各テーブルの代表者が結果を発表しました。

「さまざまな業種や製品のブランドが出てきたが、グループ分けしてみたところ、ブランドそのものが身近な存在であることが重要なのではという意見が出た。人間味があるというか、ファンとのコミュニケーションが身近なところが重要なのかもしれない」

「新しいブランドよりも歴史のあるブランドが多く挙げられた。また、使うことで気分が上がったり、自分の居場所がここにあると感じられたりする気持ち面に作用するブランドも多かった」

「業界トップを誇るブランド、ニッチだが根強いファンがいるブランドの2パターンに分けられると感じた。多くのお客様に愛されること、根強いファンに愛し続けてもらえることとそれぞれ戦略には違いがあるが、どちらも究極的にはお客様のことを考えているのだろうと思った」

トークイベントからワークショップまで、盛り上がりを見せた第1回。最後に、3名からは以下の言葉が寄せられました。

若林さん:ディスカッションを聞かせてもらい、ブランドとは答えがないものなのだと感じた。人間にも「これをやれば絶対にいい」という正解がなく、ブランドと同じだと思う。ユーザーの課題を解決できればニーズがあり、ブランドとしても評価されると思うが、その課題も一つではないところが難しいしおもしろい。多くの意見があり参考になりました。

行方さん:ブランドというともう少し憧れが出てくるかと思っていたが、共感、安心できるブランドを好ましく思っているものが多かった。共感の時代と言われているが、まさにそういう時代なのだなと感じました。

薬師神さん:それぞれのテーブルの色が出ていておもしろかった。現代は、ネットに操作されて、よく見るブランドをいいと思わされるような、ITに揺さぶられている側面があると感じる。参加者の方々には、これからも揺らがない骨のある部分を持っていただきたいし、僕たちもよりきちんとしたブランドを作るため、肉付けしていかなければいけないと思いました。

一汁一菜を味わいながらトークイベントでインプットし、ワークショップでアウトプットする本イベント。後半では、参加者同士のコミュニケーションも活発に行われ、聞くだけでは終わらない良さを感じられる時間となりました。


こちらにて今回のトークサロンのアーカイブ動画をご視聴いただけます。

「ブランド・クリエーション」<ブランドづくりにおける思考のプロセスとは?>
>>https://www.youtube.com/watch?v=OBWwqGdtL98

第2回のレポートはこちらから
下川穣さん(株式会社KINS 代表取締役)×伊達公子さん(テニスプレーヤー)
「身体が嬉しい食事」 <身体をととのえること -”調える”と”整える”>
>>アーカイブ動画はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=ZXnkE5PiXLg
>>イベントレポートはこちら
https://shokumaru.jp/talk_01_02/

第3回
平野紗季子さん(フードエッセイスト)×梅川壱ノ介さん(舞踊家)
「届ける声・届く声」<アイデンティティの見せ方。相手に伝わる表現とは?>
>>アーカイブ動画はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=qvvMuBxKzEE
>>イベントレポートはこちら
https://shokumaru.jp/talk_01_03/

腸内環境を整え、免疫力を高める「発酵食」は人を元気にする!

腸内環境と免疫力は密接な関係にあると言われています。そもそも腸には体内の免疫細胞のうち、およそ6割が集中しているとされており、この免疫細胞を活性化させることが、外部からの病原体と戦う免疫力の向上につながるとされています。そんな免疫力のアップの助けとなるのが「発酵食品」。発酵食品には、乳酸菌をはじめ、人間の身体に有用な善玉菌が豊富に含まれており、積極的に取り入れることで生きた菌が腸にダイレクトに働きかけるほか、加熱されるなどして死菌になったものは腸内細菌の餌となって腸を活性化します。

会場:MY Shokudo Hall & Kitchen/みそスープBAR

2021年8月に常盤橋に誕生したEAT&LEADの拠点「MY Shokudo Hall & Kitchen」を中心に“人と街を発酵させる”4つのプログラムを展開します。

東京都千代田区大手町2-6-4 TOKYO TORCH 常盤橋タワー3F
TEL:03-6665-6989
【営業時間】 平日9:00~21:00
※みそスープBARは11:30~なくなり次第終了
※イベント開催時は定休日となります
※営業日は公式サイトでご確認ください
https://mhk-tokyotorch.jp/

発酵食の魅力を体験する4つのプログラム

PROGRAM.1

食にまつわる課題を美味しく考える夜
実際に食事をしながら食のストーリーについて学ぶレストランを各月1日限定で開催。つくり手である「生産者」と使い手である「料理人」を登壇者に迎え、食べ手である私たち「消費者」が、明日からの行動をどう変えていくべきかを、おいしく考える一夜に。

■vol.1「海辺の風土が育む、料理とものがたりfeat.海のレシピプロジェクト」
日程:2022年5月12日(木)
監修:八雲茶寮総料理長、FOOD NIPPON代表 梅原陣之助さん、糀屋本店・こうじ屋ウーマン 浅利妙峰さん(リモート出演)、音楽家 青柳拓次さん(“海の唄”ミニライブ開催)
MENU:大分県の食材に触れる、里山里海ショートコース

■vol.2「日本の食文化「発酵」を次の世代につなぐ」
日程:2022年5月19日(木)
監修:たべものさし 村上友美さん、味噌蔵・井伊商店3代目当主 井伊友博さん
MENU:麦味噌など愛媛ならではの発酵食を使ったショートコース

■vol.3「震災から11年、災害・風評被害の解決の一歩」
日程:2022年6月10日(金)
監修:フレンチ割烹ドミニク・コルビオーナーシェフ ドミニク・コルビさん、ばんだいジオファーマーズ 吉村和也さん(和屋)/佐藤栄祐さん(夢農園さとう)
MENU:福島県の食材を使った、初夏を感じるショートコース

お申し込みはこちら!
>https://eat-and-lead.peatix.com

開催概要はこちら
>https://shokumaru.jp/hakkomarunouchi2022_2/

PROGRAM.2
発酵食を自分の手で
毎日の食生活に発酵食品を手軽に取り入れ、腸の中から元気な身体づくりを目指して。発酵のスペシャリストを講師に迎え、実際に手を動かしながら発酵食の知識を養います。

【開催日程】
■vol.1「おいしいお出汁の取り方ワークショップ」
日程:5月23日(月)19:00~20:30
講師:料理家 大黒谷寿恵さん
■vol.2「いろいろ糀のワークショップ -おいしい活用方法も!-」
日程:6月23日(木)19:00~20:30、6月25日(土)15:00~16:30
講師:料理家 大黒谷寿恵さん

お申し込みはこちら!
>https://eat-and-lead.peatix.com

開催概要はこちら
>https://shokumaru.jp/hakkomarunouchi2022_3/

PROGRAM.3

キッチンでチーム力UP!これからの時代は、料理でチームビルディングを
夕方仕事を少し早めに切り上げてチームみんなでキッチンに立ち、旬の食材をつかってディナーをワイワイとつくる。そしてみんなで一つのテーブルを囲み、同じメニューを食べ、知識ではなく感覚を共有していく。キッチンでの親密なコミュニケーションは他者への気遣いを高め、チーム力を高めることにも繋がります。人気料理人をナビゲーターに迎えた、少人数制のスペシャルなチームビルディング。

【開催日程】
■vol.1「愛媛の旬を発酵食でさらに美味しく」
日程:5月18日(水)
講師:たべものさし 村上友美さん
■vol.2「東北・味覚のレッスン – 自宅のキッチンから思考を変える-」
日程;6月9日(木)
講師:フレンチ割烹ドミニク・コルビ オーナーシェフ ドミニク・コルビさん
■vol.3「海を感じる、作る、味わう!演劇メソッドを用いた海の幸クッキング」
日程:6月29日(水)
講師:料理家 大黒谷寿恵さん ・ 演出家 大谷賢治郎さん
■vol.4「DELISH KITCHEN食材活用術 -おうちの冷蔵庫からフードロスを考える-」
日程:Coming Soon
講師:DELISH KITCHEN /さすてな食堂

お申し込みはこちら!
>https://eat-and-lead.peatix.com

開催概要はこちら
>https://shokumaru.jp/hakkomarunouchi2022_4/

PROGRAM.4

「MY Shokudo Hall & Kitchen」内にある「みそスープBAR」では、全国各地からセレクトした食材で毎朝丁寧に出汁をひき、具沢山のお味噌汁とおむすびを平日11:30~販売しています。期間中は、人気料理人監修のお味噌とおむすびをいただけます。メニュー化で大切にしたのは「心と身体をホッとゆるめること」「食べることで誰かの応援になること」「地球のためになる(フードロス削減)こと」。ぜひ一度ご賞味ください。

■vol.1「おうちのフードロスを考える おむすび&お味噌汁」
日程:2022年6月1日(水)~6月30日(木)
監修:DELISH KITCHEN さすてな食堂
MENU:麦味噌など愛媛ならではの発酵食を使ったショートコース

詳しくはこちら
https://shokumaru.jp/hakkomarunouchi2022_1/

丸の内エリアで発酵メニューを扱う店舗をご紹介!

HAKKO MARUNOUCHI MAP

>>内容をリーフレットで確認する
>>本件のプレスリリースはこちら

※新型コロナウイルスの感染状況により、イベントは縮小開催、延期または中止となる場合がございます。

毎日の食生活に発酵食品を手軽に取り入れ、腸の中から元気な身体づくりを目指して。発酵のスペシャリストを講師に迎え、実際に手を動かしながら発酵食の知識を養います。

【開催時間】
各回平日19:00~20:30、土曜日15:00~16:30

【定員】
会場参加/各回先着10名、オンライン参加/先着30名(※6/25開催回)
※各回の申込はすべてPeatixでの事前予約制となります

【参加費】
おひとり6,000円(税込)
※材料費、お食事代含む
※オンラインでの参加の場合は材料費、送料含む
※会場参加の場合:ペアもしくはチームでのお申込でお一人あたり500円OFF

【開催日程】
①5月23日(月)19:00~20:30/会場開催
「おいしいお出汁の取り方ワークショップ」

②6月23日(木)19:00~20:30/会場開催、25日(土)15:00~16:30/会場開催・オンライン開催
「いろいろ糀のワークショップ -おいしい活用方法も!-」

講師:料理家 大黒谷寿恵さん

料理家。石川県金沢市出身。大学卒業後、料理の世界へ。日本料理店で学び3店舗の料理長経験後、2006年kurkku cafeのディレクター兼料理長に就任。2009年より鎌倉で料理教室「寿家」を開業、ケータリング、出張シェフ、レシピ開発を精力的に行う。2015年に「にほんのごはん」のサイト立ち上げ、共著書「和サラダ/和マリネ」(エイ出版)

お申し込みはこちら!
>https://eat-and-lead.peatix.com

【会場】
MY Shokudo Hall & Kitchen/みそスープBAR
東京都千代田区大手町2-6-4 TOKYO TORCH 常盤橋タワー3F
https://mhk-tokyotorch.jp/

 その他、3つのプログラムも参加者募集中!
https://shokumaru.jp/hakkomarunouchi2022-sp/

>>内容をリーフレットで確認する
>>本件のプレスリリースはこちら

※新型コロナウイルスの感染状況により、イベントは縮小開催、延期または中止となる場合がございます。

実際に食事をしながら食のストーリーについて学ぶレストランを各月1日限定で開催。つくり手である「生産者」と使い手である「料理人」を登壇者に迎え、食べ手である私たち「消費者」が、明日からの行動をどう変えていくべきかを、おいしく考える一夜に。

【時間】18:00開場 / 18:30開演 / 20:00終了
【定員】各回先着20名
※各回の申込はすべてPeatixでの事前予約制となります
【参加費 】 おひとり5,000円(税込)
※3品程 度のプチコース、ワンドリンク付

お申し込みはこちら!
>https://eat-and-lead.peatix.com

vol.1「海辺の風土が育む、料理とものがたり feat.海のレシピプロジェクト」


日程:2022年5月12日(木)
監修:八雲茶寮総料理長、FOOD NIPPON代表 梅原陣之輔さん、糀屋本店・こうじ屋ウーマン 浅利妙峰さん(リモート出演)、音楽家 青柳拓次さん(“海の唄”ミニライブ開催)
MENU:大分県の食材に触れる、里山里海ショートコース
企画協力:海のレシピプロジェクト https://uminorecipe.jp

料理人:八雲茶寮総料理長、FOOD NIPPON代表 梅原陣之輔さん/大分県日田市出身。幼い頃より食の世界に触れて育ち、京都を皮切りに日本料理を学ぶ。2006年、大分県のレストラン型アンテナショップ「坐来 大分」(東京・銀座)の総料理長に就任し、現在も顧問を務める。2014年より目黒の和食料理店「八雲茶寮」総料理長に。日本の風土が育んだ素材や郷土料理など智慧を活かした料理を身上とする。2011年農林水産省「料理マスターズ」ブロンズ賞受賞。2014年大分県賞詞受賞など。

糀屋本店・こうじ屋ウーマン 浅利妙峰さん/「糀屋本店」9代目。1952年、大分県佐伯市で元禄2年(1689)創業「糀屋本店」の長女として生まれる。2女3男を育てた後、2007年から”こうじ屋ウーマン”を名乗り、糀文化の普及と伝承のために奔走。“糀で世界中の人をお腹の中から元気に幸せにしたい”とコロナ禍でもSNSなどで意欲的に活動中。2013年6月、内閣府男女共同参画局「女性のチャレンジ賞」を受賞。著書に『麹パワーできれいになる糀屋本店の幸せごはんレシピ』など多数。

SPECIAL GUEST 音楽家 青柳拓次さん/1990年にLittle Creaturesでデビュー。その後Double Famous、ソロでも活動。KAMAAINA名義では、イギリス、デンマーク、ドイツのレーベルからアルバムをリリース。これまでに国内外の舞台音楽を数々手掛け、ドキュメントを含む7作品の映画音楽を作曲。2013年より声を響き合わせるワークショップCIRCLE VOICEをスタート。2020年、その活動を主題とした映画『RESONANCE』が公開される。 https://linktr.ee/takujiaoyagi

vol.2「日本の食文化『発酵』を次の世代につなぐ」

日程:2022年5月19日(木)
監修:たべものさし 村上友美さん、味噌蔵・井伊商店3代目当主 井伊友博さん
MENU:麦味噌など愛媛ならではの発酵食を使ったショートコース

たべものさし 村上友美さん/愛媛県・伯方島出身。発酵をテーマにしたオンライン料理教室「Kitchen studio たべものさし」を主宰し、黒麹甘酒や発酵調味料のオリジナルブランド「1day1spoon」も手掛ける発酵料理家。毎月300件を超える黒麹甘酒の定期便は、人気殺到につき現在予約待ち。

味噌蔵・井伊商店3代目当主 井伊友博さん/1981年愛媛県宇和島市生まれ。夢を追い続けることの大切さ、続いているということの難しさ・素晴らしさを実感し、代々続いている家業の麦味噌屋の後を継ぐことを決心。2010年から、三代目としてゼロから麦味噌造りの職人として祖父・父と共に、ただひたすら麦味噌の仕込みに励む毎日。

vol.3「震災から11年、災害・風評被害の解決の一歩」

日程:2022年6月10日(金)
監修:フレンチ割烹ドミニク・コルビオーナーシェフ ドミニク・コルビさん、ばんだいジオファーマーズ 吉村和也さん(和屋)/佐藤栄祐さん(夢農園さとう)
MENU:福島県の食材を使った、初夏を感じるショートコース

フレンチ割烹ドミニク・コルビオーナーシェフ ドミニク・コルビさん/パリ生まれ。1991年トゥールダルジャン パリ本店副料理長に就任。94年に来日し、トゥールダルジャン東京でエグゼクティブシェフ、ホテルニューオータニ大阪 サクラ総料理長を務める。03年銀座ル・シズィエム・サンス・ドゥ・オエノンエグゼクティブ・ディレクターに就任。15年よりフレンチ割烹ドミニク・コルビをオープン。

ばんだいジオファーマーズ 吉村和也さん( 和屋)/福島県磐梯町の米農家の長男として生まれる。40歳を前に実家の家業である農家を継ぐべくUターン。地元の若手農家集団「ばんだいジオファーマーズ」のメンバーとして、サツマイモ(シルクスイート)をメインに生産。現在会津エリアで最大のシルクスイート農家として活動中。サツマイモの収穫体験などで会津産シルクスイート、磐梯町野菜の安心安全をPRする活動をしている。

ばんだいジオファーマーズ 佐藤栄祐さん(夢農園さとう)/福島県磐梯町の若手農家集団「ばんだいジオファーマーズ」のメンバーの一人として、活躍するトマト農家。「農業はかっこ悪く、辛くて儲からないというイメージを変え、選ばれる職業にしたい」そんな想いと共に、愛情を込めて作ったトマトは「2020年オーガニックエコフェスタ栄養価コンテスト」で最優秀賞を受賞。

【会場】
MY Shokudo Hall & Kitchen/みそスープBAR
東京都千代田区大手町2-6-4 TOKYO TORCH 常盤橋タワー3F
https://mhk-tokyotorch.jp/

 その他、3つのプログラムも参加者募集中!
https://shokumaru.jp/hakkomarunouchi2022-sp/

>>内容をリーフレットで確認する
>>本件のプレスリリースはこちら

※新型コロナウイルスの感染状況により、イベントは縮小開催、延期または中止となる場合がございます。

キッチンでチーム力UP!これからの時代は、料理でチームビルディングを

近年、世界中のクリエイティブスタジオでは、ランチやディナーの時間をシェアすることが、チームビルディングに活かされています。夕方仕事を少し早めに切り上げてチームみんなでキッチンに立ち、旬の食材をつかってディナーをワイワイとつくる。そしてみんなで一つのテーブルを囲み、同じメニューを食べ、知識ではなく感覚を共有していく。キッチンでの親密なコミュニケーションは他者への気遣いを高め、チーム力を高めることにも繋がります。人気料理人をナビゲーターに迎えた、少人数制のスペシャルなチームビルディング。

【開催日程】
①5月18日(水)
「愛媛の旬を発酵食でさらに美味しく」
講師:たべものさし 村上友美さん

②6月9日(木)
「東北・味覚のレッスン – 自宅のキッチンから思考を変える-」
講師:フレンチ割烹ドミニク・コルビ オーナーシェフ ドミニク・コルビさん

③6月29日(水)
「海を感じる、作る、味わう!演劇メソッドを用いた海の幸クッキング」
講師:料理家 大黒谷寿恵さん ・ 演出家 大谷賢治郎さん
企画協力:海のレシピプロジェクト https://uminorecipe.jp

④Coming Soon
「DELISH KITCHEN食材活用術 -おうちの冷蔵庫からフードロスを考える-」
講師:DELISH KITCHEN /さすてな食堂
企画協力:DELISH KITCHEN

【開催時間】
各日18:00~19:30

【定員】
1組限定(5名まで)

【参加費】
おひとり6,000円(税込)
※材料費、お食事代含む
※Peatixでの事前予約制(チーム・事業所でご応募ください)
※当日の食事には、アレルゲンを含む食材を使用する場合がございます。

詳細・お申し込みはこちら!
>https://eat-and-lead.peatix.com

【会場】
MY Shokudo Hall & Kitchen/みそスープBAR
東京都千代田区大手町2-6-4 TOKYO TORCH 常盤橋タワー3F
https://mhk-tokyotorch.jp/

 その他、3つのプログラムも参加者募集中!
https://shokumaru.jp/hakkomarunouchi2022-sp/

>>内容をリーフレットで確認する
>>本件のプレスリリースはこちら

※新型コロナウイルスの感染状況により、イベントは縮小開催、延期または中止となる場合がございます。

「MY Shokudo Hall& Kitchen」内にある「みそスープBAR」では、全国各地からセレクトした食材で毎朝丁寧に出汁をひき、具沢山のお味噌汁とおむすびを平日11:30~ 販売しています。期間中は、人気料理人監修のお味噌とおむすびをいただけます。メニュー化で大切にしたのは「心と身体をホッとゆるめること」「食べることで誰かの応援になること」「地球のためになる(フードロス削減)こと」。ぜひ一度ご賞味ください。

■6月1日(水)~6月30日(木)
「おうちのフードロスを考える おむすび&お味噌汁」
監修:DELISH KIT CHEN/さすてな食堂

さすてな食堂とは、「DELISH KITCHEN」が提唱する”サステナブルな喫食体験”を提供する新たな取り組み。2,900万人以上のユーザーに4.5万件を超えるレシピ動画を届けている「DELISH KITCHEN」は、料理の工程を発信するのみならず、発見に満ちた新しい食体験を通して、日本中の幸せな食卓づくりに貢献することを企業として目指している。

【会場】
MY Shokudo Hall & Kitchen/みそスープBAR
東京都千代田区大手町2-6-4 TOKYO TORCH 常盤橋タワー3F
https://mhk-tokyotorch.jp/
※平日11:30~無くなり次第終了。 ※みそスープBARの営業日は公式サイトでご確認ください。

 その他、3つのプログラムも参加者募集中!
https://shokumaru.jp/hakkomarunouchi2022-sp/

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※新型コロナウイルスの感染状況により、イベントは縮小開催、延期または中止となる場合がございます。

コロナ禍で変化した人と人とのつながり。無意識の慣習を無くした先にあるものとは

井上:新型コロナウイルスにより人々の生活が一新した今、働く女性を取り巻く環境も大きく変化しました。平井さんも変化を感じることはありますか。

平井:まず、コロナ禍で出社体制が柔軟になった結果、PMSや生理痛といった女性の悩みに対応しやすくなった面はあると思います。2022年3月8日に発表された『働く女性ウェルネス白書2022』でも、女性特有の悩みの状況が改善されているというデータが出ていましたね。働き方においては、対面で行われてきたものもリモートになるなど、これまでただ習慣として行われていたことの必然性が見直されるようになりました。日頃顔を合わせる人が限られるようになったのはメリットもたくさんありますが、一方でデメリットもありますよね。なんてことのないコミュニケーションが減ってしまうので、情報の共有も限定されるようになりました。

井上:今までに比べ、会う必然性のある人としか会わなくなってしまったので、それによってうまれる分断みたいなものはありますよね。自分でその必然性を手繰り寄せていかないといけないので、自分のマインド次第で会う人、そしてそこから発生する事柄が変わってくるかと思います。そうすると、自分自身の心の穏やかさやコンディションがすごく重要だなと感じます。

平井:もともとコミュニケーションが上手な人は、状況が変わってもそれに対応してスムーズにコミュニケーションがとれるかもしれません。しかし、苦手な人は「顔を合わせればうまく伝えられるのに…」と悩んだり、ちょっとした連絡を敬遠してしまったりと、人とのつながりのハードルが上がってしまっているのかもしれないとは思います。

井上:働く女性ウェルネス白書でもまとめましたが、これまでまるのうち保健室で取り組んできたのは、女性特有の症状や健康課題など、どちらかというとフィジカル面のテーマでした。しかし、改めて健康を考えたときに心(マインド)の重要性もひしひしと感じます。ニューノーマルな時代になって、これまでの常識が一新された。誰かと話す時間やそこから得られる言葉を、自分の価値観ひいては人生観に照らし合わせる時間や機会が増えたように思うのです。自分の気持ちを言葉にしてみることも大切で、そういった心や思考の整理ができる場というのが「お茶の時間」なのかな、と考えています。

偶然の発見「セレンディピティー」が自分を変えるきっかけに

平井:震災やコロナ禍などによる世の中の大きな変化を受けて、「人生で大切なことってなんだっけ?」と改めて見直す人が増えている印象です。ライター・編集者の仕事をしていると、すでに何かを達成した人や、きっかけがあって生き方や働き方を変えた人にお話を伺うことが多いのですが、そういう方たちはすでに行動を起こしている側。でも現実は、生き方や働き方を変えたいけど簡単には変えられないという方の割合のほうが多いのではないでしょうか。行動を起こして変えた人たちはすごく輝いて見える分、その輝きに対して引目を感じてしまう人もいるようで……。身動きが取りづらい方たちが、希望を持ったりさまざまな選択ができたりするために、何かできることはないかと常に考えています。

井上:これからスタートする「お茶の時間」では、遠すぎる存在というよりも少し身近で、少し背伸びをしたら届くかもしれないところで活動されている方をゲストにお呼びして、限られた人数で自分たちが思っていることを口にできる対話型の場にしたいと思っています。そこでは、誰かが思っていることに共感したり、してもらったり、自分が何者かを再確認できるきっかけになるといいですよね。

平井:コロナ禍で会う人が限られているなか、全員知らない人同士が初めて顔を合わせる場となることが、「お茶の時間」の良いところの一つだと思います。共通する人脈が一つもなく、そこに偶然集った人たちでお茶を介してコミュニケーションをとるので、偶発的な情報との出会いが生まれるはず。今の時代、SNSで情報を得ることも多いですが、そこでも自分がフォローしたアカウントやリコメンドから流れてくる情報を目にする場合がほとんどですよね。私自身、取材をきっかけに新しい知識を得ることも多く、普段はなかなか知り得なかった情報に偶然出会ったときは、すごく世界が広がるなと感じています。例えば、妊活について考えもしていなかった人が、妊活の悩みの話を聞くことで自分の身体や将来設計を見直すきっかけになる。偶然の発見は、知識の広がりにつながると思います。

井上:今まで見えていなかった気づきがそこに生まれますね。

平井:コミュニティが増えることもメリットですよね。コミュニティが複数あると、一つの関係がうまくいかなくても逃げ道になりますし、少しだけ気が楽になるのではないでしょうか。仕事もプライベートもつながっていない関係性の「お茶の時間」で生まれるコミュニティだからこそ、話しやすい話題もあると思います。「お茶の時間」で得た情報や気付きを参加した人が持ち帰って、そこから他のコミュニティに広がっていく。街づくりをされる三菱地所さんが主催することで、そこから生まれた発見や課題を社会に伝搬できるかもしれないですね。

井上:お茶会での内容をどう広げていくかは工夫が必要だと思っています。「お茶の時間」を開催して感じたのは、おしゃべりが解決する力です。セミナーのように一方的に誰かから教えを乞うことも有意義なのですが、自分の言葉で考えを話して自分なりに答えを導き出していくことにとても意味があると感じました。

平井:それはすごく良く分かります。私自身、書く仕事をしていて、自分のなかの考えやモヤモヤを言語化できたときに救われることが多いです。言葉にすることで整理されて、自分で解決の糸口を見つけられるので、アウトプットは大切ですよね。

古典的だからこそ心地よい「お茶の時間」が生み出す共感

井上:ネットも何もない時代からある、ある種古典的な「お茶会」という場だからこそ、ありのままの自分をさらけ出して、自ら何かを得ていくのかもしれませんね。

平井:海外では気軽にカウンセリングを受ける文化がありますが、日本ではまだまだ敷居が高いですよね。思っていることや悩んでいることを一方的に話して聞いてもらえる場所がまだまだ少ないので、そういう場を必要としている方が多いのではないかと思います。

井上:コロナ禍で街の在り方や働き方が一新されたなかで、考え方も多様になりました。「お茶の時間」は、個人同士の解決の糸口にもなると思うのですが、街づくりを本業とする私たちとしては、その声を街全体の営みにうまくつないでいきたいです。

平井:女性が抱える悩みも多様ですよね。おしゃべりを通じて課題や問題に気付いたとしても、女性たちの力だけではどうにもならないことも多いのが現実。結局は、職場の環境やパートナーとの関係性、広い視点で見れば自治体の在り方などにもアプローチしていかないと、変化を生むのは難しいですよね。「お茶の時間」を通して参加してくれた方々の間で共感が生まれることも意義のあることですが、その共感を社会へ代弁する場としても機能する必要がありますね。

井上:そうですね。女性の生きづらさって女性だけの問題ではないと思います。女性が生きづらければ、男性も生きづらいはず。例えば、妊活の負担は女性だけでなく、男性にもかかってくるものです。主語を男性・女性どちらかに決めるのではなく、みんなの問題として考える。お茶会で共感や気付きが生まれるように、職場内や家庭内でも「人生の共有会」ができるようにしたいですね。


まるのうち保健室白書の作成をはじめ、プロジェクトに関わってくださった方々へのインタビューはこちら

「自分の生き方を、自分で決めるという時代へ」
女性が自分の生き方を自分で決めるためには、まず健康であること
慶應義塾大学 名誉教授 吉村泰典先生
https://shokumaru.jp/hokenshitsu_2022_02/

必要なのは選択肢とリテラシー。
女性の悩みに寄り添い、ウェルビーイングな社会を目指して
ファミワン石川勇介さん
https://shokumaru.jp/hokenshitsu_2022_03/

さりげない気づきが、女性健診を心地よいものに変えていく
ファムメディコ佐々木彩華さん
https://shokumaru.jp/hokenshitsu_2022_01/

妊娠、出産について、気軽に相談できる場を

井上:石川さんとの出会いは、ファミワンを立ち上げられた直後の2015年ごろ。同じ2015年にまるのうち保健室で発表した『働き女子1,000名白書』では、「8割の女性が妊娠を望んでいるものの、妊娠や出産などライフイベントについての相談をする場がない」と感じていることがわかり、当時はまだ“妊活”について話題にしにくい時代でした。そのような時期に、“妊活”を全面的に押し出したサービスを立ち上げられたというのは非常に衝撃的でしたが、どういった経緯で起業されたのですか。

石川:一番は、自分も妊活に取り組むなかで、当事者意識が芽生えたというのが大きいですね。結婚後なかなか子どもを授からず、調べると妊娠についていろいろな情報が出てきました。ただ、エビデンスがきちんとある情報もあれば、よく分からないものもあり、既存メディアが発信する情報の信頼性に対して、強く不安を覚えました。妊活に悩む人に向けた正確な情報を提供する必要性を感じて、当時属していた医療系情報提供会社の新規事業として取り組もうとも考えましたが、事業の難しさ等から自身で起業しようと決意しました。

井上:ご自身も妊活のご経験があったのですね。しかし、センシティブな話題でもある”妊活”をテーマに起業するのはなかなか勇気がありますよね。奥様はどんな反応でしたか。

石川:正直に言うと、すごく反対されましたね。その頃ちょうど妊娠が分かったときだったのです。これから出産で大変になることが分かっているにも関わらず、会社を辞めて起業するのは不安要素だらけですし、妻の反応は当たり前だったと思います。しかし、そこで感じたのは、妊活中に感じていた不安は妊活が終わったら次は妊娠中の不安に変わり、やがて産後の不安へと、状況によって変化するということ。どれだけ当時悩んだとしても、終わった悩みに触れることは少ないのです。

井上:確かに、女性の悩みはどんどん移行していきますよね。

石川:出産した後は、子育ての大変さへ意識が向いていって、妊活の話題には触れられなくなる。悩みが移行してしまうことで、妊活に悩む人は多くいるにもかかわらず、世の中に認知されていかないことが課題だと強く感じたのです。20年後、30年後の子どもたちの代には、妊活を取り巻く環境が変わっていてほしい、変えていかなければと思いました。

妊活で悩んでしまう人を減らすために企業ができること

井上:ファミワンはLINEを使ったサービスですよね。LINEを通したやりとりは、bot対応のような機械的なイメージがあったのですが、実際に使ってみると、目の前に相談相手がいる感覚がありました。自分の悩みに対してとても細かく対応してくれるので、心が通う体験ができることにすごく感動しました。

石川:サービス開始時は、メールのやりとりやアプリ開発など、どういったプラットフォームを利用するか悩みましたが、登録も簡単なLNEを入り口にして、サービスを知ってもらおうと考えました。ファミワンのサービスは、一度使ってもらえれば価値を感じていただけると思っています。実際に、個人ユーザーの方からは「言えない悩みを吐き出せた」「心が軽くなったことで、行動が変わった」というような声をいただいています。

看護師や心理士などサポート側のスタッフのなかには、診療のなかでもどかしい思いをしてきた者も多くいます。クリニックに勤めていると、個人対応をするのはなかなか難しく、声をかけたいと思ってもかけられずモヤモヤした気持ちを抱えることも少なくありません。

ファミワンのサービスを通して、相談者の方に寄り添いさまざまな選択肢を提案できることは、専門家たちにとっても救いになっているところがあります。

井上:石川さんの取り組みでユニークなのは、自治体へのアプローチをしているところだと思います。妊活はこれまで世間に広がりにくい話題でしたし、当事者だけがある一定期間我慢してやり過ごせばいいと思われるところもありますよね。それでも、自治体へのアプローチを続ける原動力はどういったところにあるのですか。

石川:悩んでいる方や悩み始めている方のサポートだけでなく、悩む前からの支援が重要だと思っています。いざ、妊活に直面する前から「こんなことで悩むことがあるかもしれない」と知っておくことで、行動を変えることができる。そして、当事者だけでなく周りにいる人たちも、支えるためには妊活にはどんな悩みがあるのかを知っていることも必要ですよね。知識がないと、いざ相談されたときに対応ができません。妊活は、個々のサポートだけでは不十分で、周囲の人々の理解や正しい情報、そして幅広い選択肢が必要不可欠です。社会全体への啓発も考えたうえで、自治体や企業へのアプローチをしています。

井上:今後のサービスの展望や、どういう世の中になってほしいという思いはありますか。

石川:妊活というのが、世間的にフタをされやすいテーマということもあり、相談する場が少ないこと、そして情報が多すぎて取捨選別が難しいという課題があります。情報に惑わされた結果、大切な時間を失ってしまうという状況を変えていきたいですね。そのためには「悩む前から知りたかった」というケースにも寄り添う必要がありますし、潜在的な層にも妊活の課題を伝えることが大切です。ここがなかなか難しい部分なので、セミナーの開催やイベントへの登壇など、ソーシャルな活動には力を入れ続けたいと思っています。

“丸の内”から発信する意義。女性の課題がもっと「あたりまえ」になる社会へ

井上:2021年は、まるのうち保険室と共にセミナーやカウンセリングなど、働く女性に向けたウェルネスプログラムを実施しました。今後、まるのうち保健室との取り組みだからこそ実現してみたいことはありますか。

石川:その土地ごとに思い浮かぶイメージがあると思います。“丸の内”という街なら「働く女性」、「最先端の働き方」というイメージが強いですよね。キャリアにフォーカスされる街が、女性のライフスタイルを真剣に考えるというギャップが与えるインパクトは影響力が大きいはず。丸の内から、女性を取り巻く課題や、女性をサポートすることの重要性を発信することで、他の自治体や企業からも耳を傾けてもらえるきっかけになるのではないでしょうか。

井上:私たちは、キャリアも積みながら充実した人生を送ることを応援するうえで、結婚・妊娠・出産をはじめとするさまざまな選択肢があるということを提唱していきたいです。三菱地所は、世界に負けないまちづくりを目指すなかで、財産となる人々が心身ともに健康であることが非常に重要だと考えています。街のなかに選択肢を増やすための先導役として、企業やそこを訪れる人々へそういった価値観を伝えていく役割があるのかなと思っています。

石川:バリバリ働いているイメージがある丸の内の女性たちも、多くの悩みを抱えながら生きている現実があって、そこを企業がきちんと支えていくという発信はすごく意義がありますよね。

井上:社会全体として、まだまだ女性が持つ選択肢や健康課題に対するリテラシーが低いというのが現実です。個人をサポートするコミュニティーとしての企業や自治体、そして社会の在り方も考えていかなくてはいけないですよね。

石川:妊活や生理など、これまでタブー視されてきたことがだんだんとオープンになってきて、そういった内容について部下から突然相談される事例も増えてきています。けれども、リテラシーが不足しているとどういった対応をすべきなのか分からず、困っているという声も多いです。支える側も、自分ごとでなくても向き合うことが重要だと思います。

そして、当事者は鮮明な形で自分の未来を想像してほしいです。キャリアにおいてもライフスタイルにおいても具体的なビジョンを持つことで、想定しうる悩みについて事前に知識を得られ、選択肢や行動に広がりが生まれます。当事者も支える側も正しい情報を得ることが、これからとても重要となるのではないでしょうか。


まるのうち保健室白書の作成をはじめ、プロジェクトに関わってくださった方々へのインタビューはこちら

「自分の生き方を、自分で決めるという時代へ」
女性が自分の生き方を自分で決めるためには、まず健康であること
慶應義塾大学 名誉教授 吉村泰典先生
https://shokumaru.jp/hokenshitsu_2022_02/

さりげない気づきが、女性健診を心地よいものに変えていく
ファムメディコ佐々木彩華さん
https://shokumaru.jp/hokenshitsu_2022_01/

おしゃべりで生まれる共感。わたしたちに必要な「お茶の時間」
ライター・編集者 平井莉生さん
https://shokumaru.jp/hokenshitsu_2022_04/

さりげない気づきが、女性健診を心地よいものに変えていく

井上:思い返せば、佐々木さんとの出会いから3年がたちました。クレアージュ東京の開院場所を選定されているときで、「まるのうち保健室」の活動に共感してくださったことがきっかけで、丸の内に開院したい!とおっしゃってくださった時は、うれしくて胸がいっぱいになったことを今でも覚えています。そして、今回のまるのうち保健室プログラムでは、医療分野をファムメディコさんが担ってくださり、新しい視座で働く女性のサポートの形がうまれました。

佐々木さん:こちらこそ、まるのうち保健室さんとのコラボは非常に嬉しく思っています。本日はよろしくお願いいたします。

井上:まずはじめに、まるのうち保健室の印象についてお聞かせください。

佐々木さん:健康に向き合うとか、医療現場では担えていない部分を働く女性たちが”参加したい!”というモチベーションを持って集まってくる、足を運びやすい雰囲気づくりなどに工夫されていて素敵だなと思っていました。また、医療機関からの発信だと”難しそう”と敬遠されがちな女性の健康についても、まるのうち保健室が発信者となることで、女性達にも響いているんだなという印象を持っています。

井上:感覚的にですが、まるのうち保健室の取り組みを始めた2014年頃から、女性の健康に対する社会的な理解も生まれてきていますし、女性個人の健康などの価値観がすごく変化してきているように思います。「働く女性ウェルネス白書2022」でも感じるとこがありましたよね。

佐々木さん:そうですね。その背景の一つとして、女性自身が”自分の健康は自分で守ろう”という自立心が強くなってきており、積極的に情報を得ようとする方が増えていることが挙げられます。

井上:健康意識の高まりについては、今回のまるのうち保健室での助産師さんのカウンセリングの内容も、「不妊予防」「PMS・月経痛」「更年期」というような内容でしたが、そこからも見えてきますよね。例えば、今パートナーはいないけれどいつかの出産のために卵子凍結をするにはどうしたらいいかというような内容にも驚きでしたし、若い世代を中心にピルへの理解が広がっており、服用している人も増えている印象です

佐々木さん:ピルについては以前は避妊のイメージが強かったですが、最近は月経痛やPMSの軽減といった健康管理の目的で使用される方が増えてきており、そのような認識変容も、服用率の向上の要因ではないでしょうか。

井上:ピルに関しても価値観の変化が起きているのですね。

佐々木さん:当社20代の女性社員に、「ピルを服用していることを会社に知られたくないですか?」とヒアリングしてみたことがあります。すると、「特に恥ずかしいことだと思っていないので、知られてもても全く構わないですよ」という反応でした。”ピルを飲むこと=恥ずかしいことではない”という価値観への変化も進んでいるように思います。

井上:価値観の変化は、女性たちが自分のからだに関心を持ち、ヘルスリテラシーを高めて、自分で選択肢をもつということから生じているということですね。

佐々木さん:そうですね。例えば、月経痛の悩みからピルの服用に関する良し悪しを理解して自分で試してみる、そして、服用してみて良いなと思ったら、「ピルを飲んでみたら月経痛から解放された」なんて会話が周囲と生まれる。すると受け手も「じゃあ今度婦人科で話を聞いてみようかな」と自分なりに情報収集を行い、健康につながるアクションをはじめる。こうした環境の変化が起きている印象ですね。

井上:女性が実体験に基づいたアクションを起こしているのですね。こうした流れはピルだけでなく、他の健康領域でも起こっていますね。知ることや体験をすることが、実感を伴い、行動につながっていくとしたら、まるのうち保健室では、さまざまな事例や、トライできる環境づくりができたらいいなと思っています。

出産と子育てを体験したからこそ、見えてきた“健康が続く”ことの大切さ

井上:佐々木さんの原動力について聞かせてください。想いの中心にある”働く女性に伝えたいこと”は何なのでしょうか。子育てもされながら、新事業として会社を立ち上げ、医療というプラットフォームにいながら、健康啓発の大切さを実践されています。

佐々木さん:10年ほど医療コンサルティングのお仕事に携わってきましたが、働く女性の一人として、『働く女性がいつまでも自分らしく生き生きと働き続けられるために』、医療という立場から何かできることがあるのでは、という想いを抱くようになりました。その想いを強くしたのは、出産を経て子育てをするようになってからです。母心としても、こどもたちの成長もしっかり見届けたいという想いもあります。それには私が健康である状態を維持することが切実に求められます。

井上:がんの発症率などは男性に比べ女性のほうが働き世代に直撃するというお話を一生懸命してくださったことも印象深く記憶しています。30代後半から40代ということでしたよね。

佐々木さん:そうなんです。女性特有の疾患は、働く女性がキャリアを築いたり、出産や子育てをしたり、そんなタイミングでの発症が多いといわれているのです。「キャリアプランやライフプランの土台には健康がある」ということを強く意識してほしいなと思っています。

井上:健康がベースにあるということですね。

佐々木さん:そうです。理想とするキャリアプランやライフプランの実現に向けて、皆さんものすごく努力をされていると思いますが、それらと健康を切り離して考えている方が多い印象です。ですが、健康ではなくなってしまうと、どれほど努力をしたとしてもプランを変更せざるを得ませんよね。

井上:確かに、健康あってのキャリアプランとライフプランですね。こうした女性の健康に関わる課題を意識したことが、佐々木さんのファムメディコさんにおける活動の根っこにあるのでしょうか。

佐々木さん:そうですね。私自身も含めて、”女性自身が自分の健康問題についてもっと知った方が良いのではないか”という課題意識を持って活動しています。そのためにも、例えば「月経痛くらいで病院に行ったら怒られる」といった誤った認識を少しでもなくし、正しい知識を提供するためにも、情報発信の必要性を感じています。

井上:私自身も働く女性の一人ですが、まるのうち保健室の取り組みを通じて新たに知った情報はたくさんあります。女性ホルモンやAMHについてなど知らないことばかりでした。

佐々木さん:そうですよね。こうした課題意識もあり、まるのうち保健室さんとのコラボでセミナー等を実施させていただき、多くの働く女性に情報発信をさせていただきました。そのほか、生物学的性差に基づいた女性に必要な検査を社会の枠組みの中で提供する仕組み作りも課題と感じており、ファムメディコとして取り組んでいます。

井上:女性と男性だとかかりやすい病気は違いますよね。子宮頸がんや乳がんなど女性特有のがんもあります。

佐々木さん:働く世代のがんの発症率は、女性の方が圧倒的に高いのです。ただ企業によっては、企業健診に乳がんなどのオプションが付いておらず、別日に婦人科検診をしなければいけません。

井上:忙しく働く女性にとっては大変ですね。そして、その検査の必要性を理解していないと受診するという行動にも結び付かないということですよね。

佐々木さん:おっしゃる通り、特に忙しい女性はどうしても婦人科検診を受けられず、その結果女性の検診受診率が下がってしまう・・・。女性の意識の問題だと捉えられがちな検診受診率の低さですが、実はこうした仕組みに大きな原因があるのではないかと考えています。こうした課題意識もあり、クレアージュ東京では健康啓発とともに、女性に必要な検査をオールインワンで受けられる環境を整えています。

ストレスフリーな居心地の良い空間で自分との対話をしてもらう

井上:ホテルライクなクレアージュ東京さんの空間は参加者にとても好評でした。受診しやすい環境作りに注力されていますよね。

佐々木さん:恐らく女性の検診受診率を本当に上げようと思ったら、女性にしか分からない、ちょっとしたストレスにも目を向けて取り除いてあげないと難しいと思っています。例えば、下着を外した検査着の状態で、隣に男性社員が座るだけでもストレスに感じますよね。

井上:女性としてはすごくストレスですよね。

佐々木さん:強い言葉ですが、屈辱的という言葉を使う女性もいらっしゃいます。より多くの女性に婦人科へ足を向けていただくためには、性差に基づいた検査の提供といった仕組みと併せて、そうしたストレス低減への取り組みも必要だと思っています。

井上:当たりまえを変えていくことって大変ですよね。女性のストレス低減といった感覚的な部分は、すぐ御社内の男性従業員の方々にはすぐに理解してもらえたのでしょうか?

佐々木さん:最初は難しかったですね(笑)ただ実績が出ると「やっぱり、そうなんだね」と理解していただきました。本当に女性が良いと思う医療サービスを提供するには、結局この繰り返しが必要なのだろうなと思います。

井上:女性たちの共感と信頼の積み重ねが大切ですね。佐々木さんのそうした歩みが、女性のヘルスリテラシー向上や検診受診率向上に着実につながってくると思います。

佐々木さん:ありがとうございます。特に婦人科においては、これまでのように”困って来院した患者さんを助ける”だけでは不十分だと感じていますし、女性が抱える健康課題に対するソリューションを提供しつつ、共に歩んでいくという姿勢が大事だと思っています。これからも医療という立場から働く女性たちを支えていきたいと思います。


まるのうち保健室白書の作成をはじめ、プロジェクトに関わってくださった方々へのインタビューはこちら

「自分の生き方を、自分で決めるという時代へ」
女性が自分の生き方を自分で決めるためには、まず健康であること
慶應義塾大学 名誉教授 吉村泰典先生
https://shokumaru.jp/hokenshitsu_2022_02/

必要なのは選択肢とリテラシー。
女性の悩みに寄り添い、ウェルビーイングな社会を目指して
ファミワン石川勇介さん
https://shokumaru.jp/hokenshitsu_2022_03/

おしゃべりで生まれる共感。わたしたちに必要な「お茶の時間」
ライター・編集者 平井莉生さん
https://shokumaru.jp/hokenshitsu_2022_04/

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