正月太りの解消

女性の7割が経験する正月太りの解消

 お正月は、お餅やおせち、お酒などに加え、ごろごろしていることも多く太りやすい季節です。KDDIの調査によると、正月太りを経験した女性は7割を超えていて、平均増加体重は2kgだそうです。この時期に蓄えてしまった脂肪はできるだけ早く元に戻したいものですね。年末年始に増えてしまった分を1月中にリセットするため、無理なく体重を落としましょう。

消費エネルギーの内訳を知ってダイエット

 1日の消費エネルギーの内訳は、動かなくても消費する”基礎代謝量”が半分以上を占めます。その他、食べたものを消化・吸収するためのエネルギーとして使われる”食事誘発性体熱産生”、さらに”運動”と”運動以外の身体活動”におおよそ分けられます。
基礎代謝の消費量は骨格筋、肝臓、脳が半分以上を占めますが、この基礎代謝量を増やすことがダイエットの第一歩です。食べないダイエットは、脂肪と一緒に筋肉も落ちてしまうため、基礎代謝量が下がってしまいリバウンドしやすい身体になってしまいます。筋肉をつけて基礎代謝量を上げることにより、脂肪を燃焼しやすくメリハリのある引き締まったリバウンドしにくい身体を手に入れましょう。とはいえ、まだまだ寒いこの季節に外での運動を始めるのはおっくうという人も少なくないでしょう。そこで、今回は自宅でできる簡単な運動法をお伝えします。

円グラフ「基礎代謝を上げるためのボディメイクスクワット

 基礎代謝量を上げるために効率的で簡単な運動のひとつがスクワット運動です。下半身には全身の筋肉の約7割が集中しているといわれていて、大臀筋や大腿四頭筋、ハムストリングスといった大物の筋肉があります。身体の中でも消費エネルギーが多い部分ですので、ここを鍛えると基礎代謝が一気にアップします。下半身が引き締まり、ヒップアップ効果も抜群ですので、ボディメイクにも最適です。

スクワット解説図

1)両足を肩幅ぐらいに開いて立ちます。

2)背中をまっすぐに伸ばして、顔、おへそ、つま先、ひざは、まっすぐ前を向いた状態にします。

3)両腕は頭の後ろに組む、または胸の前で交差させるなど、自分が動きやすい姿勢をとります。

4)鼻から息を吸いながら、1から8までカウントしつつゆっくりと腰を落とし、8で太ももと床が平行になるようにします。ひざが内側を向かないように注意し、つま先より出ないようにします。かかとは浮かないように床にしっかりとつけてください。横から見たときに、お尻が後ろに突き出たような姿勢になります。

5)息を吐きながら、元の姿勢に戻ります。元の姿勢に戻すときは、1拍で戻すぐらいの速さで、スッと腰を伸ばします。

 ポイントは、腰を落とすときに『1、2……7、8』とカウントしながらゆっくりと動くことです。これは筋肉の少ない人が筋肉量を増やすために行う運動で、ゆっくりと腰を落とすことで普段は鍛えていない筋肉に働きかけていきます。回数の目安は、限界プラスあと1回。 『もうきついな』と感じたところからあと1回だけ頑張ると、筋肉が反応してくれるようになります。慣れて来たら、また回数を増やしてみてください。女性は、スクワットをしても足が太くなる心配はないでしょう。むしろ引き締まって細く見えるようになります。ぜひ続けてみてください。

体脂肪を燃やしましょう

 基礎代謝を上げたら次は脂肪燃焼です。これには有酸素運動が必要です。できれば30分以上の運動がよいのですが、難しい場合は短時間でも構いません。ジョギングでもウォーキングでもいいでしょう。大切なのは続けることです。有酸素運動を行う場合は、その前に筋トレをするとさらに効果的です。筋トレは成長ホルモンを分泌させるので、脂肪燃焼を助けます。スクワットしてからのウォーキング!無理なく楽しみながら出来る範囲でいいので、ぜひ始めてみてください。

有酸素運動NEATを増やしましょう

 ニートと言っても、社会問題になっているNEETとは違います。
NEATとは、Non-Exercise-Activity-thermogenesisの略語で、ウォーキングやスポーツではなく、運動以外の身体活動によるエネルギー消費量のことを指します。買い物や通勤時の歩行、掃除洗濯などの家事、仕事中の活動や座っているときや立っているときの姿勢保持、貧乏ゆすりなども当てはまります。実は一般の方では、運動よりもこの運動以外の活動NEATで消費するエネルギーの方が多いのです。このNEAT、これまでの研究で多い人では1日で最大 2000kcal(!)程度にまで及ぶとも考えられています。
消費エネルギーの多くをNEATが占めることから、肥満との関係に注目が集まっています。 これまでの研究で、肥満者と非肥満者の消費エネルギー量や生活行動を調べたところ、肥満者は非肥満者よりも座っている時間が長く、立っている時間が短かったと 報告されています。もちろん座っているよりも立っているほうが消費エネルギー量は高くなります。この実験での1日の肥満者と非肥満者のNEATの差は おおよそ350kcalになったとのことです。350kcalとはいちごのショートケーキ約1個分に相当するエネルギーです。1週間では2450kcal そう考えると大きな差ですね。運動ができない方でも、歩ける距離であれば車を使わない、こまめに家の掃除をする、電車では立つ、駅でエスカレーターではなく階段を使うといった行動は、まさにNEATを増やす行動です!自分のライフスタイルに合わせてNEATを増やしてダイエット!これなら出来そうですね。

マルノウチエリアのお店をご紹介

旨酒・料理 酢重ダイニング(新丸ビル5F) 
ダイエットで意識したいのは大皿料理よりも色々なものを少しずつ食べられるおばんざいスタイル。
栄養がバランス良く摂れるだけでなく、小鉢から先に食べて炭水化物に最後に箸をつける「食べる順番」を意識することで食後の血糖値の急上昇を防ぐことができます。

佐藤雄一

順天堂大学医学部卒業後同産婦人科学教室にて学ぶ。現在は高崎市の病院で体外受精や腹腔鏡などの最先端の不妊治療に従事しながら、年間1600件を超える妊娠出産の周産期医療にも携わっている。予防医療として妊娠する為の身体づくりの大切さに気づく。多くの方に、元気で可愛い赤ちゃんをその手に抱いて欲しいという願いのもと、Luvtelli の理念に志を同じくし、活動している。

文・佐藤雄一

データ出典
・田中茂穂:『身体活動とエネルギー代謝』 – 日本臨床社(2009年)