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菜の花の粒マスタード風 三重県伊賀上野市編

シェフのインスピレーション

 菜の花のオイルはとってもマイルドでどんな料理とも合うよね。オリーブオイルは使ったことあったけど、菜の花のオイルははじめて。もちろん、菜の花そのものは大好きな食材だよ。三重県伊賀市にある菜の花の搾油施設「菜の舎」で作り方を見せてもらった。とても掃除の行き届いた清潔な工場。ひとつひとつ丁寧に愛情をこめて作られていた。できあがったバージンオイルを早速舐めてみた。本当においしいね。クセがなくてそのままパンに塗ってもぜったいおいしいよ。

菜の花のオイル

 工場の隅にこげ茶色のフレーク状のものを見つけた。聞くと菜の花オイルをしぼった搾りかすだという。これが捨てられると聞いて驚いた。えっ、これ捨てちゃうのって衝撃だったね。僕は直感でこれは食材として可能性があると思った。そして、すぐに口に入れて味見をしてみたんだ。油を絞った後のかす。少し酸味もあるし、まるでゴマをすり潰したようなコクがある。もう、すぐにレシピが浮かんだね。菜の花のマスタード風。これはどんな料理にもあうよ。工場の台所にあった塩、菜の花のバージンオイル。そしてこの絞りかすを使って即席でソースを考えた。

菜の花オイルを絞った搾りかす工場の人に一口食べさせる様子

 工場の人に一口食べさせると感動していた。ふだん菜の花オイルを作っている人が驚くんだ。つまり、生産者も視点を変えれば新しい味に出会えるということ。生産者が素材のことを全て知ってると思ったら大間違い。普段捨ててしまうような部位も、ちゃんと料理をしたらいくらでも可能性あるんだから。こうやって、生産者の現場を訪れてみると、自分の知らなかったことがたくさんあることに気がつく。いっぽうでシェフの目線からいろんなアドバイスもできる。こういうつながりが食卓の明日を開くんだと思う。この菜の花のマスタード風。銀座のお店でもぜったいに出そうかと思っている。

菜の花オイル食材図鑑「菜の花」カリウム、カルシウム、各種ビタミン類。含まれる栄養素が他の野菜を圧倒している菜の花。独特のほろ苦さが後を引く春を代表する野菜のひとつ。「春野菜のホームラン王」とも呼ばれている。軸の硬い部分を切り落とし、さっとゆでて水をきり、ごまあえやおひたし、炒め物や漬け物などどんな料理にも大変身する。

RECIPE 01 菜の花の粒マスタード風

菜の花の粒マスタード風

菜の花の粒マスタード風を作る様子

作り方
1. 菜の花の搾りかすを菜の花オイルで溶かす。なめらかになったら塩と胡椒で味付け。
2. 野菜類はひとつまみの塩を入れたお湯でさっと茹でる。
3. 伊賀牛は熱したフライパンにバターをひき焼く。途中、スプーンで肉の表面に解けたバターをかけながら好きな焼き加減を決める。
4. 皿にゆで野菜、伊賀牛のステーキを盛って、1のソースを添える。
材料
 菜の花の搾りかす
 菜の花オイル(エクストラバージンオイル)
 
 胡椒
 茹で野菜(菜の花、にんじん、ブロッコリー、カリフラワーなど)
 伊賀牛 サーロイン、赤身好きな部位
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