【Conscious Woman】川村明子さん #1 仕事観「何が起きてもポジティブに」
ヴィーガンカフェを立ち上げ、歩んできた道
エイタブリッシュの焼き菓子。今後、世界に向けて羽ばたいていくかも
「私が独立したのは1997年、28歳の時。ソニー・ミュージック・コミュニケーションズの同僚だった清野玲子さんと2人でデザイン会社を立ち上げました。事務所にはミュージシャンやモデルなど様々な人たちが集まっていましたが、Time & Styleの吉田龍太郎さんとの出会いがきっかけとなって、青山に『Café Eight(カフェエイト)』を開きました。日本では当時まだあまり馴染みの無かったヴィーガンのカフェです。」この頃のカフェブームもあって店は大盛況。そして2003年、青山にオープンしたサロン、アヴェダに併設の「PURE CAFÉ(ピュア・カフェ)」を手がけることになりました。2015年に「Restaurant 8ablish(レストラン・エイタブリッシュ)」を移転オープン。スタイリッシュで美味しいヴィーガン料理のレストランとして人気を集めています。
「エイタブリッシュ」のコンセプトは「Unconcious Well-Being(アンコンシャス・ウェルビーング)」。気づかいないうちに体に良いものを取り入れていくことができる暮らしをテーマにしています。
「最初の飲食店である『Café Eight(カフェエイト)』は相方の清野自身がベジタリアンだったことがきっかけで彼女の発案で始めました。私はお肉もお魚も食べます。そんな二人が同じ食卓でシェアできるお料理はほとんどありませんでした。しかし、ヴィーガンというものは一見ネガティブな印象ですが、捉え方次第ではとてもポジティブなスタイルだと思ったのです。というのも、ヴィーガンは肉も魚も乳製品も卵も使わない、作り手にとっては制限のある料理です。ですが、食べる人にとっては、その最小限の食材で作られた料理。つまり、人々が食べたいと思うような、美味しいクリエイティブな料理でさえあれば、アレルギーの人も、宗教上の理由でお肉を食べない人も、みんなが同じ食卓を囲める。そのように、最小限の食材で、最大限に人を幸せにできることに面白さを感じ、エイタブリッシュはポジティブでクリエイティブなヴィーガンレストランとなっています。」
自分の専門や感性を活かした、新たな展開へ
甘酒のソフトクリームにエスプレッソをかけていただくアフォガード
「エイタブリッシュ」をオープンして5年目、「カフェエイト」のオープンから20年目の今年、清野さんが高知県に移住。これまでとは別の形で会社を支えることになり、川村さんが「エイタブリッシュ」の経営を主導することに。「最初は2人で始めて、その後はどちらかというと清野が主導していましたから、私が主になって店をやるのは初めてのことです。ですがここでもやはり『究極のポジティブ』で自分の得意分野に引っ張り込む形で店の成り立ちを見直しました」。「私の本職はクリエイティブ・ディレクター、「エイタブリッシュ」のシェフやパティシエ、ホール・マネージャーをそれぞれの分野のクリエイターとして尊重しつつ、店をディレクションしていくという役割を担っています。
「店内には2点の犬の絵を飾っています。これは父が私の実家で飼っていた犬を描いたもの。父は画家でもなく無名ですが、強い思いが込められた作品だからこそ有名な画家の作品にも勝る力がある。有名、無名にとらわれず、新しい価値観に触れる場所として多くの人々が訪れる空間となれば、と願っています」。
今後はイベントなどの企画も予定しているという。これまでの歩みを経て、川村さんの感性によって進化した「A Gallery(エー・ギャラリー)/ 8ablish(エイタブリッシュ)」。ここに行けば何か新しい刺激をもらえそう。そんな期待が高まります。
手前が川村さんが描いた作品、奥はお父様が描かれた犬の絵
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【Conscious Woman】川村明子さん #2 大切な習慣「睡眠はしっかり」
https://shokumaru.jp/cs-01-02/
Profile
川村明子(かわむら・あきこ)
1968年生まれ、愛知県出身。1997年に同僚だった清野玲子とデザイン事務所「ダブルオーエイト」を立ち上げ、クリエイティブ・ディレクターとして数多くの企業の広告やアートワークを手がける。2000年に青山にヴィーガンカフェ「カフェエイト」、2003年に「ピュア・カフェ」をオープン。2014年デザイン企画会社「アポロアンドチャーカンパニー」を設立。2015年「レストラン・エイタブリッシュ」移転オープン。2020年「A Gallery(エー・ギャラリー)/ 8ablish(エイタブリッシュ)」にリニューアルし、現在に至る。
エイタブリッシュ
http://eightablish.com/