「いつまでも若く、健康でいたい!」女性なら誰もが思っているそんな想い。美と健康のために、様々なアンチエイジングに取り組んでいる女性も多いでしょう。でも、そんな女性でも意外に知らないのが、女性ホルモンの正しい知識。女性の身体は99%が女性ホルモンに支配されているといわれるほど、重要な要素です。また、その女性ホルモンに大きく影響を受けているのが、今回のテーマにもなっている「骨」。
50歳頃になり、閉経を迎えると、女性ホルモンが一気に減少しますが、主な女性ホルモンとして知られているエストロゲンは、骨の新陳代謝に際し、骨吸収(※骨が溶ける速さのこと)をゆるやかにして骨からカルシウムが溶け出すのを抑制する働きを持っています。閉経後、エストロゲンが減ってしまうと、骨吸収のスピードが速まるため、形成が追いつかずに骨がもろくなってしまうという仕組みです。
骨密度低下で発症する骨がスカスカになる病気、「骨粗しょう症」は日本人の約4割がかかる病気と言われています。主に女性がかかりやすい病気です。男性でも発症する人がいますが、ホルモンバランスの崩れで骨吸収のスピードが速まりやすい女性はよりかかりやすく、「骨粗しょう症は女性の病気」とも呼ばれています。
ただ、50代以降、低下し始める骨量ですが、実際のところ骨量自体は20歳過ぎ頃に最大骨量(ピークボーンマス)に達してます。20代から閉経までは骨量は維持されますが、閉経以降に一気に減少します。骨量減少症、骨粗鬆症はこの時期から急増し、骨折閾値よりも骨量が下がると骨折する割合が上昇します。骨粗鬆症や筋肉量が落ちるサルコペニア(筋肉減少症)などにより転倒の危険性と転倒による骨折が増加することになります。
一方で、日本人女性は戦前に比べ、平均寿命が87歳と大幅に伸びています。長生きすればするほど、閉経後の人生が長くなり、こうした女性ホルモンの低下により迎える生理的な身体の変化を長い期間、受け入れなければならなくなっているのが現実です。要介護防止のためには若い時の骨作り、骨量の維持のための栄養・運動と閉経以降の骨粗鬆症による骨折防止対策が重要な課題です。
骨粗しょう症には女性ホルモンの低下以外にも、遺伝的要因や栄養不良、身体を動かさずに過ごすと言った生活習慣も、大きく関係している事が分かっています。家系をトレースし、祖母や母親が骨粗しょう症を発症したことがないかなども調べて、早めに知り、きちんと備えることが大切です。
では、どのような状態になることが骨粗しょう症というのでしょうか?宮原先生によると、「背中が曲がっている高齢女性・・・これは単に背中が曲がっているのではなく骨粗鬆症により背骨の圧迫骨折を起こしている状態です」とのこと。厳密にいうと、骨粗しょう症は、鬆(す)が入ったように骨の中がスカスカの状態になり、骨がもろくなってしまうこと。その結果、わずかな衝撃でも骨折をしやすくなるそうです。
骨の強さをはかる「骨強度」は、「骨強度=骨密度7:骨質3」で考えられており、骨密度と、骨の質の両方を意識し、骨形成を意識していく必要があります。骨は一度できあがってしまうと、その後変わらないもののように思われがちですが、実は古くなり劣化した骨は、メンテナンスされて新しい骨へと生まれ変わっています。これが骨の新陳代謝です。骨の新陳代謝には、古くなった骨を溶かす破骨細胞の動きと、新しい骨をつくる骨芽細胞の働きによって営まれており、前者が骨吸収、後者が骨形成をさします。骨吸収が数週間続いたあと、数ヶ月にわたって骨形成が行われ、溶けた部分に新しい骨が埋められていきます。
健康な骨作りに必要なことはずばり、「適切なBMIと運動量の維持」です。骨というと「カルシウム」を想起する方が多いと思いますが、実はそうしたカルシウムに加えて、魚介類などからとれるビタミンDが骨代謝を盛んにし、キノコ類から摂取できるビタミンKが骨の形成を促してくれます。そして、たんぱく質は筋肉生成をサポートしてくれます。そうしたカルシウムやビタミンD、ビタミンK、たんぱく質をバランス良く摂取できるのが、細川モモさんも推進している和食の献立。一時、白米をはじめとした炭水化物を抜く「炭水化物ダイエット」が流行しましたが、大切なのはバランスです。極端なダイエットで失われるのは筋肉ばかりで、贅肉を落とすことはできず、身体に負担をかけてしまいます。糖尿病を患っていない限り、炭水化物は抜かず、栄養素をバランス良くまんべんなく吸収し、適度な運動を心がけましょう。
宮原先生によると、「まるのうち保健室」の参加者は骨密度の状態が低い人が少ないということです。これは、参加者に関東圏在住者が多いため、移動に車を用いる事が少なく、通勤の電車内でのつり革を持つことで腕の筋肉を鍛えたり、駅の階段の上り下りで太ももの筋肉を鍛えることができているから。特に丈夫な骨作りに有効なのが下半身の筋肉バランスをとることです。太ももの内側の筋肉を保つため、空気なわとび(なわとび紐などは持たず、ぴょんぴょんと一定時間飛び跳ねる運動)をするだけでも、効果が出ます。その他、歯磨きをしながら足をあげたり、スクワットやストレッチなども良いそう。ジムに通いハードな運動に取り組まなくても、毎日、日常的に少しずつ身体を動かし、筋肉生成をサポートするバランスの良い食事を意識するだけで、現状の骨量を維持し、育てることができるんですね。
骨形成を意識する一方で、骨吸収を育てる女性ホルモンについても良く知る必要があります。女性ホルモンには、女性らしさと健康を司るエストロゲンと、妊娠にかかわるプロゲステロンがあり、前述の通り前者のエストロゲンが、骨の新陳代謝に際し、骨吸収をゆるやかにして骨からカルシウムが溶け出すのを抑制する働きがあります。
現代女性は、職場環境をはじめとした女性を取り巻く環境によって、ストレスや偏った食事、睡眠不足などに悩まされ、ホルモンバランスの乱れを引き起こし、これが肌荒れ、冷え性、肩こり、頭痛、便秘などがの原因となっています。一方で生涯の月経回数の多さも大きな原因となり、現代女性はホルモンバランスが乱れがちと言われています。
戦前に比べ、現代女性は晩婚型で、出産時期も遅く、妊娠・授乳中の期間が短い傾向にあります。妊娠・授乳期間は月経が止まるので、戦前の女性は月経回数が少なかったのですが、その分月経回数が多く、卵巣と子宮を疲弊させてしまっています。また、妊娠・授乳期間中は骨密度も減少しますが、その後断乳を行う事でリカバリー能力を発揮し、より良い形に戻す事ができます。「妊娠はできるだけした方が良く、また、出産後、最近はかわいがりすぎるあまり、断乳が遅くなる女性が多いですが、思い切って断乳し、リカバリーさせましょう」と宮原先生。
月経は、妊娠のためのメカニズムです。女性は、一ヶ月の間だけでも、月経期を中心に心身ともに快調な時期もあれば、どうしても自律神経が乱れ、肌も荒れやすくなる時期もありますね。この流れに振り回されるのではなく、時期をしっかりと認識し、疲れやすい不調期には無理をせずゆっくりと時間を過ごし、美ホルモンが分泌される時期にはアクティブな予定を入れて思い切り楽しむなど、行動するようにしてみましょう。
未来のことを考えながら、今の自分の身体を大切にする。そのためにも、かかりつけの婦人科医を見つける、または、年に一度でも婦人科検診を行うように婦人科通院を習慣化させるのはいかがでしょうか。日本人女性は、あまり自身のかかりつけの婦人科医を持たない傾向にありますが、欧米では当たり前のこと。安心して相談できる医師を持ち、輝くこともできますが、傷つきやすい女性の身体を大切に育ててあげましょう。
細川さんからも、「女性の健康は生涯変わりやすいもの。今日宮原先生にお話し頂いた骨のお話もさることながら、ホルモンバランスと身体の仕組みは密接にひもづいています。運動、食事、それから日光浴。この3点に気をつけながら、女性のステージ別の悩みを克服していきましょう。女性の健康力を守る事で、日本を強くしていきたいですね」とメッセージをいただきました。
次回は12/26(金)「働く女性のための基礎料理学」に関する特別セミナーを開催します!お楽しみに。
☆おまけ
10月末より「おだしでキレイ習慣キャンペーン」を展開している株式会社にんべんからも、ミニセミナーがありました。
まるのうち保健室参加者限定で募集している「だしアンバサダー」は好評につき多数の方が応募されていますが、まだまだ引き続き募集しているとのこと!2015年からは丸の内シェフズクラブとのコラボイベントなどもあり、「だしアンバサダー」になると優先的にイベントに参加することができるそうです。おだしを食卓に取り入れ、女性ホルモンや骨形成にも効果的な食習慣を実践したい方は、ぜひふるってご参加ください。
女性のライフステージに添って変化をするものといえば「骨」です。成長期、妊娠期、出産後、授乳中、更年期、老後と、骨はその時その時大きな影響を受け、驚くほど変化をしています。
とくに老後寝たきりになりやすい女性にとって若いときから骨への意識をもつことは重要なことです。骨は一見頑丈で、一度つくられると変化しないものと思われがちが、骨の細胞は実に活発で、肌の細胞や爪、髪と同じように日々入れ替わっています。骨にも肌と同じようにターンオーバーがあることを覚えておきましょう。
なぜ骨が女性のライフステージの変化に添って変わり続けるのかというと、その秘密は「女性ホルモン」にあります。一見関係ないように思える骨と女性ホルモンには深い関係があります。例えば、女性より女性が骨粗鬆症になりやすいのは「閉経」が関係しています。女性は閉経に伴い、女性ホルモンであるエストロゲンが大幅に減少します。このエストロゲンには骨のターンオーバーに必要な破骨細胞を抑制する働きがあるため、閉経後にエストロゲンの量が減少すると骨代謝のバランスが崩れてしまいます。破骨細胞によって古くなった骨はどんどん壊されるけれど、新しい骨がなかなか形成されず、骨量が減少してしまうのです。
閉経は避けることはできません。しかし、今のうちから骨を強くし、閉経後の骨量減少を緩やかにすることは可能です。また、妊娠・出産において胎児を育むために母体でカルシウムが多量に消費されます。通常であれば産後、女性の骨は一気に回復に向かいますが、きちんと骨を回復させるためにも、今一度、ダイエット法をあらためて健康的な生活習慣を意識してみましょう。
下記の図をみても一目瞭然ですが、女性ホルモンと骨密度は生涯密接な関係にありますので、ダイエットで月経が止まってしまうと(体脂肪17%を下回ると)、更年期障害と同じ症状を発症し、骨密度も低下してしまうことを覚えておきましょう。
では、どのようにして骨を健康に保てば良いのでしょうか?骨を丈夫にするためには欠かせない栄養素があります。
骨の強さに関わる骨蜜度は、カルシウムやリン等のミネラルからなる骨塩の量で決まるため、骨の強度を維持するためにはカルシウムが必要不可欠です。吸収を阻害し、排出を促す過度なリン(食品添加物)やシュウ酸(生のほうれん草などに含まれます)を控え、カルシウムだけでなく「兄弟ミネラル」と呼ばれるマグネシウムとの比率が大切ですので、乳製品に偏らず海藻や雑穀、小魚などの魚介類からしっかり摂取することをおススメします。
ビタミンDは、別名「日光のビタミン」と呼ばれ、食事以上に皮膚の上で日光を浴びることによって作られるビタミンです。小腸からのカルシウム吸収を促すはたらきがあります。近年の研究より、ビタミンD不足により、下肢の筋肉が衰え、転倒しやすくなることも研究により明らかになってきており、骨折のリスクを減らす意味でも必要な栄養素です。多くの日本人が不足していることが様々な研究から報告されていますが、なかでもUVカットをしすぎる女性は不足に注意が必要です。
実は、骨に含まれるカルシウムは65%ほど。次いで、コラーゲン23%、水分10%、その他2%と続きます。この中でカルシウムと同様に重要な役割を果たす成分がコラーゲンです。コラーゲンは、体内でビタミンCとたんぱく質から作られるため、たんぱく質を十分に摂取することが重要です。たんぱく質は、体重1㎏当たり1.14g/日以上必要とされており、体重60㎏であれば約70g/日必要です。献立でいう「主菜」にあたるため、肉•魚•卵•大豆がない献立では骨が強くなりようがありません。
一般的に骨を守るためには1日800~1000㎎のカルシウムが必要だと言われています。しかし、日本人の1日のカルシウム摂取量は平均500~600㎎であり、明らかに不足状態にあります。女性は、妊娠・授乳中ではさらに多くのカルシウムが必要とも言われており、これでは到底足りません。欧米型の食事への変化や誤ったダイエット法によりカルシウムを含む食材を食べる機会が減ってきたことが原因として考えられます。また、日本人の70%~80%がカルシウムの吸収に欠かせないビタミンDを不足させている可能性が指摘されており、産後や老後の日本女性の骨の健康が危ぶまれています。
カルシウムやビタミンD、たんぱく質を毎日食事に取り入れるようにしましょう。骨の形成には様々な栄養素が関わっており、バランスの良い食事を心がけることが大切です。
・過度の飲酒
お酒の飲みすぎは、腸の粘膜を傷つけカルシウムの吸収を低下させます。腸管でのカルシウムの吸収を妨げることも分かっています。お酒は適度に楽しみましょう。
・塩分の摂りすぎ
塩分の多い食事をしていると、ナトリウムの働きによりカルシウムが体外に尿として排出されてしまいます。
・喫煙
喫煙者、禁煙者、非喫煙者を比較すると、喫煙の経験が長いほど骨密度が低いということがデータで示されています。これは喫煙が胃腸の働きを悪くし、カルシウムの吸収が阻害されることが原因です。
骨に刺激が加わることで、より強い骨になります。特に運動の中でも一番効果的とされているのはウォーキングです。ただウォーキングをするのではなくしっかりコツを掴んで効果的に骨量をたかめていきましょう。
ビタミンDは、皮膚で作られます。そして皮膚がビタミンDを作るためには、紫外線が必要です。晴れた日に顔と肘から先の腕を15分直射日光に当てるだけで、ビタミンDが合成されます。朝日をベランダで浴びる、歩いて通勤という方はできるだけ日向を歩く、過度の日焼け対策はやめるなど、出来ることからぜひ取り入れてみてください。メラニン色素が少ない手のひらを太陽にかざすと効果的です。
これまでに述べたように、女性の骨粗鬆症の原因には女性ホルモンの欠乏が大きく関わっています。ホルモンバランスを保つためにも、体脂肪率やBMIを適正に保つ必要があるとされています。誤ったダイエット法により骨に必要な栄養素が不足し、骨の強さ・しなやかさ・美しさは失われてしまいます。自身の適正体脂肪率とBMIを知ることから始めましょう。
国民調査によると、日本人女性には、表面的な美しさは保っていても、実は内臓脂肪が標準値を超えている「かくれ肥満」タイプや骨密度が低下している「寝たきり予備軍」タイプが多いと発表されており、その数値は特に、働く都会の女性に多いと言われています。
見た目はほっそり、スタイリッシュな洋服に身を包んだ働く女性の皆さん。食事には十分に気をつけて、野菜を多めに摂っているのに。食べ過ぎは良くないから、食事は少しずつしか摂っていないのに。そう思っていても、身体の内側では悲鳴をあげていることも少なくありません。「大切なのは、今の自分の身体の正しい評価数値を知って、必要に応じたエネルギーを摂取することです」と細川さん。
仕事を持ちながら家庭も維持し、普段の生活とのバランスを考えると、毎日カロリーと栄養素を計算して、コントロールされた食事習慣を送ることは、どうしても難しく考えてしまいがち。今回はそれを和食の基本である「おだし」を通じて、無理なくチャレンジしてみましょう!ということで、細川さんから働く女性の「おだしでキレイ習慣」のため、特別に「おだしでキレイメソッド」5ヶ条を提案していただきました。
「我が家の食卓も、8割和食、1割洋食、1割中華です。和食の献立は難しく考えがちですが、作ってみると意外と簡単。難しく感じる味付けも基本となる調味料は同じで、出汁を基本の味と考えればシンプルです。」と細川モモさん。鰹に昆布、小魚や椎茸など、様々な「おだし」でひきだされる和食の特徴のひとつである「旨味」。特に鰹節で作られる「かつおだし」は他の素材に比べて香りも良く、あたりに漂うだけでほっとしますよね。でも、毎朝のように鰹節でおだしをひくのは大変。
「最近はにんべんさんのだしパックを始め、様々なメーカーからティーパックのようにお湯に浸すだけできちんとしたおだしがひける商品がでています。1週間に1度、まとめておだしを取って、タッパーで冷蔵保存をすれば、お味噌汁におすまし、煮物やお浸しなど、様々なお料理に展開できて、毎日の献立作りも簡単になります」と細川さん。おだしをベースに、煮魚や青物のお浸し、大豆食品を使った汁物などを作ることで、毎日の必要栄養素「ビタミン、ミネラル、必須脂肪酸、必須アミノ酸」をまんべんなく摂る習慣ができるようになります。
「朝ご飯をついつい抜いてしまいがち、という方も少なからずいらっしゃることと思います。ただ、朝ご飯を毎日食べる方、全く食べない方、時々食べる方では、時々食べる方が最も肥満傾向にあるという研究も発表されている通り、朝ご飯を毎日食べるというのはとっても大切です。眠りから身体が覚めるには、実は日光を浴びるだけでは足りず、内臓は食事を摂って初めて目覚めると言われています。朝食を摂り、日の光を浴びて、体内のタイマーが正常に動くように、心がけましょう」と細川さん。
忙しくて朝ご飯の習慣がなかなかという方は、前の晩のごはんを一杯のおだしでおじや仕立てにしたり、スープとして添えるなど、ちょっとした工夫で朝の食卓を作ることができますね。毎日忙しく働いていると、体内の動きにまで気を配るのが難しくなりますが、内臓機能にも正しい目覚めと眠りが働くよう、気をつけていきたいですね。
「働く皆さんにとって、仕事の都合などで夕食の時間が遅くなり、何を食べたら良いか悩む方もいらっしゃるはず。そんな時にもおだしは強い味方。かつおだしにはイライラや落ち込みなどの精神疲労を癒し、明日の活力を与える効果があると言われています。今日の疲れは今日のうちに解消しましょう。」と細川さん。
もちろん、消化の時間も見越して早めの時間に夕食をとるのが良いですが、忙しくて遅くなってしまった!という時には、おだし一杯+αで、これまでインスタント食品で摂っていた夜食とトレードオフしてみるのはいかがでしょうか。例えば、おだしに豆乳と海草類を入れ、和風スープにすれば、豆乳の誘眠効果も手伝って翌朝のすっきりとした目覚めが期待できます。
「鰹節の香りをかぐと、ああ〜いい香り、ほっとするな、という気持ちになる方が多いと思います。人間には報酬効果(※1)といって、摂取すると脳が快楽を感じる味があり、私たち日本人にとって、その一つにおだしなどの「Umami(旨味)」があります。おだしをとって、ほっと一息つけるのはこのおかげです。対して、欧米諸国の方の報酬効果は、油脂や糖質であるケースが多く、ヘルシーな食習慣で身体も喜ぶ日本人の方がスリムな傾向にあるといえます。乳幼児は、3歳までの食習慣が味覚を決める、と言われており、京都大学の研究により、離乳食の時期に鰹出汁に馴染んだマウスは、大人になってからも鰹出汁を好む傾向が高く、離乳食を過ぎてから経験した味に関しては離乳食ほどの顕著な影響はないと発表されています。今日の参加者の中にも、子育て中だったり、妊活中の方が多くいらっしゃると思いますが、お子さんの味覚をおだしで育て、将来的に太りにくい健やかな身体づくりを、お子さんに約束してあげられるように、まずはご自身の身体が出汁に慣れ親しめると良いですね。」と細川さん。
「最後のメソッドは⑤おだしでお肌の潤いチャージ。これは前出の通り、困りがちな朝食や夜食のシーンをおだしで切り替えたり、香りでほっと一息つくことで、リラックス効果を得て、ストレスによる肌荒れを予防しましょう、というお話です。鰹出汁には微量ながらお肌の潤いに欠かせない必須脂肪酸が含まれていて、実際に乾燥肌の改善効果があることから、バランスの良い食習慣をおだしをベースに整えていくことで、身体の内側から、長く続けられる美人習慣を築いていくことができます。」とのこと。
これまでは何気なく摂っていたかつおだしも、摂るシーンに気をつけ、一工夫を加えることで、身体が内側から喜ぶ効果・効能があることがわかりました。
ぜひ、試してみてくださいね。
※1 報酬効果とは:嗜癖や依存性への傾向が高まっていく要因となる快適な効果のこと。
細川さんによる「おだしでキレイメソッド」で、おだしを通じた食事の基本習慣を学んだあとは、株式会社にんべん石澤さんによる、おだしワークショップ。にんべんの人気商品のだしパック「本枯鰹節 飲むおだし昆布入り」でコップ一杯の温かいおだしを参加者の皆さんに配布し、抽出を待っていただく間、鰹節と昆布はじめからひくおだしの取り方について、改めて教えてもらいました。
1時間前からお水に浸していた昆布が入ったお鍋を、弱火でことこと煮立て、沸とうしたら昆布を取り除き、鰹節をいれるだけ。いれたら30秒〜1分待ち、キッチンペーパーなどで濾します。にんべんさんがおすすめしているのは、「1リットルの水に対し、昆布は10g、鰹節は30g。1:3が黄金比率と私たちは言っています」とのこと。キラキラと輝くおだしは「シャンパンゴールド」と呼ばれ、ワイングラスに注いだら一杯のシャンパンのような輝きをもった華やかさ。香りも同様に華やかであることはいうまでもなく、石澤さんがひいた合わせだしが入ったボウルを会場内のみなさんにまわしていただくと、たちまち感動のため息があちこちから聴こえてきました。
合わせだしにすることで、より一層おだしにコクが出て、様々な料理に転換できるとのこと。おだしの旨味だけでしっかりと味が決まるから、塩や醤油の使用量も控えることができ、減塩対策にも良いそうです。
昆布を浸している時間を覗けば、ものの数分でひいてしまえる本格「合わせだし」。もっとおいしく和食を楽しみたい、という方は、1週間に1度、時間のあるときにたっぷりとひいて、製氷皿に小分けにして冷凍し、使う度に少しずつ取り出すという裏技もおすすめです。
「今回はあえて、ついついかまえてしまいがちな鰹節でのだしのひき方の基本をご紹介させていただきました。思っていたより簡単に短い時間でとれたな、という印象を持たれた方も多かったのではないでしょうか。昆布と合わせれば、展開出来る料理の幅も広がっておすすめです」と石澤さん。「ただ、昆布と鰹節を揃える手間も難しいという方もいらっしゃることと思います。今日お配りした”本枯鰹節 飲むおだし昆布入り”は、ティーパックのようにお湯に浸すだけで、本格的なおだしが楽しめます。弊社では、こちらを会議中のコーヒー代わりに出したり、デスクで楽しんだりしています。皆さんもよかったら、今日お持ち帰りのお土産に入っている「飲むおだし」をオフィスや、ご自宅など、様々なシーンで使ってみてもらえると嬉しいです」とのことでした。
ちょうどこの日から、Will Conscious Marunouchi プロジェクトに賛同し、創業315周年を迎える(株)にんべんの「おだしでキレイ習慣」キャンペーン。本キャンペーンは、様々なライフイベント(結婚・出産・育児)を迎える働く女性たちに改めてかつお節だしの味わい、その魅力や効果を知ってもらうことを目的としています。日本人として生まれたからこそ、和食の基本「出汁」を大切に、未来の子どもたちへもこの日本の味を繋いでいってほしい・・・そう考えています。
第一弾は10月24日「まるのうち保健室」に参加された方の中から先着で、限定100名の「だしアンバサダー」を募集開始しました。参加者の方々には、だしパック「本枯鰹節 飲むおだし昆布入り」をお試しいただき、おだしを生活に取り入れることによってどのように食習慣が変化したか、モニタリングにご協力いただけます。
にんべんの石澤さんがご提案されたように、料理でなくても、コーヒーや紅茶代わりに、オフィスでの会議シーンや自宅でのお茶タイムに「飲むおだし」を活用するなど、色々と試してみてくださいね。
その他にも、にんべん本社で主催する「おだし教室」に参加していただいたり、年明けからは、プロの料理人による「キレイを作るおだし学」ワークショップなど、たくさんの特典があります。今のご自身のライフスタイルの中に手軽に出汁を取り入れて、健やかな身体づくりの成功体験をシェアしていただきたい!そういう想いで始まったこのキャンペーン。100名に達するまで、11月、12月の「まるのうち保健室」参加者からも募集を続行します。是非「まるのうち保健室」参加時に会場内で開催しているにんべん「おだしサンプリング」ブースでお訪ねください。
詳しくは、⇒にんべん「おだしでキレイ習慣」キャンペーンページをご覧下さい。
次回の「まるのうち保健室特別セミナー」は11月28日(金)20:30〜開催。”女性ホルモンと骨密度の関係”がテーマです!お楽しみに。
「まるのうち保健室」でまず始めに測定して頂くのは、「体組成計」です。裸足になって、専用の機械に乗ると、体脂肪率は勿論のこと、身体の部位ごとについている筋肉と脂肪の重さ、そしてその全体バランスが一覧になった「Body Composition Analyzer」というシートが出て来ます。
ご自身の身体の全体の重さのうち、脂肪量、筋肉量、水分量、たんぱく質など、必要な要素がそれぞれ何%占めているのか。また、普段の生活習慣の中で、荷物を持つ側や、歩き方の癖などによって生じる、筋肉量の左右の偏りなども一目瞭然のグラフが、たった数分で出てきます。
一般家庭にある体重計でも、最近ではBMI数値まで表示するものがでてきていますが、漠然と数値だけ眺めていても、それが良いのか悪いのか、判断はつきにくいもの。「まるのうち保健室」では、スタッフがBody Composition Analyzerシートを見ながら、体組成計による総合評価から導きだされる個々人の「基礎代謝量」や「内臓脂肪レベル」を説明し、身体が持っているポテンシャルについて分かりやすく伝えてくれます。
脂肪量が多めの「かくれ肥満型」「肥満型」や筋肉量が多めの「アスリート型」「オーバーアクティブ型」、痩せ過ぎ傾向にある「省エネ型」「寝たきり予備軍型」に加え、全てのバランスがとれた「ベストスコア」の7つのタイプのうち、今のあなたの身体がどのタイプに位置しているのか伝えた上で、タイプ別に必要と考えられる食事カウンセリングも行ってくれるのです。
また、「ヘモグロビン値」や「骨密度」もチェック。「ヘモグロビン測定」では指一本かざすだけで、「骨密度測定」では片方の足を機械に乗せるだけでOK。「ヘモグロビン測定」はすなわち、「鉄分量」を調べる測定ですが、実は日本人の多くの女性が鉄分量不足と言われ、気づかぬうちに貧血を起こしているケースが多いそうです。慢性疲労や頭痛、メンタル面の不調など、何となくいつもどこか悪い「プチ不調」を抱えている働く女性は多いはず。こうした貧血状態が続くと不妊や低出生体重児の出産にも繋がる事から、まるのうち保健室では貧血の可能性をしっかりと、早期に促そうとしています。
「骨密度」も「痩せたい」願望の多い日本人女性は見過ごしてしまいがちなポイント。食習慣の変化から、骨密度が低下し、将来的に寝たきりとなり、長く美しい姿を維持する事が難しくなると危惧されています。
見た目の美しさに目をとらわれがちでいると、気づかぬうちに身体の内側では悲鳴をあげている!なんてこともしばしば。今はほっそりときれいな姿をしていても、内側は脂肪だらけで筋肉量が少なすぎたり、骨密度が低下していて将来的に寝たきりになる不安があるようでは、本質的な「美人習慣」をおくれているとはいえません。まずは身体のバランスを正しく評価する数値を見て、身体の内側の声に耳を傾ける時間を持ってみて下さいね。
次回の「まるのうち保健室」は11/28(金)です!お楽しみに。
文・写真・㈱OISEAU
勤務地:港区
満足度:☆☆☆☆☆
Q2: 参加されてみていかがでしたか?
想像していた以上にしっかりアドバイスをしていただいて、事前のアンケートもきちんと参考にしていただいている事に感動しました。個人個人のカルテを作ってくれていて、これで500円というのは本当に安いと思います。個人的には、たんぱく質を気にして多めに摂っていたつもりでしたが、少ないという数値が出ていました。食べ過ぎかなと気にして、あまり食べない方なんですが、もう少し太った方が良いという診断で、自己判断で考えていることと、プロの方にきちんとみてもらうこのと違いを実感しました。
勤務地:川崎市
満足度:☆☆☆☆☆
Q2: 参加されてみていかがでしたか?
ラブテリチームの管理栄養士によるカウンセリングが最も良かったです。脂ぽいものや、カフェイン、アルコールを控えているのですが、それ以外にも気をつけるポイントなどをたくさん知る事ができました。タニタの測定器で身体のバランスを測定して頂けるのも嬉しいし、自宅での測定器では分からない身体の深い仕組みを知る事ができました。
勤務地:千代田区
満足度:☆☆☆☆☆
Q2: 参加されてみていかがでしたか?
カウンセリングのアドバイスが本当に勉強になって、ためになりました。 ダイエットを意識して野菜を多く摂っていましたが、たんぱく質が足りず、繊維質だけを摂取してもだめなんだと目から鱗でした。これからできるところから改善していきたいです。
好きな人にとっては、毎日でも飲みたい「お酒」。妊娠中は当然のことながら、健康を考える上で、お酒はどんな風に取り入っていくのが正しいのでしょうか。
まずは社内外で上手なお酒との付き合い方に関するセミナーを行い、”適切な飲酒”をメッセージするキリン株式会社CSV推進室担当の山本恵莉さんによるプレゼンテーション。「1日の適切なアルコールの摂取量は、女性は20gほど。例えば、KIRIN一番搾りを例にとると、女性は250mlほどの摂取にとどめておくことをおすすめします。過度なアルコール摂取は、卵巣の働きを止めてしまったり、乳がんの可能性が高まることが医学的な研究によって、明らかになっています」とのこと。250mlというと、ビール1缶にも満たず、会場からは驚きの声があがっていましたが、男性と女性では飲酒による身体の影響が違い、また、特に日本人は体内にあらかじめ存在するアルコール分解要素が少なく、平均するとその程度の量にとどめていく方が良いのだそう。もちろん個人差はありますが、特に妊娠を意識したからだ作りを始めている方は、少しずつアルコール摂取量を調整する事も大切ですね。
講師:楽天株式会社ウェルネス・ヘルスケア事業部長 高橋さん
楽天キレイドナビ開発プロデューサー 鈴木さん
⇒キレイナビHP
続いて、楽天株式会社から、基礎体温の計測の必要性と、そこから知るホルモンバランスと排卵に関するセミナーを実施。自社で開発・販売されている「キレイドナビ」はスマートフォン用の婦人体温計と連動した基礎体温管理アプリで、なんと「まるのうち保健室」の参加者にはひとりひとり、体温計とアプリも無料で配布されています。
女性ならば誰でも一度は「基礎体温」を意識し、きちんと検温したいと思うものですが、支度に忙しい朝の時間帯に、なかなか継続するのが難しいもの。その点、キレイドナビはたったの40秒で検温することができ、ワイヤレス転送でスマートフォンに転送する事ができるので、データ管理がとっても楽!旅行にも持って行きやすい小さなサイズも、女性にとっては嬉しい心遣いですね。
そんな「キレイドナビ」を通じて検温する「基礎体温」でどんな事が分かるのでしょうか?
基礎体温計では、生理の開始から次の生理までの間を一つの周期として、その間の体温の変化を観察します。一般的に、生理周期は25日〜38日が健康的とされています。その一連の周期の間には、低温期と高温期の2層が存在し、その間体温が0.3℃以上開きが出る事が理想とされているそうです。その低温期と高温期に切り替わる間に、排卵が起きているのです。
排卵が起きると、黄体ホルモンという女性ホルモンが分泌されて、体温が上昇します。基礎体温をつけていて、低温期が続くようであれば、排卵のない無排卵月経の疑いが出てくるそうです。月経が順調に来ていれば、排卵も行われていると思う方が多いそうですが、実は排卵を正しく観察するには、こうした体温の変化を知る事が大切なんですね。
また、排卵だけでなく、基礎体温のグラフを観察していて高温期の体温が安定しなかったり、低温期と高温期の期間の長短のバランスが悪いようであれば、女性ホルモンの分泌量が減少し、心身に症状をもたらし更年期障害が現れる可能性が。最近では、若年制更年期障害を発症する女性が増えていますが、こうした基礎体温の観察により、早めに婦人科で正しい検査を受けて、対処する事が可能になります。
2社のセミナーを受けて、予防医療コンサルタントの細川モモさんは、「私は仕事柄、ニューヨークやロンドン、パリなど世界の様々な都市を訪れていますが、特に東京はキャリアアップすればするほど、子育てを中心とした女性の幸せを仕事と両立させるのがまだまだ難しい都市だと感じます。現に、7組に1組のカップルが、出産を望んでも叶えられない現状にあります。今日、みなさんはまるのうち保健室でご自身の食事習慣を見直し、身体の声を聴く時間を持って頂いたと思いますが、お酒と正しく付き合う事はもちろんのこと、未だ基礎体温をつけていない!という方にはぜひ、明日から早速、キレイドナビで検温を始めてほしいです」とのこと。
こうして大盛況に終わった特別セミナーでは、嬉しいお土産も。発売されたばかりのKIRIN発泡酒「off white(オフホワイト)」をはじめ、明日から早速使える様々なグッズがたくさん。にんべん「おだしブース」も設けられ、「飲むおだし」をお楽しみいただきました。次回の「まるのうち保健室特別セミナー」は”食”がテーマです!お楽しみに。
「まるのうち保健室」に入室すると、まずアンケート項目に記入します。現在の働き方や生活習慣、婦人科の受診頻度などに加え、過去1ヶ月間の食べたものをチェックし、摂取バランスを見ていきます。普段は気をつけているつもりでも、ついついバランスが悪くなっている食生活や、知らないうちに習慣化している部分が明らかになり、参加者の皆さんはじっくりと、「からだの声を聴く」時間に入っていきます。
アンケート記入後は、㈱タニタで開発されたプロ仕様の体組成計で行う現状のBMIと体脂肪率の測定や、一般的な健康診断でなかなか受診する事のできない骨密度チェックやヘモグロビン測定を行い、働く女性が普段から抱える頭痛や慢性的な疲労感、不眠などを解決し、産むための体づくりを行う上で必要な数値を洗い出します。
そして測定したデータをもとに、細川モモさん率いるラブテリ認定管理栄養士による「食」にフォーカスした生活習慣指導が行われます。巷に溢れかえる美容や健康に関する部分的な知識だけではなく、個人個人の体の現状に応じて、バランスのとれた食生活の整え方や、必要とされる運動や睡眠について説明していきます。女性の健康と妊娠、食事、栄養に関して包括的な知識をもったラブテリ認定管理栄養士が、一対一で丁寧なカウンセリングを行い、参加者の声を拾いながら指導していくアドバイスに、参加者からは「大満足!」の声が。「ワンコインでここまでしてくれるなんて驚きました」「本質的かつ、自分自身に適した生活習慣の見直しができて、本当に大満足です」などなど、うれしい声をたくさん聞く事ができました。
また、聖路加国際病院附属クリニック聖路加メディローカスの先生にお越し頂き、婦人科基礎知識に関するミニセミナーも開かれました。「タバコやお酒は妊娠前からやめるべきなの?」「妊娠中のランニングやスポーツは、どれくらいしてもよいの?」などなど、普段から気になっているけれど、何が本当か分からない、といった問題についてのウソ/ホントを先生が一問一答形式で分かりやすく解説。待ち時間の間には、「飲めるおだし」が配布され、温かいお出汁でほっと一息つくなど、普段忙しく過ごしている参加者の女性たちにとって、とっても嬉しい1日となったようです。次回の「まるのうち保健室」は10月24日です。お楽しみに!
文・写真・㈱OISEAU
岡部 さん
勤務地:港区
満足度:☆☆☆☆☆
仲田 さん
勤務地:千代田区
満足度:☆☆☆☆☆
高橋 さん
勤務地:品川区
満足度:☆☆☆☆☆
2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催に向けて、東京都では、丸の内仲通りと行幸通りで東京産の農林水産物やこれを用いた料理、伝統工芸品などの「クールジャパン」文化を世界へ発信・浸透させるとともに、このエリアを国際的な交流空間として最大限活用する「東京味わいフェスタ2014(Taste of Tokyo)」を開催します。
また「丸の内シェフズクラブ」が東京の新鮮でおいしい食材を用いた特別メニューを提供するキッチンカーや、世界各国のビール、東京の地酒が、丸の内仲通りと行幸通りに集結します。
東京の魅力を感じられるこのイベントに、ぜひお集まりください。
開催日時:
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10月10日(金) 11:00~21:00
10月11日(土) 11:00~17:00 10月12日(日) 11:00~17:00 ※このイベントは終了いたしました。 |
会場:
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丸の内仲通り(丸ビル前〜丸の内ブリックスクエア前)、行幸通り
※雨天決行(荒天時は中止の場合があります) |
お問合せ:
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丸の内コールセンター TEL 03-5218-5100(11:00〜21:00)
※日曜・祝日は20:00まで(連休の場合は最終日のみ20:00まで) ⇒丸の内.com http://www.marunouchi.com |
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フレンチの手法で、東京しゃものガラと手羽先、豚足から2日間かけてスープをとった、ミクニ流「ラーメン」(500円)。低温調理で柔らかく仕上げた東京しゃもをトッピングし、きんぴら風の滝野川ごぼうと、白菜のようなしんとり菜のシャキシャキ感がアクセントに。上品なコクと奥行きのあるトロリとしたスープが中細麺に絡み、最後の一滴まで味わい尽くしたくなるまろやかな塩味が特徴。
〈東京食材〉:東京しゃも、滝野川ごぼう、小松菜、しんとり菜
TOKYO-X(豚)の肩ロース、小松菜、国産米を用いた「TOKYO-Xと小松菜のリゾット」(500円)。2日間かけてマリネした肩ロースに焼き目をつけて香ばしさを引き出し、水を加えてラグーをつくり、鶏だしと、7分炊きの米で炊き上げた。小松菜の鮮やかな緑色が損なわれないよう、小松菜は蒸して、最後に加えて完成。パルミジャーノ、黒こしょうが食材の味を引き立たせ、1割ほど火を入れずに残した米の食感が楽しい。
〈東京食材〉TOKYO-X 小松菜
「TOKYO-Xを使ったタイのバジル炒めご飯 東京産の野菜とグリーンパパイヤのソムタムサラダ」(800円)は、粗めの豚ひき肉と島唐辛子のピリッとした風味が特徴的。添えたソムタムには、彩りや食感を考えて東京産の野菜を最後にプラス。「キウイとマナオのフローズンジュース」(500円)は、タイのレモン・マナオのジュースにミントとキウイを加えた、さわやかな酸味とほのかな甘さのあるドリンク。
〈東京食材〉:TOKYO-X、島とうがらし、東京産の野菜数種類、キウイ、ミント
「汁なし担々麺」(500円)にはコシのある東京産の手もみ麺(中太麺)を使用し、茹でる前に麺をもんで、もっちりとした食感に。自家製担々ベースは、黒・白ねりごま、醤油、ごま油をベースに、唐辛子と山椒を加えた麻辣醤。スープでのばさずに用いるので、ソースが中華麺とよく絡み、コクとしびれが、ダイレクトに。茹でた小松菜ともやしのヘルシーで、フライドオニオンの食感も楽しい。仕上げにかける黒酢でさっぱりと。
〈東京食材〉:中華麺、小松菜、長ねぎ、玉ねぎ
「焼きおにぎりの島唐辛子味噌つき」(500円)は、切りごま、大葉などで味をつけてはんごろしにしたおにぎり。東京産の島唐辛子入り味噌をつけ、味の変化を楽しめる。「東京野菜の田楽味噌おでん」(500円)は、だしで炊いた東京産の大根、じゃがいも、あわびが入った豪快なおでん。八丁味噌と桜味噌を練り上げた茶色い味噌だれと、西京味噌と辛子を合わせた2種の味噌だれで。野菜の豊かな風味が2つのお皿に凝縮。
〈東京食材〉:あわび、大根、人参、じゃがいも、島唐辛子、こんにゃく
「イタリア風ブイヤベース 押し麦と東京野菜と共に」(500円)は、東京でその日水揚げされた魚介類をセロリ、玉ねぎなどの香味野菜と一緒に5時間煮込み、ミキサーでなめらかにしたスープ。その濃厚な味わいが、具材となる蕪、ブロッコリー、長ねぎ、小松菜などの東京産の野菜のうまみを存分に引き出してくれる。ほかの料理も食べられるよう、米、パスタの代わりに、消化のよい大麦をローリエやニンニクで炊いてから加えた。
〈東京食材〉:東京産の魚介類、蕪、ブロッコリー 長ねぎ、小松菜またはほうれん草
バゲッドに前菜から、サラダ、メイン、デザートまでを詰め込んだ、贅沢な「フレンチフルコースのカスクルート(サンドイッチ)」(1000円)。じゃがいものピュレ、レタスを敷き、パテ、チーズ、白身魚のポワレ、東京しゃものローストを、東京産野菜をふんだんに用いて、歯ごたえを残したラタトゥイユと共にはさんだ。デザートには、東京産のぶどうにはちみつをかけた、ブドウ・ミエルを。
〈東京食材〉:東京しゃも、牛乳、玉ねぎ、茄子、トマト、じゃがいも、タイム、にんにく、トマトペースト、ぶどう
銀座寿司幸本店で冬場のお吸い物の定番として提供されるねぎま汁をベースに、東京産の長ねぎを使用した「ねぎまラーメン」(1000円)。「ねぎま」の風味が生きるよう、鮪を茹でた後にだしと長ねぎ、椎茸、醤油、酢を入れてシンプルに煮込み、中華麺ではなく春雨を合わせてさっぱりと。「江戸前にぎり」(2500円)は、江戸前の原点に立ち返り、鮪は醤油漬け、白身魚は昆布じめなど、ネタにひと手間かけて。
〈東京食材〉:かんぱち、白身魚、あなご(仕入れ具合による)、長ねぎ
東京産の玉ねぎを長時間炒め、赤ワインとはちみつでコクを出したジャムを、すべてのカレーベースに使用。特製ビーフカレーに改良を重ねて上質な素材を用いた「6年後に世界を制するカレー『東京ゴールド』」(1000円)。田口さんがほかでは食べられないと自負するカレーパン2種セット「カッパカレーパン」、常連客に人気の裏メニューで、TOKYO-Xのばら肉のコンフィと野菜の串揚げをカレーソースでいただく「カレーバーニャ」(各500円)も。
〈東京食材〉:TOKYO-X、茄子、玉ねぎ
「豚肉と彩り野菜の塩焼きそば」(500円)は、TOKYO-Xの特徴的な強い甘みを、トマトの酸味を立たせてバランスをとり、トマトのうまみをオリジナル蒸し麺に凝縮させた。東京産の野菜がたっぷりと入り、パスタ感覚で楽しめる彩り豊かな炒め焼きそば。「白身魚のフリッター 四川山椒塩」(500円)は、カラッと揚げた東京産の白身魚に、四川山椒塩をかけて。後からじんわりとしたしびれを感じて、お酒がすすむ一品。
〈東京食材〉:TOKYO-X、東京産の白身魚(未定)、キャベツ、玉ねぎ、小松菜、トマト、人参
http://myfarm.co.jp/
京都に本社を持ち、京野菜や自社農園産の野菜などを扱うマイファーム。
一番人気の「万願寺とうがらし」ほか、旬の京野菜がお客さまを集めていました。
http://ja-fukuikeiz.jp/
福井県は実は「コシヒカリ」発祥の地。
甘くてもちもち、冷めてもおいしい福井県産コシヒカリを、ライスレディがPRしていました。
http://tosayama.net/index.php
高知名産のしょうが製品を製造・販売。
おすすめのジンジャーエールの他、フレッシュな生しょうがも量り売りでご提供。
http://www.chanoha.info/
全国からおいしいお茶を集める銀座の茶舗。
夏のおすすめ、水出し用の煎茶やティーバッグは、水出しでもしっかり濃い味と香りが楽しめます。
http://noen.minamialps.biz/
http://www.daikanyama-coffee.jp/
南アルプスの大自然が育てた夏のイチオシは、旬まっさかりの桃「白鳳」。カリッとした歯ざわりとさっぱりした甘さが地元で大人気とか。共同出店の「代官山珈琲」は、鹿児島で焙煎された自慢のコーヒーを、南アルプスのおいしい水で煎れて提供していました。
「梅屋」は、神奈川県三浦産の野菜を中心に、「自分がおいしいと思ったもの」にこだわって入荷する八百屋さん。すべてひとりで手づくりするという焼菓子の「Ku」では、パイナップルやレモンのクッキー、量り売りのパウンドケーキなどがずらり。
http://www.maruhori-yasai.jp/
札幌に近いのどかな田園の町、北海道・由仁町産から、十種類以上のカラフルなミニトマトが登場。色も味わいも多彩なミニトマトのジュースも話題を呼んでいるそうです。
http://www.matsukan.net/
もも、プラム、なし、ぶとう、りんごと一年を通じて果樹栽培が盛んなくだものの里、南信州・松川町から、今が旬のさくらんぼと、フルーツみたいな甘さのカラーピーマンが届きました。
http://aozora-ichiba.co.jp/
http://harufruits.shop-pro.jp/
俳優・永島敏行さんが代表を務める青空市場808のイチオシは、オイル控えめの殻付きドライアーモンドや、川越産のとうもろこし「ピュアホワイト」。ワケありフルーツが並ぶ「もったいないフルーツショップ」が共同出店です。
http://www.digiis-sanchoku.com/
ネット販売の他、産地の情報提供なども行うサイトが出店。今が旬の埼玉産枝豆は、うれしい量り売りで。岩手の産直店から届いた野菜、珍しい品種のミニトマトセットなども並んでいました。
全国の「おいしい食」を紹介するボン・グルメ。四万十のかりんとうは、たまねぎ、だししょうゆ、青のり、ゆずなど地元素材にこだわった6つの味わい。石川県羽咋郡のノンアルココール玄米甘酒は、夏にうれしい栄養ドリンクです。
http://fooddesigners.net/
地域の素材で、地域で作る「おいしい」を企画から手掛けるNPO。ほとんどの商品が東京初進出のなか、長崎県対馬のしいたけを使った「森と海のアヒージョ」、北海道浦河町の「トマトのフリュイ」が特におすすめ。
http://www.starbucks.co.jp/
おなじみスターバックスの夏のおすすめは、夏限定のアイス専用グラスドリップメーカー。さっぱりした味わいでアイスコーヒー向きの「ブレザ ブレンド」は量り売りで。
グラムマルシェの人気の秘密は、その名のとおり “量り売り”。欲しいものを、欲しい分だけ買えて、包装などの無駄も少ない量り売りは、便利なだけでなく、環境にも優しい販売方法です。カゴや木箱に盛られた野菜やフルーツは、ヨーロッパの市場を思わせてとってもおしゃれ。見ているだけで楽しいディスプレイも魅力のひとつです。全国各地の珍しい産品も多いので、”ちょっとお試し”にも量り売りがうれしいのです。
トマト、ピーマン、なす、とうもろこし、桃、さくらんぼ……。夏のマルシェでひときわ目を惹くのが、色とりどりの夏野菜や旬のフルーツです。中でも目を奪われたのが、「まるほり野菜園」に並ぶ十種類以上のミニトマト。赤やオレンジ、黄色、黒っぽいもの、大粒のものから細長いもの、小指の先ほどの小さなものまで、驚くほどのバリエーションです。”ぜんぶ味見したい”というわがままな注文も、全種類均一価格の量り売りだからOK。お好きなものを一粒から選んで購入できます。
普段はなかなか出会えない、そんな食材が揃うのもマルシェならでは。「万願寺とうがらし」や「加茂なす」などの京野菜、白くて甘いとうもろこし「ピュアホワイト」、生食できてフルーツのような甘さのカラーピーマン「ガブリエル」など、珍しい野菜に興味津々。お味や食べ方の説明はもちろん、レシピを配布しているお店もありました。
おもしろい名前の「もったいないフルーツショップ」は、サイズなどがちょっと規格外の”ワケありフルーツ”を扱うお店。全国で定評のある名農園から集めたフルーツなので、おいしさはお墨付きです。地元以外ではめったにお目にかかれない信州産の生のあんずも人気を集めていました。
「お味見をどうぞ」という声に、ひと口いただいて驚いたのが「土佐山ジンジャーエール」。一般的なジンジャーエールとはひと味もふた味も違い、しょうがの香りや辛みがそのまま生きています。本物のしょうがを使っているから、冷たくして飲んでも身体を冷やさず、夏の冷え対策にもおすすめとか。同じくしょうがそのまま使った「しょうが糖」は、冷房対策にデスクの引き出しに常備しているOLさんもいるそうです
ほかにも、夏バテ防止にもなる栄養豊富なノンアルコール甘酒、水出しにおすすめの煎茶、旬の食材を使ったお菓子やフードなど、夏ならではの食品がいろいろ。都会の一画に、全国から夏を運ぶマルシェに、多くの方が足を止めていらっしゃいました。
食育丸の内プロジェクトの一環としてSoup Stock Tokyoの代表、遠山正道さんをホストに連続7回開催されるシリーズワークショップが丸の内で開催されました。
今回で最終回を迎える第7回では 「わたしを食らえ」というテーマのもと、映画監督の安藤桃子さんをゲストにお迎えし、共にお弁当の話をしていきます。
安藤さんは、2014年秋に公開予定の映画「0.5ミリ」を既に撮影され、現在公開準備中とのこと。映画作りのお話と、食について、興味深いお話を伺いました。
前半は安藤さんの映画やクリエイティブな活動について伺っていきます。
お父様を俳優の奥田瑛二さんに持つ安藤さん。「男のダンディズム」という本を出版されているほどの奥田瑛二さんは、知的でもの静かでダンディというイメージがありますがもしかしたらコメディ映画にむいているんじゃないかと話す、安藤さん。チャーミングでお茶目なお父様だと語ってくれました。
主人公のサワちゃんが介護ヘルパーとして老人の家に押しかけヘルパーをして自身の人生を探って行くというドラマを描いた、安藤さんの小説家デビュー作品「0.5ミリ」について、遠山さんの反応は「凄い本ですね、壮絶というか、どろどろというか、、とにかくびっくりしちゃいました」というもの。この反応、男性と女性ではっきりと2つに別れるそうで、遠山さん は「俺読んでいて、人生ってどうなるのって考えたし、衝撃的、グロテスク、桃ちゃん大丈夫?見たくないものを見せつけられたっていう印象なんだけど!」で、逆に女性は「面白かったです~笑いました!」となるそう 。
「物語の中で、押しかけヘルパーのサワちゃんが、ある街で、ある事件に巻き込まれ、さまざまな老人のヘルパーになっていく。サワちゃんが触れていくのは一般的に人が見たくない、でも向き合わなければならないさまざまな現実や感情。この彼女の生き方を通して読者に問題提起してくることこそ、男性にとっては見たくない部分を見せつけてくる感じがあるのかもしれません。『押し掛ける』ことによって人と人の『完全なる摩擦』を起こしたかったんです。」ときっぱりと語る安藤さん。
「仕事でも家庭でも『摩擦』は極力回避していきたいものなんじゃないか?」と遠山さんが返すと、安藤さんは「私は逆に『摩擦をおこせーっ』て叫びたいくらい。摩擦を起こすべきだと感じているんですよ。摩擦といっても、恋人同士が愛し合うことも、ふれあうことも摩擦であるし、そうすることでしかコミュニケーションは生まれていかない。」
介護について題材に選んだのは、ご家族みんなでおばあちゃんの介護に取り組んだことがきっかけだったといいます。在宅で8年ほどかかった介護は、家族の関係を崩壊させかねないほど壮絶なものだったそうです。もともと日本には、死に一番近い老人と生に一番近い子どもが、神に最も近い存在として、大切に敬われて来た文化があったからこそ、真ん中にいる私たちの世代もしっかりと生きられる。本当の意味で輪になっている社会だったのに、現代社会では崩壊してしまっている。そこに怒りを感じたことが、小説を書いたきっかけだったそうです。
すでに昨年の3月4月に高知県で撮影をすませ、今年の秋頃に公開を予定している本作品。撮影から長い時間をかけて上映にこぎつけるまでに、相当の努力が必要なのが日本の映画界だと教えてくれました。日本の映画界のシステムは、大手映画会社は劇場やシネコンを持ってますが、独立系のプロダクションや個人の監督は基本的に、単館系の劇場を探すところから始めなくてはなりません。劇場の力が強くて、製作費をすべて自分たちで集めてつくっても、興行収入も劇場と折半になってしまいます。さらに、配給会社の割当も発生しますので、ほとんど利益が残らないどころか赤字になる作品も多く、 独立系のプロダクションはどんどん潰れていくのが現状なのだそうです。
撮影した高知県にて、何度か上映会を開催したところ、老若男女、みんな大爆笑してくれたとのこと。もしかしたら、コメディ映画なんじゃないかというほどだったそうです。「なかでも上映後におばあちゃんが『ううううう』って声を詰まらせて、『ありがとうございました、老人に光を与えてくださいました』と、涙して下さった事もありました。3時間16分あるんですが、みんな惹き付けられて観てくれた」とのこと。「監督として作品を作っていくことは自分をさらけ出しているので、全裸で舞台に立つほうがマシだと思うほど緊張するし、怖いです。でも、そんな究極の状況で、誰かに伝わった……と思えた瞬間、本当に、感極まります。」と安藤さん。
猛進していくエネルギーはどこから湧いてくるのか伺ったところ、初監督した映画「カケラ」を撮る前に、お父様に言われたことを教えてくれました。「『崖からとびおりる覚悟を持たない者には、空を飛ぶ権利はない』初めてのことって、実際にやってみないと分からないことだらけですが、ひとつ自分に約束しようと思ったのは、『120%、もう絞れません!』と思えるまで力を出し切るようにしようと。そうすれば、その結果が、たとえ未熟なものでも、間違えても、その時の自分を振り返って、後悔はしないだろうと考えています。当然、売れなければならないという意識はありますが、その前に作品としてはっきりと方向性を見定めていくことも監督の仕事。黒か白かを大胆に判断しなければならないこともあります。それをグレーにした瞬間に黒を見たい人も白を見たい人も両者を失ってしまう。」
「大変な思いをしながら映画作りを経ていくと、文化こそが資本主義を動かすものなのではないか?と思えてくる。」と安藤さん。「文化」を本来あるべき形にしたい。もし、映画一本で生きていけないなら、そういう同じ強い思いを持つ人達が一緒になって立体的に助け合える環境を生み出せばいいのではないかと、現在、映画撮影中に縁のあった高知県にて、映画を軸にした複合的に発信していける施設をつくれないかと企てているそうです。「正しいモノづくりで稼げない世の中なら、稼げるようにシステムを変えたいんです!」と決意を語ってくれました。
さて、今回の安藤さんからのお弁当のテーマ「わたしを食らえ」は一体どういう意図があったのでしょうか。「そもそも、誰かがつくったものを食べるってどういうことだろう?と考えました。生まれた瞬間から死に向かう人の、人生の矛盾の中で、時間は命そのもの。その時間を費やしてお母さんがつくってくれた料理を食べるということは、お母さんの命を食べているのかも知れない。もっといえば、お米をつくったお百姓さんの時間=命も食べているし、その後ろにあるたくさんの人の命、そして素材そのものの有機物の命も食べている。当たり前ですが、私たちは日々命をいただいて生きている。そう考えて、このテーマにしてみました。」と安藤さん。
「なるほど。この深い意味をきいた後で、私のお弁当、出しにくいのですが(笑)」と前置きして、遠山さんが作った弁当は色鮮やかな緑色のお弁当。「Carré de sushi unrouleau au concombre et caviar(胡瓜のカッパ巻かず キャビアを添えて 石畳風)」です。「このテーマを聞いた時に、自分のコンプレックスを思ったんです。私は海外経験がなく、英語も英検20級とかいってるほど、西洋文明にコンプレックスがある。そこで、見た目はヨーロッパの宮殿のモザイクのようなんだけど、ものは何かというと、「胡瓜のカッパ巻かず」(笑)。胡瓜と海苔なんだけど、やっぱり西洋かぶれなんで、キャビアも盛って。西洋へのあこがれと日本の良さを合併して、自分のコンプレックスを食っちゃおうと。」と遠山さん。
そして、安藤さんのお弁当は……。シンプルで美しいおむすびでした。「超シンプルに握り飯、なんですが、この中にストーリーがありまして。中央は中に梅紫蘇が、両脇には梅味噌が入っています。これは自分で3年前くらいに漬けた梅干しと自宅で穫れた紫蘇を合わせ、味噌は、友人が大豆から自然農法でつくったもの。ご飯は妹が四万十でもらったもので、塩は自然蒸発でつくった海の塩。そして、おばあちゃんがつくったぬかで漬けた胡瓜をおしょうゆで漬け直した漬物と、お母さんが25年前に漬けた梅干しを添えて……。「私をくらえ」のバックグラウンドには、めちゃくちゃ丁寧な時間がかかっているんです。しかも竹皮に包まれているから、食べたら、捨てても土にかえる、何も残らない。」
生徒さんのプレゼンテーションは最終回ということとトンチのようなテーマ「わたしを食らえ」という難問に対して素晴らしいお弁当が出揃いました。それぞれの「わたし」の捉え方と「食らえ」という動詞の解釈が、自分自身であること、素材自身であること、相手であり自分であり、とにかくたくさん考え抜かれたお弁当がずらりと並びました。
今回の全員投票で選ばれた作品は以下の通り。
“印象的だったお弁当”はポンパドール婦人の、婦人的「上から目線」で”くらえ”を捉えた石井眞希さんの【マルキーズ人形のお弁当】でした。スカートは、さくらでんぶのバターライスの中にマッシュポテト、ズッキーニとマッシュルームのグリル、豚肉と香味野菜のローストなどを入れ、スカートを切ったとき、流れ出るようにと、半熟卵も入れ、安藤さんを唸らせていました。
“おいしそうだったお弁当”は、大谷尚史さんの【コンソメとテリーヌ3種】。自分をさらけ出す「輪切り」「スキャン」を連想し作ったというモダンな出で立ちのお弁当。肉のテリーヌ、野菜とフルーツのゼリー寄せをつくりました。肉のテリーヌは豚バラと鶏レバー。野菜は鎌倉野菜を使い、まる3日間かけてつくったコンソメのジュレを流し込みました。コンソメのべっこう飴も添えられて鮮やか。味も遠山さんのお墨付きです。
今回のテーマである”わたしを食らえ”な、お弁当は太田恵梨さんの【私の歴史のお弁当】自分の好きなお米とチーズを使って自分の歴史をお弁当にしました。まずは、離乳食としてチーズおじや。母のつくったお弁当の中で、こけしのお弁当が印象的だったのでチーズを使ったこけしのようなおにぎり、そして中学や高校の時に好きだったチーズもち、大人になってから好きになった、ミモレット。最後は、将来、供えてほしいという思いで、マスカルポーネを使ったおはぎを作りました。
今回で最終回となった、イートアカデミー「おいしい教室〜お弁当の時間」です。
全7回中、さまざまなお弁当が集まり、それぞれの方の食の歴史、味覚、考え方をお互い学び合うことのできる貴重な時間になりました。また遠山さんをはじめ、個性豊かなゲストのみなさんの、斬新な、または再び新しい、そして改めて見直すようなお弁当の数々にはそれぞれの方の生き方が色濃く映し出され、食と人生はやはり隣り合わせにあり、どちらが欠けても成り立たない、無くてはならないんだなと感じることになりました。本当におつかれさまでした。
丸の内シェフズクラブのメンバーが東京と東北を行き来して、現地のシェフたちと交流しながら進めて来ました復興支援「Rebirth 東北フードプロジェクト」も今年で3年目になります。そしてついに完成しました、宮城の美味しさと三陸の海の恵みがぎゅっと詰まったオリジナル缶詰!
長い歴史と優れた技術を誇る、石巻と気仙沼の缶詰メーカー2社、東北エリアのシェフ2人と丸の内シェフズクラブのシェフ2人のコラボレーションによる、これまでにないプレミアムな缶詰2つの誕生です。
その味のお披露目を兼ね、期間限定「~はらくっつい宮城~ うまみのおもてなし酒BAR(サカバ)」を堂々オープンします。
さんまやフカヒレ、金華さば、ムール貝など三陸の海の幸を使った2つの缶詰メニューの脇を固めるのは、宮城県の旬の食材、お野菜をふんだんに使ったユニークな「おひたし」6品です。
和食の世界遺産登録によって世界中で話題になっている「うま味」に着目し、中華、和食、イタリアン、アジアン、各国料理のシェフ計6人が新たな視点で考案しました。どれも彩りと栄養バランスに優れたヘルシーなレシピです。すべて美味しく召し上がって頂くために、缶詰メニュー1品とおひたし3品のセットを2つご用意しています。
さらに期間中、宮城県を代表する酒蔵から選りすぐりの日本酒蔵11軒が集合します。「墨廼江」「山和」「一ノ蔵」「日輪田」「伯楽星」「蒼天伝」「乾坤一」「浦霞」「戦勝正宗」「阿部勘」「宮寒梅」が一同に並びます。蔵元さんも日替わりで来店の予定。酒造りについて直接お話を聞くことができるチャンスです。
じっくり飲み比べて、丸の内シェフズクラブの缶詰メニュー、各国おひたし6品との相性をお楽しみください。お酒の肴として、宮城自慢の単品おつまみも揃えています。宮城の美味しいお酒と宮城食材の底力をおもてなしの心とともにしっかり堪能できる特別な10日間です。
Date: | 2014年 3月7日(金)~ 3月16日(日) ※このイベントは終了いたしました。 <物販>11:00~21:00 ※6日(木)は~19:00、9日(日)・16日(日)は~20:00 <フード>15:00~21:30(L.O 21:00) <ドリンク>17:00~21:30(L.O 21:00)※各日限定数に達し次第終了。 ※食材の全てが宮城県産ではございません。又、天候等諸事情によりメニュー内容が変更になる場合もあります。ご了承ください。 |
Place: | 丸の内カフェease(東京都千代田区丸の内2-4-1 丸ビル1F) |
オリジナル缶詰”はらくっついTOHOKU”それぞれ1品とおひたし3品を組み合わせたお得な「オリジナルうまみ御膳」2セットのご紹介。らうす昆布を使った出汁はもちろん、トマト、干貝柱、発酵食品から生まれるうま味が、旬の宮城食材をの美味しさを一層引き立てます。
骨まで食べれるさんまは脂がのって、ふっくら柔らか。小さいけれど贅沢なフカヒレの姿煮入り。大島ゆずがほんのり香るおしゃれな味噌煮。
さっと炒めた旬のちぢみほうれん草と小松菜、彩り野菜を干し貝柱の戻し汁でシンプルに漬けました。油でコーティングすることでうま味を逃がしません。
わさび菜の香りと苦み、赤貝の食感を大切に素材を生かしました。赤酢と白ワインが味のポイント。貝からしみ出る海の香りがお酒によく合います。
ジューシーな牛タン、白と緑の大根、オレンジと紫の人参。桃のコンポートで甘みを添えたクリームチーズが全体をまとめ、うま酢が酸味のアクセントに。
お刺身でもおいしい新鮮な金華さばと磯の香りたっぷりのムール貝を様々な野菜とともに煮ました。香ばしい焼き餅と白髪葱を添えた贅沢なお椀です。
つぼみ菜のえぐ味は春に備えてからだが必要としている味。あさりのコハク酸、昆布出汁のグルタミン酸、ドライトマトのグアニル酸が美味しさの決め手。
タイの照り焼きチキン「ガイヤーン」のイメージでローストしたシャモとサラダ野菜の和えもの。発酵調味料ナンプラーとパクチーの香りが効いています。
帆立でつぼみ菜を巻いたおしゃれなルックスのおひたし。ふわりと香るゆず。イタリア産アンチョビとニンニク、オリーブオイルと昆布出汁で作るソースは絶品です。
宮城のお酒のお供に、三陸の海のうま味をぎゅっと閉じ込めた缶詰一品おつまみはいかがですか?
オリジナル缶詰”はらくっついTOHOKU”2品に加え、自慢のはちみそやしそ漬明太子を添えた塩むすびもご用意しています。
塩釜の藻塩を使用したおむすびに、しその香り豊かな明太子、優しい甘みが特徴のはちみそを添えました。
400円
鯨本来のうまみを活かした大和煮と、旬のさんまを使った醤油漬けが味わえます。
400円
帆立のエキスだけで煮込む潮煮製法で煮上げた凝縮されたうまみが特徴です。
500円
宮城を代表する選りすぐりの日本酒蔵11軒のお酒です。また各酒蔵の蔵元が日替わりで来店します。酒造りについて直接お話を聞いたり、銘酒の飲み比べや提供メニューとの相性をお楽しみ下さい!