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働く女性を応援するために必要なことは? 「第9 回ビューティ&ウエルネスサミット」開催レポート

井上友美(以下、井上): Will Conscious Marunouchiは、女性の社会進出や活躍を応援するプロジェクトです。どのような形で女性を応援していったらよいのかを考えるため、まず行ったのは実態調査です。就業環境や100項目近い食の現状などのアンケートや、体組成、BMI値、ヘモグロビン、骨密度、などの計測、カウンセリングを行う「まるのうち保健室」をイベント的に実施し、3,000名を超える方々にご参加いただきました。その調査の結果、《栄養、運動、睡眠》の3大不足が明らかとなりました。

江渕敦さん(以下、江渕):医療の現場でも同じような指摘がありました。赤坂ファミリークリニック院長の伊藤明子さんも、多くの女性は痩せすぎの傾向にあると。女性の患者さんを診察していると、栄養が足りていない、体を動かさない、家事によって睡眠時間が削られているなどの問題が見て取れるそう。また、アメリカも日本と同じ状況だと話していました。女性たちは、まるのうち保健室へどんなきっかけで足を運ぶのでしょうか?

井上:実は、多くの女性が「病院が怖い」「どんな状況で行っていいのかわからない」と思っているようなのです。そこでカフェのような低い敷居にこだわったところ、「気軽に参加できる」ということで、健康や病気に対して不安を抱えているも、病院まで行く必要がないと考えている、または病院へは行きづらいと思う方々にお越しいただきました。口コミが効き、丸の内エリア以外の遠方に住む女性にもご参加いただきました。また、そのまるのうち保健室での調査結果を活かしたメニュー開発など、丸の内エリアの飲食店のみなさんの協力の元に実施した、食と健康と絡めた施策も好評いただきました。そこで、実効性の高い情報提供によるエデュケーションと、社会環境を整備するプロモーションの2つが、大切だと気が付きました。加えて、足を運んでいただかなくても、彼女たちの伴走者として寄り添っていきたい、そんな想いから「Conscious Woman Diary」を作ったのです。

江渕:お薬手帳のような形状で、中には様々なコメントやアドバイスがあり、日々の記録ができます。アプリなどのITによるサポートが多様にある現代に、あえて手帳にした理由はあるのでしょうか。

井上:現代の女性に不足しがちな三大要素、《栄養、運動、睡眠》を改善する新習慣メソッドの解説と、毎日の進捗を記録できるDiaryで、確かにアプリに代替できるかもしれません。しかし、1日5分でも、自分と向き合う時間を作ってほしいですね。ちょっと立ち止まって、今の自分と将来なりたい自分について考えてみる。それにはあえてアナログが良いかも知れないと。仕事が忙しいと、自分のことが後回しになってしまいますし、なんのために記録をつけているのか、そのマインドセットが重要であると考えています。

江渕:日本人は仕事のキャリアアップは考えるのに、健康のキャリアについては考えていないと言う人もいます。

井上:そうなんです。このDiaryは20〜30代女性たちとまるのうち保健室を通じて彼女たちに知ってほしいこと、やってほしいこと、考えてほしいことを、ぎゅっと詰め込んだもの。今後どうなりたいか、どんなことに幸せを感じるかなども書き込み、振り返ることができる、コーチングのような機能も持っています。

江渕:行動経済学で、科学分析に基づいて人間の行動を変える、ナッジというものがあります。選択肢を提示することで、意図的に正しい行動を促すことですが、まさにそれですね。最後に伺いたいのが「50年後も美しく健康でいるにはどうしたらいいか」という質問です。さきほどの伊藤先生は、ライフステージに合わせた健康教育が重要だとおっしゃっていました。

井上:それは私たちも実感していることです。本来、義務教育で学んでも良いくらい重要な、女性の体についての情報が欠如していると思うんです。例えば、それを自分が働いている企業が行ってくれたら良いですよね。女性の活躍を推進する企業から、従業員に対して情報を発信し、必要な対策を導入し、制度として整えていく。まるのうち保健室やDiaryが、そのお役に立てれば。今後も、企業へのアプローチを続けながら、女性の健康に対するリテラシーを高めていく活動したいと考えています。

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