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私と向き合う時間 Season2 Vol.3【ゲスト:服部由紀子さん】開催レポート

表面は美しくできて当たり前、輝きの半分以上は内面から出てくるもの。

毎回ゲストと一緒にハーブティーを飲みながら、わたしたちにとって大切なトピックスについて語り合う「私と向き合う時間」。2シーズン目の第3回には、ヘアメイクアップアーティストの服部由紀子さんをゲストに迎えました。「『自分の魅力』を見つける。 ~美しさを引き出し、引き立たせる方法~」をテーマに、表層的なテクニックではない自分だけの魅力との出会い方を考える回となりました。

服部由紀子さんがヘアメイクを学び始めたのは、大学を卒業した後のこと。親の勧めで大学に進学し社会福祉について学ぶも、ずっと憧れていたヘアメイクの仕事を諦め切れずウエディング業界に就職したそうです。「はじめは漠然と『キラキラした仕事』だというイメージで美容業界に憧れていました。けれど大学で社会福祉について学び、障がいのある方々と接していくうちに、ヘアメイクは誰にとっても平等に喜んでもらえる可能性のあるものだと気がついたんです」そう話す服部さんは今、指名予約が絶えないヘアメイクアップアーティストとして日本全国を飛び回る日々を送っています。

服部さんのインスタグラムに並ぶ、個性あふれる花嫁たちの華々しい笑顔。それぞれのキャラクターを引き出したヘアメイクはひとつとして同じものはなく、まさに百花絢爛の様相です。「綺麗なヘアメイクが施せるのは、この仕事をしていれば誰でもできなくちゃいけない最低限のこと。花嫁の美しさの半分がその表面的なことで、残りの半分以上が内面から現れるものだと思っているんです」結婚式の準備がスタートしてから閉式まで、花嫁とともに過ごす時間は8時間〜9時間程度。入場してから閉式まで最大限の自信を持って過ごせるように、できる限りのケアをするのが服部さんの仕事ぶりの特徴です。

「その人のためを思うから、イエスもノーも、良いことも悪いことも全部正直に伝えること。嘘をつかずに一生懸命向き合うことで、心が通じ合って信頼してもらえる。そうして委ねてもらって初めて、送り出す時に背中を押すことができるのだと思います。これは社会福祉の経験から学んだ方法です」そうして数多くの花嫁と向き合ってきて得た、自分との向き合い方、魅力の引き出し方についても聞いてみました。

自分で自分を認めて言い切ることで、結果は後からついてくる。

テーブルには、事前に集めた服部さんへの質問カードが並びました。一番多いのは、「自分に自信が持てない」、「自己肯定感が低い」といった声でした。それに対して服部さんが教えてくれたのは、「自分で自分を肯定して、それを声に出してみる」という方法です。「仕事をしていく中で、言い切ることが自分を後押ししてくれるのだと学びました。それと同じで、『今日も最高にかわいい』『今日もイケてる』って耳に響かせてマインドをそちらに向けていく。毎回人に頼むわけにいかないから、自分で言っちゃうのが手っ取り早いです。あとは、身の回りにある小さなことを一つずつクリアしていくと、いつしかそれが勝手に自信に変わっているはずです」

終始、満面の笑顔で快活にお話してくれる服部さんの言葉に、会場のみなさんの顔も明るくなっていくのがわかります。ここで「自分に自信を持つためにやっていること」をテーマに、テーブルごとにお話していただくワークの時間を設けました。「自分に自信が持てない」という共通点で盛り上がったというテーブルからは、「自己肯定感が低いからこそ、自分のことをうまく褒めてあげられないけれど、ただ自分が嫌いなわけじゃない。だからこそ、自己肯定感が低いことを言い訳にしないで、少しずつ自分を認めてあげられるようにしていきたいなと話していました」という声があがりました。

それに対して「私も最初から、自分最高!って思えたわけじゃないんです」と服部さん。「幼い時にモデルや俳優になりたいと思ったこともあったけれど、私その仕事に就くにはどう考えても足が短いんですよ(笑)だったら自分の得意なことを伸ばしていこうと、誰にも負けないと言えるものを探して磨くようにしたんです。みんなそれぞれ何かしらあると思います。どんな小さなことだって良い。自分の机を誰よりも綺麗にしておく、とか、電話の受け答えを誰よりも明るくする、とか、できることってたくさんあると思います。それを突き詰めていくと、自分のキャラクターが確立されていきます」

自分の内面の輝かせ方のヒントをたくさん教えていただきましたが、ではそれを外見に引き出すにはどういった手段があるのでしょうか。一人一人の個性を唯一無二の美しさに変換する服部さんに聞いてみました。「人のチャームポイントを探るには、理想のスタイルを聞く前に、その人の家族構成や幼少期の様子などからヒアリングしていきます。コンプレックスや似合わないと思っているスタイルは思い込みだったりもする。魅力を引き出すには、そういった固定概念から外れる必要があるんです。その人の人生を大切にしながら、新しい自分の魅力を発見できたとき、それがまた自信になるんです」丁寧に人と向き合い、勇気づけてきた服部さんの言葉には、自分自身に向き合うときの姿勢を教わりました。

心を健やかに保ち、内面から輝かせるためにできることは意外と身近にあるのかもしれません。今回参加したみなさんがイキイキとした表情でお話を聞き、メモを取る様子から、こうして気になる事柄に能動的にアクセスすることも自分を受け入れるための第一歩なのかもしれない、と思わせられました。

撮影/高村瑞穂 文/平井莉生

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