「まるのうち保健室~私と向き合う時間~」レポート【番外編】 フジテレビ『ノンストップ!』サミットを開催!ゲストは、千秋さん&大神いずみさん
働く女性が自分自身と向き合う時間をつくること、そして対話することの大切さを再認識していただくことを目的とした体験型ウェルネスイベント「Will Conscious Marunouchi 2022 まるのうち保健室〜私と向き合う時間〜」。10月27日(木)・28日(金)の2日間にわたって開催された本イベントのレポート【前編】では、伊藤華英さん(競泳元日本代表)と廣瀬俊朗さん(元ラグビー日本代表キャプテン)をゲストにお迎えしたオープニングステージを、【後編】では会場内の様子をご紹介しました。そして【番外編】でお届けするのは、会期2日目に「私の対話ステージ」で行われたフジテレビ『ノンストップ!』サミットの特別ステージの模様です。
更年期を学び、みんなで議論するステージ
10月28日(金)13:30、私の対話ステージ前に設置されたイスは女性のお客様でほぼ満席となり、にわかに高まる期待の中、いよいよその時を迎えました。会場に『ノンストップ!』のテーマ曲が響き渡り、司会を務めるフジテレビ渡辺和洋アナウンサーの掛け声とともに姿を現したのは、千秋さん、大神いずみさん。『ノンストップ!』の毎週金曜の恒例企画、主婦・女性が気になるテーマを生で徹底討論する「サミット」が初めてスタジオを飛び出して、丸の内へやってきました。
*番組でのオンエアは終了しています。
丸の内で議論するテーマは、「プレ更年期は30代から⁉ ホルモンとの付き合い方」。
千秋さん、大神さんは、いかに更年期を過ごし、どのようにホルモンと付き合っているのか、それぞれ経験や見解を語りました。また、ゲストのお二人の他に、公認心理士/臨床心理士の戸田さやかさん、まるのうち保健室プロデューサーの井上友美も登壇し、医療現場からの視点や都心で働く女性たちの声も交えながら進行。そんな『ノンストップ!』サミットの特別ステージの模様をお届けします。
【ゲスト】
◆千秋さん タレント
◆大神いずみさん タレント
【登壇者】
◆戸田さやかさん 株式会社ファミワン 公認心理士/臨床心理士
◆井上友美 三菱地所株式会社 まるのうち保健室プロデューサー
【司会】
◆渡辺和洋さん フジテレビアナウンサー
特別ステージ:テーマ「プレ更年期は30代から⁉ ホルモンとの付き合い方」
渡辺アナ:まずはゲストのお二人に質問です。何か更年期症状はありますか?
千秋さん:周りの人はよく「更年期」と言うけど、私自身、体の不調は全然ない。でも、以前、寝ている時に汗を超いっぱいかいたことがあって、そのとき「あ!更年期だ」って、家族に汗を触らせたことがある。
大神さん:更年期症状、私はフルコースできています。40歳を過ぎた頃から何だか体調がおかしいなって思い始めて、45歳くらいで「これは更年期だ」って認定しました。でも、現在53歳で、そろそろトンネルを抜けそうかなというところですね。
渡辺アナ:なるほど。では、そもそも更年期というのはどんな時期なのか? グラフにしたものがありますので見ていきたいと思いますが、戸田さん、詳しく教えていただけますか?
戸田さん:更年期というのは、思春期とか老年期とか、そういった誰にでもあるライフステージの1つです。女性の場合、更年期の時期に女性ホルモンの1つ「エストロゲン」の分泌量が急激に下がっていきます。エストロゲンは、肌のツヤ、髪の毛のハリ・コシといった美容にまつわる機能、認知機能、自律神経系のバランスにも影響するホルモンで、減少すると、大量に汗をかく、心臓がバクバクするなど、様々な体調の変化を起こす場合があります。日本人女性は平均50.5歳で閉経を迎えますが、その前後5年間が更年期症状の起きやすい時期です。ただ、自分がいつ更年期に入ったのかは、閉経が起きてから過去を振り返らないとわかりませんよね。そのため、更年期症状の備えとしては、体の状態を日々モニタリングし、もしかしたら?と自ら変化に気づくということが大切です。
渡辺アナ:更年期症状が出始めるのは45歳頃の方が多いわけですね。でも、それよりももっと早いタイミングで出る人もいるのでしょうか?
戸田さん:そうですね。いわゆる「プレ更年期」と呼ばれるもので、30代後半から不調を感じる人もいます。
渡辺アナ:プレ更年期ですか。まだ更年期の自覚がない年齢の時に、理由はわからないけど体調がおかしいということになると不安になりますよね。井上さんはまるのうち保健室のプロデューサーとして更年期にまつわる相談を受けることがあるそうですが、働く女性からはどのようなお悩みが寄せられていますか?
井上:頭痛とか、疲れやすい、眠れないとか、そういったお声を耳にすることはありますが、仕事を優先にし、生活習慣の乱れが原因だと思っている人が多いように感じます。プレ更年期というお話もありましたが、初期の頃は女性ホルモンが関係しているとはなかなか想像しにくいのかもしれませんね。
千秋さん:私は、自分が更年期になっているか、いないかが、いまだにさっぱりわかっていないんですけど、やっぱり更年期になるのは嫌なことなのかな? どれだけ怖いものかがよくわからないし、避けられるものなのかどうかもわからないので教えてほしい。
戸田さん:そうですね。更年期はライフステージの1つなので必ず全員にやってきます。でも、更年期症状は個人差があって、全くない人もいれば、大神さんのようにフルコースという方もいます。だから、生活やお仕事に支障があるほど重症な方は病院に行ったり、漢方やサプリメントを利用するなど、それぞれの状況に応じて適切な対処をすれば良いと思います。
大神さん:「ずっと頭が痛いけど、更年期だから仕方ない」と自分で勝手に判断するより、病院に行って調べてもらった方が安心ですよね。もしかしたら、実は脳に何か病気がある可能性もあるし、ホルモンバランスが崩れているせいですねとバシッと診断してもらえれば、自分の中で不調の受け止め方が違ってくると思うんです。
渡辺アナ:何も判断基準がないまま、自分だけで考えているとどうしたらいいのかわからない人が多いと思いますが、自分の状態を知ることができるチェックシートというものがあります。これは日本人女性特有の更年期症状の程度を把握するためのシートなんですが、ゲストのお二人は何点でしたか?
上の写真のチェックシートで、更年期指数の合計点による「指標」は次の通り。【0~25点】上手に更年期を過ごしています。年1回の健康診断を受けましょう。【26~50点】バランスのよい食事、適度な運動を行い、無理のないライフスタイルを送り、更年期障害の予防に努めましょう。【51~65点】産婦人科または更年期外来、閉経外来を受診し、薬などによる適切な治療、生活指導、カウンセリングを受けましょう。【66~80点】長期間(半年以上)の計画的な治療が必要でしょう。【81~100点】各科の精密検査を受けましょう。更年期障害のみであった場合は、産婦人科または更年期外来、閉経外来などで長期の計画的な治療が必要でしょう。
千秋さん:私は「0~25点」のところだった。「怒りやすい・すぐイライラする」はもともとそういう性格なので4点。あと「疲れやすい」も昔からそうなので2点かな。
大神さん:私はチェック項目のすべての症状を経験していますけど、程度でいえば、最近は少しずつ弱くなってきたものもあるんです。合計は46点でした。
戸田さん:51点を超えると医療機関の受診を検討された方が良いのですが、それ以下の方は様子を見る形で大丈夫だと思います。また、特に60点以上の方は臨床的な観点から日常生活の支障が大きいと思いますので、直ちに受診することをおすすめします。
渡辺アナ:実際に、大神さんは病院へ行かれたことがありますよね?
大神さん:45歳くらいまでは「寝たら治る」と、その都度、症状をやり過ごしていたんですけど、ある時からめまいが強くなり、フラフラして立っていられなくなったので、原因を突き止めようと婦人科に行ったのが最初です。血液検査してもらったら「ホルモンバランスがめちゃくちゃです」って言われ、更年期だと認定していただいた。それまで何年間も我慢していたので、すでに更年期初心者ではなかったと思いますが、診断を下してもらったおかげでこれから1つ1つ対処していこうという覚悟ができました。でも、もう少し手前の段階で更年期の準備ができていたら、もっと穏やかに仕事も家庭生活もできたかもしれませんね。
千秋さん:私は何も症状がないし、病院は怖いのであまり行きたくない。だけど、理由がわからないまま体の不調を抱えているより、理由がわかった方が怖くないかなと思います。
大神さん:そう。自分の体の状態を知っていた方がどうにかできる術があるというか、1人で我慢していた期間の方がよほど怖かったです。
渡辺アナ:恐れずに病院に行くことが大きな前進になるということですが、受診をする場合、一体どんな検査をするのか、不安を持ってらっしゃる方も多いと思います。そして、病院に行く前の準備も大事ということで、そのポイントをご紹介しましょう。受診の際、いろいろ聞かれるそうなので、漠然とした記憶ではなく、前もってメモしておいて、正確に先生に伝えられるようにすることが大事なんですね。
戸田さん:月経の周期などは、その時に気分の変化とともにメモやアプリなどの記録しておくとスムーズで、3か月程度のデータをまとめておくと良いと思います。また、通常時と体調の悪い日の比較も診察の時に大事なポイントになったりするため、日々健康のモニタリングなど記録を取っておいて病院で伝えることも有効です。
大神さん:この質問事項は、私もすべて口頭で聞かれました。何も準備していなかったので、月経の周期とかうろ覚えでしたし、飲んでいる薬もメモしておくことも大切だと思いますね。
渡辺アナ:そして、診察ではどんな検査をするのか、その検査を受けてどういった対処法があるのかは、それぞれ大きく分けて4つあるそうです。
戸田さん:まずは採血をしてホルモン値を計る他、血糖値など一般的な項目も見て、他の病気が隠れていないか調べます。経腟エコーや細胞診なども、がんなどの他の病気がないかを確認するために行います。対処法は、更年期障害の初期の方は食事や睡眠など生活習慣の見直しの指導を受けることが多いですね。あとは、漢方やサプリを飲みながら経過を観察していくこともあります。血液検査の結果、ホルモン値が低い場合にはホルモン補充療法になり、ホルモンを補充する薬、貼り薬や塗り薬などを使うようになります。
大神さん:私はめまい緩和のために、最初はプラセンタのサプリを飲んでいました。でも、いよいよめまいが激しくなった時に、病院でホルモン補充療法が良いのではないかと言われて、今「メノエイドコンビパッチ」というシールをお腹に貼っています。あと飲み薬を飲んでいたら、こんなに違うんだ!と驚くほどめまいがなくなりました。
渡辺アナ:思いきって病院に行けば、きっと自分に合う解決方法が見つかるわけですね。井上さん、まるのうち保健室には「病気に行って症状が緩和されました」という声も寄せられていますか?
井上:はい。やはり病院に行くまでが時間がかかってしまうとか、どんな検査をされるんだろうという不安をお持ちの方は非常に多いようです。でも、ネットで調べるよりも、治療を経験された身近な方から直接お話を聞いた方が一歩踏み出す勇気が出ると思います。
渡辺アナ:更年期と向き合う上で、周囲の人とのコミュニケーションをとることも大切ですよね。実は今回、大神さんからお悩みを1つお預かりしています。「家族にどこまで相談するのか悩む」とのことですが、これはどういったお悩みでしょうか?
大神さん:それはですね。どうしても体がつらい時は横になったりするわけですが、そうすると夫や子どもが「お母さん、今日なんかダラダラしてるね」とか「昨日、飲み過ぎたのかな」とか言われて、全然いたわってもらえないんです。夫には言えたとしても、子どもは心配しちゃうかなと思って、体調が悪いとはあまり言えないですしね。ある日、本当につらかったので「今日は1日寝かせてもらいます」って寝たことがあって、そのときは家族も少しわかってくれたみたいですが、いまだに伝え方には悩んでいます。
戸田さん:更年期症状は病気ではないということで、自分自身も軽視しがちですし、周りの方も軽く見てしまうところがあると思います。でも、一般的な知識として「更年期の女性はこのような苦しい症状が起きやすい」「そのときは家族のサポートが必要で、家事を代わってあげようか、無理しないでと声をかけてあげるだけでも安心する」ともっと広く認知されて、実践していただけるご家庭が増えると良いですよね。私が一番効果的だと思うのは、お父さんが子どもに対して「お母さんは具合の悪い日があるんだから、俺たちで助けよう」と言ってくれることです。
大神さん:夫からそんなことを言ってもらえたら泣いちゃうかも。
千秋さん:私はこういう場にそぐわない発言かもしれないんですけど、少し年上のママ友が多くて、更年期だという話が出た時に「カッコいい」と思った。私も早く更年期って言いたい、みたいな。で、ちょっと眠たい時も「仕方ないよ、更年期だから」って言ったり、家で「私、更年期だから」っていっぱい言っていたら、娘から「ウソでしょう」と言われるようになった。でも、昔は更年期と聞くとおばさんの病気というイメージがあって、私は絶対なりたくないと思っていたけど、年齢が近くになったら考え方が変わって、どうせみんながなるなら、私も早くなって「カッコいいでしょう」と言えた方が良いって思えてきて。更年期がポップなものというか、恐いものというより大人になった印として、誰でも普通に通り過ぎる信号みたいな感じになれば良いなと思います。
大神さん:千秋ちゃんらしい。こないだね、友達とおしゃべりしながらご飯を食べていた時に、2人揃ってダーッと汗をかいたんです。2人ともホットフラッシュになっていることに気づきながら、お互いに何も言わなかった。本当は「今、キテるでしょう」って笑い合えたらいいのに、何となく言いにくいんですよね。
千秋さん:私も、ママ友が「汗をいっぱいかくので、冬でもハンカチがいる」って話していた時に「へー」とか言ったんだけど、私が汗をかいた時に「私も更年期になった」とすぐ言いました。私にとってはタブーとかではなくて、久しぶりに会っても「更年期どうした?」「私はまだかも」「もう過ぎたかも」みたいな話を気軽にしています。
大神さん:私も更年期とは長いお付き合いになってきて、そろそろトンネル抜けるかなというところにきていますけど、最初、具合が悪くなった時よりは今の方が話をしやすくなっていると思います。ほんの少しの間で時代の空気が変わったというか。以前は「更年期」というと年寄り扱いみたいな言葉を返されたんですけど、今はみんなに受け止めてもらいやすくなったので有難いなと思うし、病院で気軽に相談しやすくなったこともあるので、自分の症状を正しく知って、きちんと更年期と向き合える世の中になったら良いなと改めて思いました。
井上:お二人のお話を伺っていたら、自分が更年期を迎えた時も怖がらずにいられそうだと思えました。また、ママ友など女性同士なら比較的話しやすいことも、職場の中で声を上げられず、病院に行けずに困っている人も多くいますので、企業の皆さまにも本日のお話に耳を傾けていただいて、それぞれの職場環境に生かしてもらえたら嬉しいなと思いました。
更年期は、国籍も関係なくすべての人が経る時期だからこそ、大人の印としてもっとカッコいいイメージになれば良いよねと話す、千秋さん。公には話題にしくいところもあるという更年期障害について、率直に語ってくださった大神さん。更年期に立ち向かう働く女性たちの勇気となる言葉が詰まったステージになりました。
「Will Conscious Marunouchi 2022 まるのうち保健室 〜私と向き合う時間〜」開催概要
【開催日時】2022 年10 月27 日(木)・28 日(金)各日11:00〜19:30
【開催場所】丸ビル1 階マルキューブ(東京都千代田区丸の内2-4-1)*参加無料
【主催】三菱地所株式会社
【協力】株式会社ファムメディコ、株式会社ファミワン、神奈川県立保健福祉大学
【パートナー企業】アシックスジャパン株式会社、アンファー株式会社、株式会社eminess、株式会社エポラ、株式会社SMILE CREATE GROUP、株式会社ブレインスリープ、株式会社ベジモ、ライオン株式会社(五十音順)
【企画協力】フジテレビ『ノンストップ!』