まるのうち保健室の今までのこと、これからのこと

東京・丸の内で働く約28万人を“食”を通じて日本を活気づけたい!という想いで始まった「食育丸の内」。その一環として女性の未来と健康と活躍を支援する「Will Conscious Marunouchi」プロジェクトが2014年に始まりました。的確な“支援”を行うためには、何より女性が抱える課題が分かっていなければなりません。そこで、丸の内で働く女性の実態調査を実施したのが「まるのうち保健室」です。これまでの活動やこれからの展望について、Will Conscious Marunouchiをプロデュースしてきた三菱地所の井上友美さんに話を伺いました。

女性の活躍に何が必要なのか
実態調査としてスタート

「まるのうち保健室」を立ち上げた2014年は、女性活躍推進法が国会で提出されたタイミングでした(2015年9月4日公布・施行)。国から企業に対し、女性をもっと活躍させようというお達しが出たわけですが、働く女性がどんなことに悩んでいるのか、女性がキャリアを積み上げていく上で必要なことは何か、当時は理解されていない状況でした。待機児童問題を筆頭に、お子さんを育てている方や出産を予定している方など、出産前後の女性を取り巻く環境が注目されていたと思います。特に出産後のケアが厚くなる一方で、その前の段階、20代、30代の妊娠を考える前の女性への手助けも、その後の女性の活躍を支えるために重要なのではないかと、彼女たちの“今”に向き合おうとスタートしたのが「まるのうち保健室」です。

そこで丸の内各所でイベント的に気軽に健康測定ができる場を設けました。就業環境や100項目近い食の現状などのアンケートや、体組成、BMI値、ヘモグロビン、骨密度、などの計測、カウンセリングを行い、3000名を超える方々に参加していただきました。その結果見えてきたのが、彼女たちの多くが栄養、運動、睡眠に問題を抱えているということでした。

働く女性の問題をあぶり出し、
気づきのきっかけに

特に驚いた結果は、1日の平均総摂取カロリーが1,479という数字だったこと。糖尿病の食事制限以下の数値です。人生100年時代と言われ、働きながら健やかに生きていかなければいけない今、基礎となる体の準備が整っていないだけでなく、そこのことに気がついていないことが分かりました。日々の生活にいっぱいいっぱいで、つい自分のことが後回しになってしまっているのが多くの女性の現状です。幸せの尺度は人それぞれですから、これが正解ということを押し付けるものではありません。しかし、自分の健康状態を把握し、また将来起こりうるリスクなどの情報を知っていれば、キャリア、結婚、出産、といった人生の選択の助けになる。健康を守り、未来への選択肢が広がることを後押ししたいと思っているのです。「まるのうち保健室」で取り組んできた、健康測定やアンケート、カウンセリングやセミナーなどの活動は、気づきの場として、自分と向き合うきっかけとして、好評を得ていただいているようです。

企業の理解と仕組み作りで
自分と向き合える環境づくりを

働く女性への実態調査で明らかになった課題に対して、ソリューションを提供すべく、まるのうち保健室は「新習慣メソッド」を開発しました。食事、睡眠、運動を軸に、気軽に生活に取り入れることができる活動を提案したのです。そのメソッドに加えて、未来の“なりたい自分”を設定し、日々の自分の生活と向き合い、それを習慣化する伴走者としてのツール「Conscious Woman Diary」を2018年に作りました。制作にあたって重要視したのは実践する前のマインドセット。何のために健康でなければならないのか、何のために働くのか、自分の価値観を見直す時間があるからこそ継続できると、過去に「まるのうち保健室」に参加した女性たちの声から気づいたのです。

このDiaryは企業に制度として取り入れてもらうよう働きかけを行っています。開発段階から企業の人事・総務担当の方にも協力いただき、企業を巻き込んだ取り組みとして女性の健康リテラシー向上に役立てることができるか協議を重ね、実際に丸の内に拠点を置く企業に向けてサンプリングやイベントも行いました。社食のテーマに活用していただいたり、研修として活用いただいたり、Diaryが働く女性の環境作りの指針になるようなムーブメントを起こしていきたいと思っています。

女性が輝く丸の内を目指し
いつでも行ける保健室に

これまでイベント的な活動が多かったまるのうち保健室。健康への意識を持つきっかけを提供してきましたが、その次の段階「長く通い、継続的に情報を得たい」という要望にも応えられるよう、サービスとして定常化していきたいと思っています。まだ構想段階ですが、通えるような「場」を作ったり、その人にあった健康情報を伝えられるようなツールであったり。働く女性に常に寄り添えるようなカタチを模索中です。実現のためには、医療関係や食品メーカー、インフラ関係などの協働パートナーを増やし、理解を深めていかないといけません。

また「Conscious Woman Diary」は、今後も議論を重ねてもっと女性に役立てるようブラッシュアップしていきたいですね。健康に対する意識や、食事・睡眠・運動それぞれの取り組みも継続するためには伴走者が必要。コーチというか、パーソナルトレーナーというか、そんな存在になれるようなDiaryにしていきたい。企業も女性の活躍を支えるには、彼女たちの健康を支えることが大切だと気が付き始めています。今後もまるのうち保健室の活動を通じて、女性が生き生きと働くお手伝いをしていきます。

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