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トークセッション「ビジネス街・丸の内から考える食の可能性」レポート

三菱地所では、クリエイティブな刺激の一つに食が大切だと考えています。そもそもこの3人が集まったのは、社員食堂「SPARKLE」で薬師神シェフが働く人たちのお悩みや美味しい旬を詰め込んだレシピをプロデュースしたことがきっかけ。ただ食べるだけではなく、美味しい食事をいただきながら、リラックスした雰囲気の中、アイデアを交換することでイノーベーションが生まれる…。

およそ1時間のトークショーは色々と盛り上がりましたが、印象的だったのは薬師神シェフのこんな問いかけ。

「“美味しい”ってなんでしょう? ちょっとみなさんで考えてみてください。味や香り、食べる空間、または誰と食べるか…。そういったものが、上手に掛け合わさって、バランスがとれてこそ美味しいと感じるのではないでしょうか? さらに、美味しく感じる要素として、次の4つのバイアスのどこれかに、みなさん偏っていたりするのではないでしょうか?  1つは情報バイアス。流行っている、評価されている、予約が取れないといった情報を味わっている人も多いと思います。もうひとつは健康、美容バイアス。ヘルシーだから、自分にこの栄養素を与えたいからと言って食べる。また忙しいから、すぐ食べられるからという利便性バイアス。そして『今週一週間頑張った!』と美味しいものをいただくストレス発散バイアス。料理人として働くにあたって、いまお客さんは食になにを求めているのか、なにを経験してほしいのか、向き合って考えていかなければいけない時代だと思っています」

これを読んでいるみなさんも、この4つのバイアスに思い当たる節があるのではないでしょうか? 「食べる」ことが多義化し、それぞれ個人によって、その時々によって意味合いも違ってくれば、求めるものもそのニーズを捉えて変わっていかなければなりません。その流れを社食が担う役割の移り変わりになぞらえて荒井さんが語ってくれました。

「いま社食3.0と言われています。最初は、はやく、やすく空腹を満たす場であればよかった。それが、健康的に食べて社員を食事面からサポートする場になり、今はイノベーション創出の場としての役割が求められています。スパークルで実現したかったのは、社内も社外も様々な人が集まり、活発なコミュニケーションが生まれ、その中から新しいアイデアが生まれる場。例えば、生産者や事業者とのコラボレーションフェアやイベントも開催して、様々なきっかけを生み出すような仕組みも作っています」

店長として現場を見ている奥村さんは「今回の薬師神シェフとのコラボメニューは、いつもより女性のお客様が多かったように見受けられます。普段、社食にいらっしゃらない人たちに来てもらえて本当に嬉しい。社食のメニューを通じて、日本の食材の豊かさ、美味しさを多くの人に“楽しく”伝えたいと思っていて、それが実現したひとつの事例になったと思います」

社食での食事を通じて、ひと皿の背景にある料理人や食材、生産者のストーリーを感じることができる。それだけで食事の時間が豊かになりそう。さらに、「仕事のパフォーマンスが上がるランチとは?」を薬師神シェフに聞いてみると…。

「自分の食ルールを持つことが大事なのではないでしょうか。例えば、“夜は外食が多いから、ランチはヘルシーなものを”とか、“朝はいつも納豆ご飯だけだから、昼はがっつりめ”とか、気分でなく意図的に今の自分に必要な食を選ぶ。それが習慣になるといいですね」

きっと、自分の健康状況や心理的な状況をアプリで管理し、いま食べるべきものを自動で提案してくれるような世の中が近いうちくるのではと予想する薬師神さん。時間に追われながら食べたり、はたまた空いてるお店に行ってしまう…。普段、なんとなくで済ませてしまいがちですが、ランチの時間こそ、大事にすべきなのかもしれません。自分の健康やモチベーションをマネジメントするためにも、誰かとコミュニケーションをとるためにも。そして食を通じて繋がる人や場所やコトが大切になってくると感じる時間となりました。

 

Profile
薬師神陸
1988年、愛媛県西予市出身。辻調理師専門学校を卒業後、同学にフランス調理講師として勤務。教育指導だけでなく、テレビなどの料理監修などにも携わる。2014年から「SUGALABO」の立ち上げに加わり、2019年独立。フリーランスの料理人、カリナリープロデューサーとして活動と、2020年秋に食のインキュベーション施設を開設予定。

荒井茂太
株式会社ノンピ執行役員。サッカー選手からバリスタの道へと進み、グーグル ジャパンのフードマネージャに。2016年からノンピに参画。社食の運営やケータリングで様々な場で食べることの楽しさを届ける。

奥村紘一郎
三菱地所の社員食堂「SPARKLE」に2019年に就任。日々の運営で社員に快適な食空間を提供するだけでなく、コラボレーションなど様々な企画を提案。食の発信の場として運営を担う。

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