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マルシェレポート05「いよいよ夏野菜が本番を迎えてきました」

マルシェ会場01

 まず、東京産の野菜で注目を浴びていたのが国分寺「小坂農園」と練馬「JAあおば」。マルシェ常連の小坂さんは、JR国分寺駅近くに2ヘクタールもの農地を管理している。多品目栽培を目指し、季節に応じて30種類を超える野菜を作るというから驚きだ。

「近くにある東京競馬場から馬糞を仕入れ、自家製の堆肥をこしらえることから仕事ははじまります。東京は生産地と消費者の距離が近いのがいいですね。ほら、これは正真正銘の朝採れの枝豆ですよ」

確かに野菜の鮮度が見た目で分かる。色つやがしっかりしている上、野菜の茎や葉っぱに瑞々しさが溢れている。

「これからの季節、谷中生姜とかどうですか?香りの高くキリリと爽やかな味わいの谷中生姜は味噌をつけてかじると最高ですよ」

東京23区内でもっとも広い農地面積を誇るのが「練馬区」。都市部に農地があるという立地の便を活かして季節に合わせた野菜、果樹、花などが作られている。中でも有名なのがキャベツである。

「もう30年以上も前からキャベツを作っていました。練馬区はキャベツの生産ではナンバーワン。石神井公園のちかくにはキャベツの碑があるくらいです。収穫は5月から7月、11月から12月の年2回。都市部で農業をするということは、単に野菜の生産だけではなく、畑が災害時の避難場所になったり、日々の生活にうるおいを与える緑地となるなど、多面的な価値があると思うんです」(JAあおばで野菜販売する井口良男さん)

マルシェにはキャベツのほかにトマト、ナス、キュウリなどが販売されていた。いずれもこれからの季節、安くて大量に出回る旬を迎える夏野菜ばかりだ。

遠忠商店

 マルシェでは普段は出会わないような驚きの食材にも遭遇する。埼玉県鴻巣市の花職人が作った食用花(エディブルフラワー)を見つけた。サルビアやマリーゴールドなど、見慣れた鑑賞花がなんと食用になるという。化学肥料や合成殺虫剤も使っていないので、そのままサラダの彩りに添えるなど生食が可能。現在「こうのすエコフラワー」の名称で地域の特産品として定着しつつあるという。

また、栃木県下都賀郡の6人の若手農家で結成した若手農家集団「OHACO」は、コールラビと呼ばれる洋野菜や、トウモロコシ、キュウリ、じゃがいも、トマト、観賞用のバラなどを販売する。朝採れのトウモロコシを食べさせてもらったが、とっても甘く、ひとつひとつの粒がしっかりしている。「これはゴールドラッシュという品種なんです」。試食をした人には丁寧に商品の説明をしてくれる。

匠グループ

こういったマルシェの楽しさは「対面販売」にある。

農家という作り手と、私たち消費者が直に向きあってやりとりをする。同じキュウリでも、今年は九州方面で大雨が続いていて収穫量が減り、その影響で関東産の値段が上がっているなど、知って得する情報が直に聞ける。また、野菜を大量に購入しても、なかなか調理法がワンパターンになりがちなもの。そんな時、生産農家だからこその簡単レシピや保存食、目からウロコのアイディアは意外に多い。

自分の作った野菜が他の野菜に比べてどう違うのか。消費者に熱心に説明をする若き農家の姿も見られる。そういった風景を見ていると、ただ陳列された棚から、自分の好みの野菜だけをカゴに入れる従来の買い物スタイルに比べ、マルシェでの買い物には人と出会う楽しみがあると感じた。

キッチンカー

 丸の内ならではの取り組みとして、丸ビルや新丸ビルに出店する名店のシェフたちの味を気軽に楽しめるイートインスペースが屋外に併設してあることだ。今回はAWキッチンの「夏トマトのカレー」、イルギオットーネ「野菜のジェラート」だった。

夏トマトのカレーは五穀米のご飯にお肉の代わりに油揚げを使ったヘルシーなカレーがたっぷり。その上に、オーブンでグリルしたトマトがドーンと一個、乗っていた。このトマトをつぶしながらカレーといっしょに食べるのだが、トマトの酸味がカレーのコクと合っていくらでも食べられる。デザートはトウモロコシとフルーツトマトのジェラート。それぞれの野菜の持つ甘み、酸味が蒸し暑いこれからの季節にぴったり。

いよいよ、夏野菜もこれからが本番。沢山食べてきたる猛暑に備えよう。朝採れの新鮮野菜がそう私たちに声をかけているような、そんな元気いっぱいのマルシェでした。(文・編集部)

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