食育の丸の内

  1. 「働く女性 健康スコア」から企業のネクストアクションを考えるワーキングを実施

「働く女性 健康スコア」から企業のネクストアクションを考えるワーキングを実施

まるのうち保健室の「働く女性 健康スコア」は、各企業の働く女性たちの課題を見える化するプロジェクトです。昨秋、全14社のご協力のもとで行ったトライアル版の結果を踏まえ、3月8日(水)の国際女性デーに「働く女性 健康スコア」発表会2023を開催いたします。それに先駆け、1月30日(月)、ご参画いただいた企業の方々とともに「働く女性 健康スコア」ワーキングを実施しました。すでに「働く女性 健康スコア」の結果を伝えられた企業の皆様はどのように捉え、これからどのような施策を打っていくのでしょうか? ワーキングの開催レポートをお届けします。

健康スコアに参加した各社の声を集めて

働く女性たちの課題を見える化する「働く女性 健康スコア」は、女性の働きやすい文化醸成に向け、「個人」「コミュニティ(企業・アカデミア)」「社会」という3つの視点から活動している「まるのうち保健室」が新たにスタートさせた産学医連携のプロジェクトです。

スコアの参加方法は、神奈川県立保健福祉大学協力のもと、疫学調査をベースに開発した調査項目で作成したアンケートを女性の方々に回答していただきます。通常、働く女性たちの課題は各社それぞれ異なるものですが、健康スコアを通じて女性従業員たちの声を集めることで、1社ごとに現状と課題が見えてきます。

昨秋行ったトライアル版では全14社に賛同・参画いただいて、3,400人以上の女性から回答を得ることができました。こちらの結果は、3月8日(水)の国際女性デーの日に発表会にてお伝えしていきます。

そして、1月30日(月)に開催した「働く女性 健康スコア」ワーキングは、10社13名の人事担当者にお集まりいただいて、グループワークを行い、今後の課題解決に向けての提言をまとめていきました。

3つの質問から成るグループワーク

開催のあいさつと「働く女性 健康スコア」の振り返りが行われた後で、さっそくグループワークが始まりました。
AとBの2つのテーブルに分かれた参加者は、あらかじめ用意された質問に対する回答を付箋に書き込んだらホワイトボードに貼っていきます。質問事項はQ1~3まで全3つ。Q1より順を追って、1人ひとり発表しました。

各グループの進行役をつとめたのは、神奈川県立保健福祉大学の吉田穂波教授と黒河昭雄先生です。

【グループワークの3つの質問】

Q1:健康スコアを実施してみて、どんな気づきがありましたか?
取り組む内容に変化がありましたか? 取り組む上で悩みはありますか?

Q2:社員の健康に関するリテラシー向上について、どういった取り組みをしていますか?

Q3:健康に関する施策の社内利用率向上のための工夫や課題はありますか?

Q1については、多くの人が挙げた各社共通の課題は「女性のヘルスリテラシーが低い」「情報の社内周知が難しい」「男性の理解度が低い」でした。たとえば「健康への関心がない人が多く、情報発信をしても受け取ってもらえない」「社内インフラを利用した情報発信は、その他の膨大な情報に埋もれて目に留まりにくい」といった悩みがありました。中には「SNSで情報発信する際に、意識の高い雰囲気ではなく、あえて少しカジュアルに伝えている」という対策をしている会社も。

さらに、もう1つ議論の的となったのは「男性たちをどう巻き込んでいくか」。いまだ管理職は男性が中心で「上司に女性特有の課題を理解してもらえない。取り組みたくても支援してもらえない」といった声が上がっていました。

また、Q 1を振り返ると、月経痛やPMSなどではなく「更年期への関心度が高い」と回答した人が多かったことが意外でした。「若手は健康への関心が低く、健康スコアに参加した方も年齢が高めだった」と前置きした上で発表していた方もいましたが、「今までは自分の中に封じ込めがちだった更年期の悩みを打ち明けやすい社会になり、皆で解決していこうと声を上げる人も出てきているのではないか」という見方も、1つの意見として出ていました。

Q2の「社員の健康に関するリテラシー向上への取り組み」については、圧倒的に多かった取り組みが「セミナーの開催」です。テーマ設定ややり方は各社それぞれでしたが、自社のメンバー特性に合うセミナーを模索し、企画・運営に取り組んでいることが伝わってきました。また、セミナーの参加率を上げるための工夫を発表してくださった方も多く、たとえば「気軽に参加できるランチタイムに行っている」、「アーカイブ配信でいつでも見られるようにしている」、「社内だけで進めるより、外部の企業等とコラボした企画の方が興味を引く」などの他、「インセンティブを付ける」、「参加を義務付ける」といったお話も。中には、「管理職は女性の健康セミナーを受講することを必須にしている」というところもありました。

その他には、ウォーキングイベント、健診補助やスポーツクラブ利用者に対する助成金など、独自性のある施策に取り組んでいる企業もいくつか。1つだけご紹介すれば、現在検討中の企画で「会社の共用スペースに産婦人科の先生に来てもらって、自由に雑談してもらう」というものがありました。雑談をきっかけに、婦人科受診を考える人、自分の健康について思いめぐらせる人が出てくることに期待しているのだとか。ちなみにこの企画は、以前、社内セミナーを開催した際に、終了後にゲストと参加者たちの会話が弾んでいる光景を見て思いついたそうです。

これまでのQ1とQ2は、各自の考えや取り組みを共有する時間でした。
残るQ3はメインディスカッションの時間です。Q3に対する回答を書いていただきながら、これまでに集まった付箋も残せるものは残して、整理・分類し直した上で、議論を繰り広げていきました。

各グループより最後の発表

Q3の質問をもとに意見を交わし合った各グループ。
最後に、ここで話し合った内容や結論を、各グループの代表者が発表してくださいました。

Q3:健康に関する施策の社内利用率向上のための工夫や課題はありますか?

【Aグループの発表】
周囲の働きかけにより、1人ひとりの“自分事化”を進めていく
発表者:日本事務器健康保険組合 藤木様

私たちは非常に多岐にわたって意見が出ましたが、全体を通してみれば「自分事」というキーワードが挙げられます。全体的にヘルスリテラシーが低いとされる人が多く、いかに自分事として関心を持っていただくかが一番の課題です。

現状、情報を伝える方法としては、社内インフラやSNSなどを基本的なツールとして使っているところが多い一方、いくら情報を投稿しても関心のない人は見てくれません。そんな中で、雑談のような気軽な声かけをしたら関心を寄せてもらえたという事例が出てきて、勉強になりました。また、「どこでも自分の好きなスポーツクラブを利用すると助成金をもらえる」というインセンティブを用意している会社もあり、非常に利用率が高いそうです。

ほかに、上司を巻き込んで、評価制度を利用しながら広めていくのが良いのではないか、というアイデアも出ました。まずは上司に理解を深めてもらい、部下に伝えてもらうこと、そして、その上司に対しても何らかの評価があることで社風として健康への意識が熟成されていくのではないかという話に。実際に管理職を目指して仕事するようになると、チームメンバーの健康にも意識がいくようになる、というお話もありました。

いかに「“自分事化”してもらうか」を追求するだけでなく、周囲の人たちの変化とともに1人ひとりの意識を変えていく仕掛けも必要です。最後は、やはり上司や会社組織に理解していただくことが大切だという結論に落ち着きました。

【Bグループの発表】
「個人の理解を高める」と「社内を巻き込む」に並行して取り組む
発表者:株式会社サンシャインシティ 小宮山様

Bグループでは、皆さんの回答を「個人の理解」と「社内の巻き込み方」という2つにカテゴリー分けし、話を進めていきました。

1つ目の「個人の理解」は、主に「全体的にリテラシーの低いこと」がテーマです。その取り組みとしてセミナーを開催している会社が多くありましたが、そこから、参加率を上げる手段についての議論になりました。中には「参加を義務化する」という話も。一歩踏み込んだ手を打つことで、個人のヘルスリテラシーの差が少しずつ埋まっていき、結果としてより良い職場の素地ができ上がるのではないかという意見がありました。

次に「社内の巻き込み方」については、「社内周知が難しい」と「男性の理解度が低い」がテーマです。話が進むにつれ、経営陣・管理職の人たちの理解、アプローチが特に重要だという意見が多く出るように。少し保守的な考え方の男性管理職の気持ちを動かさないと、アクションやサポート体制は生まれません。

その対策として私が提案したい手が、いい意味で「脅す(笑)」。「我が社は社外にこんなコミットメントをしていますよね」など、ダイバーシティ経営理念などを引き合いにして説得する手もあるのではないかと思いました。また、会話の流れを変える手もあります。つまり、まず男性の健康課題について話し始め、女性にはもっと多くの課題があるので真剣に考えてくれませんかという流れで伝えた方が理解しやすくなるかもしれません。男性も女性も一緒になって課題を解決していくことでより良い職場をつくっていきましょう、といったアプローチで、経営陣や管理職の方々も巻き込んでいけたらいいのではないでしょうか。

──Aグループ、Bグループの発表とともに締めくくられた「働く女性 健康スコア」ワーキング。これからも本ワーキングを通じて議論を重ね、ソリューションを加速させて、女性たちの働きやすい環境実現に向けてともに歩んでいきます。


「働く女性 健康スコア」は、女性特有の症状・疾患に対し、企業経由で発信・啓発する手法を探索することを目的に、女性医療コンサルティングを展開するファムメディコと三菱地所との共催で取り組んでいます。

「働く女性 健康スコア」ワーキング 開催データ
【開催日】2023年1月30日(月)
【会場】3×3 Lab Future(大手門タワー・ENEOSビル1階)
【参加企業】アンファー株式会社、株式会社サンシャインシティ、東京海上日動火災保険株式会社、東京産業株式会社、日本事務器健康保険組合、三井物産株式会社、三菱地所株式会社、三菱地所プロパティマネジメント株式会社、三菱地所リアルエステートサービス株式会社、株式会社ロイヤルパークホテルズアンドリゾーツ ※50音順
【共催】三菱地所株式会社、株式会社ファムメディコ
【協力】神奈川県立保健福祉大学

※本ワーキンググループは、まるのうち保健室のプログラムにご参画いただいた企業様を中心に構成しております。


>>どなたでも自由にご視聴いただける関連イベント
3月8日(水)オンライン開催!
「働く女性 健康スコア」発表会2023

【日時】
2023年3月8日(水)10:30~11:30 ※予定

【参加方法】
Youtubeによる配信(無料・事前申込不要)
以下のURLより、どなたでも自由にご視聴いただけます。
https://www.youtube.com/live/zR6fYqCIH20?feature=share

【内容】
第1部:都心で働く女性3,400人超のアンケート調査「働く女性 健康スコア」結果発表
第2部:登壇者とスペシャルゲストによるトークセッション

【登壇者】敬称略
井上友美(三菱地所株式会社 エリアマネジメント企画部 まるのうち保健室プロデューサー)
吉村泰典(慶應義塾大学 医学部 名誉教授、元日本産科婦人科学会 理事長)
吉田穂波(神奈川県立保健福祉大学 ヘルスイノベーション研究科教授)
浜中聡子(クレアージュ東京 レディースドッククリニック 総院長)

【トークセッション特別ゲスト】
庄司智春・藤本美貴ご夫妻

【共催】
三菱地所株式会社
株式会社ファムメディコ

>>イベントの詳細はこちら
https://shokumaru.jp/wcm2023_event01/

>>プレスリリースはこちらへ!
https://shokumaru.jp/wp/wp-content/uploads/2023/02/15cb9ec7749494a2aad4d5e19e42ae3f.pdf

写真/大崎あゆみ

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