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地球に優しいアクションにつながる「サステナブル一汁三菜ランチフェア」開催初日のレポート

11月18日(月)~22日(金)、「サステナブル 一汁一菜ランチフェア」を初開催しました。
サステナブル 一汁一菜ランチフェアは、「SUSTABLE 2024」と「丸の内シェフズクラブ」のコラボ企画です。

「SUSTABLE」は、毎回ゲストに生産者とシェフを招き、食にかかわる誰もが“持続可能な食卓”について考えるきっかけを提供するプログラム。本年度は各回のテーマに「資源循環」「脱炭素」「生物多様性」を掲げて開催し、中でもvol.2(テーマ:脱炭素)とvol.3(テーマ:生物多様性)には「丸の内シェフズクラブ」のシェフたちがゲスト参加しました。

そしてこの度、SUSTABLE 2024 vol.2とvol.3のゲストだった生産者の食材を使い、丸の内シェフズクラブのシェフたちが監修した“おいしく食べるだけで、地球に優しいアクションにつながるランチメニュー”を提供する場が誕生。それが「サステナブル 一汁一菜ランチフェア」です。

フェア初日の11月18日(月)には、会場に4名のシェフが集結! シェフたちは調理から販売まで参加したほか、オープニングセレモニーも行いました。

これより「サステナブル 一汁一菜ランチフェア」の初日の様子をレポートします。

メニューを監修したシェフたち

丸の内シェフズクラブメンバー4名
(写真左から)

  • unis エグゼクティブシェフ 薬師神 陸さん(フレンチ)
  • 御料理ほりうち 店主 堀内さやかさん(和食)
  • byebyeblues TOKYO シェフ 永島義国さん(イタリアン)
  • SALONE GROUP 統括料理長 樋口敬洋さん(イタリアン)

【~11:30】ランチ準備中

時は11月18日(月)の11:00をまわった頃、メニューを監修したシェフたちがキッチンに勢ぞろいしていました。雰囲気は、いたって和やか。しかし、じつに手際よく一汁一菜ランチ「地球に優しいおにぎり&みそスープセット」が仕上げられていきます。このランチセットは、1日50食限定です。

堀内さん(写真右)は、焼きおにぎりをつくりました
薬師神さんは、小鉢を担当
永島さん(写真左)と樋口さん(写真右)は、ともにイタリア料理のシェフならではのメニューを用意

【11:30~11:45】オープニングセレモニー

11:30を迎えると、オープニングセレモニーがスタート。まずは今回のランチセットに使用している食材“サステナブルフード”について、司会者がスクリーンに投影しながらご紹介しました。

使用食材“サステナブルフード”は、以下の通りです。
「脱炭素(グリーンカーボン)につながる食材」はSUSTABLE Vol.2、「生物多様性を取り戻すことにつながる食材」はSUSTABLE Vol.3にゲスト出演した生産者が手がけています。

【脱炭素(グリーンカーボン)につながる食材】
高機能バイオ炭「宙炭(そらたん)」で育った野菜
株式会社TOWING

たとえばお米のもみ殻など、地域で発生し、廃棄せざるを得ない未利用バイオマス資源。それを高機能バイオ炭の「宙炭(そらたん)」に変えて農地へ還し、脱炭素とサステナブルな食料生産システムの構築を目指しているのが「株式会社TOWING」です。宙炭を利用すれば、これまで土づくりに要していた5年という期間をわずか1カ月に短縮でき、二酸化炭素を土に固定することができるといいます。今回のランチフェアでは、長ネギ、トマト、ターサイなど6種類の宙炭野菜を使用しました。

【脱炭素(グリーンカーボン)につながる食材】
 海の環境保全につながる養殖コンブ
幸海ヒーローズ

昆布は美味しいだけでなく、ブルーカーボン(二酸化炭素が海洋生態系によって取り込まれ、長期間にわたって海洋に固定される炭素のこと)に貢献する優れもの。杉の木と比較すれば、約5倍の二酸化炭素を吸収してくれるそうです。その上、肥料を与えずとも育ち、汚染を起こさず、さらには漁師の副収入にもつながるという養殖昆布。そんな環境再生型の昆布養殖をする「幸海ヒーローズ」からは、横浜八景昆布と横浜八景昆布パウダーを食材として使用しました。

【生物多様性を取り戻すことにつながる食材】
ネイチャーポジティブな農業と畜産
JAたじま

兵庫県・但馬地域で環境創造型農業と畜産業を実践する「JAたじま」より使用した食材は、コウノトリ育むお米、但馬牛。一度は絶滅してしまった日本のコウノトリを復活させ、野生復帰に取り組んでいるこの地域で育まれたお米は、カエルやドジョウなど、コウノトリのエサとなる多くの生き物が息づく田んぼで栽培されたものです。また、但馬牛は、草原放牧や棚田畔草の給餌によって、農村環境や生物資源を保全しています。

次に、4名のシェフが登壇。永島さん、堀内さん、樋口さん、薬師神さんの順に、監修したメニューについて一言ずつコメントしました。そのコメント順は、メニューを考案した順です。今回の「一汁一菜」は、まず永島さんが1品目をつくり、次の堀内さんは永島さんの一品を知った上で考えるといった“バトン形式”で1つのメニューを組み立てていきました。

永島義国さん > 和風ミネストローネ

永島さん:メニューをつくる順が一番だったので、宙炭野菜から但馬牛、昆布まで、食材をたくさん使わせていただきました。私はイタリア料理のシェフなのでミネストローネをつくったんですが、そこに出身地・新潟の味噌を使った味噌汁を組み合わせています。

使用食材は、宙炭野菜のセロリ・トマト・ターサイ・玉ネギ、但馬牛の脛にく、横浜八景の昆布

堀内さやかさん > 焼き葱味噌おむすび

堀内さん:焼きおむすびの中に、炊いた昆布を挟みました。表面に塗った味噌には、たっぷりのネギと一緒に鰹節の粉を混ぜ込んでいます。今回はテーマに「サステナブル」と掲げていますが、難しい言葉だと思わずに「バトン」だと捉えてみてください。山は里を潤し、その先に豊かな海を育てます。海、山、里、その循環を感じてほしいという思いをこのおにぎりの中に込めました。

使用食材は、宙炭野菜の長ネギ、横浜八景昆布、コウノトリ育むお米

樋口敬洋さん > アランチーナ風おむすび

樋口さん:リゾット風に仕上げたお米は、洗わずに炊き上げました。味わいについては、炒めた玉ネギ、昆布のパウダーやトマトの旨みが凝縮されていると思います。そのおむすびの中に入れたのは、昔、働いていたシチリアのアランチーナ(ライスコロッケ)に見立て、但馬牛のひき肉です。私はSUSTABLE Vol.2に参加して、海や大地の再生について学ばせていただいたんですが、そのご縁を結ぶおむすびです。「再生」をテーマにしながら、シチリアの海など自分の想い出も込めています。

使用食材は、宙炭野菜のプチトマト・玉ねぎ、横浜八景昆布パウダー、但馬牛のひき肉、コウノトリ育むお米

薬師神陸さん > ターサイとセロリのエチュベ 国産胡麻とすじあおのり

薬師神さん:「エチュベ」というのはフランス語で、素材の水分だけで蒸し煮する調理法のことです。宙炭野菜は初めて食べたときに普段食べている野菜よりもみずみずしさを感じたので、ゆでたりせず、水分をそのまま活かしてエチュベにしようと思いました。そこに加えたのが国産の胡麻、すじあおのり。胡麻は輸入品に頼りきりで、国産は0.1%ほどといわれています。すじあおのりは、自分の出身・愛媛で陸上養殖しているものです。陸上養殖だと海の中でエビやカニなどと接触することがないので、甲殻類アレルギーの方も安心して口にできるなど、さまざまな利点があります。胡麻も青のりも身近な食材ですが、どこでどう育ってきたか、日頃、自分たちは何を口にしているのか、そういったことに思いめぐらせる機会になればいいなと思いながら、この1品をつくらせていただきました。

使用食材は、宙炭野菜のターサイ・セロリ

【11:45~】ランチ提供開始

オープニングセレモニーが終わり、いよいよランチ提供がスタート。
オープンとともに長い列ができ、シェフたちもスタッフと一緒にお客さまにサーブしました。

シェフたちがお客さまと会話する場面も

こうしてスタートした「サステナブル一汁一菜ランチフェア」は5日間にわたって、おいしくいただくだけで、“食の未来”を変えることができるサステナブルなランチを提供。気軽に楽しめる一汁一菜セットでありながら、実直に仕事と向き合う生産者たち、その思いを受け継いで料理をつくるシェフたちのメッセージがぎゅっと詰まった1膳を皆さまにお届けすることができました。

「サステナブル一汁一菜ランチフェア」開催概要
【日時】 2024年11月18日(月)〜22日(金)11:45~売り切れ次第終了
【会場】 MY Shokudo Hall&Kitchen(東京都千代田区大手町2-6-4 TOKYO TORCH 常盤橋タワー3F)
【メニュー概要】 地球に優しいおにぎり&みそスープ 1,200円(1日50食限定)
【メニュー監修】丸の内シェフズクラブ 4名:byebyeblues TOKYO シェフ 永島義国さん、御料理ほりうち 店主 堀内さやかさん、SALONE GROUP 統括料理長 樋口敬洋さん、unis エグゼクティブシェフ 薬師神 陸さん

 

撮影/柳 大輔

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