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Q 一日にどれくらいの塩を摂取すればいいの?

 正しい塩の摂取量は一日に「10グラム」以下と言われています。これだけで、人間の生命維持には十分な機能を発揮するようです。塩は水分を吸収することから、摂り過ぎると血管をボロボロにしてしまいます。腐敗防止の作用があることから、冷蔵庫のなかった時代には保存用の塩漬けなどの食品が多数生まれました。しかし、塩分の摂取量が多くなれば多くなるほど、がんや糖尿病などを発症することは近年の研究では証明されています。

Q 塩分は体に悪いのか?

 最近の健康志向などから、塩は悪玉のような扱いを受けていますが、塩がなければ胃酸もできず、新陳代謝機能を発揮することもできません。私たち生命体は海から生まれました。人間の体の67%が水分で満たされています。そのうち75%が細胞の中にあり、残りが血液や体液の中にあります。私たちの体の中には、海の水を3分1位に薄めた成分が存在しているのです。人間の体は排泄作用がよくできていて、塩分を多目にとっても利尿作用によって排出されます。よっぽど体が悪くならない限り、自然の理にかなった摂取方法を自ずとしているのです。

Q  普段使う塩はどんな塩を選べばよいですか?

 30年ほど前、日本では機械化による塩の大量生産が可能になりました。いわゆる食塩と呼ばれる塩化ナトリウム99.2%という混じり気のない高純度のものです。なめると舌をさすように辛く角のある味です。その上、味が画一化されているので、せっかくの塩の味わいは封印されていると言っていいでしょう。私は「自然塩」をおすすめします。1997年から塩の販売が自由化されたことで、海に面した日本各地では、それぞれの風土が生み出す、個性のある味わいの塩が多数生産されています。自然塩を使うと、魚の塩焼きひとつとってもまろやかさが違います。ぜんざいなど甘味も引き立てます。また、近年では海外の塩も輸入されるようになりました。フランスやイタリア産の天日塩やアルプス産の岩塩。スパイス入りの塩もあります。料理の味の要は塩です。耳かきいっぱいの塩が多いか少ないかで料理の旨さは決まります。また、塩をしない料理は素材の味が引き立ちません。塩は身体の生理だけでなく、味覚にも大きな影響を与えます。

Q 人間の体に必要な5大栄養素をしっていますか?

 「炭水化物」「脂質」「たんぱく質」「無機質(ミネラル)」「ビタミン」の5種類です。名前は聞いたことがあると思います。これらは体内での作用によって「エネルギーの源となる熱量素」「人間の体そのものを作る構成素」「代謝調節のための調節素」と大きく3つに分けることができます。つまり、人間のエネルギーを育み、元気で丈夫な体を体の内部から作り、新陳代謝を促進させる。私たちにとっての「食事」は、人間が生きるために必要不可欠ものだということがわかります。したがって、偏ったものばかり食べたり、添加物や化学物質が混入したものを食べないほうがいいことは言うまでもありません。

Q 「熱量素」「構成素」「調節素」とはいったい何が含まれているのでしょう。

 人体の筋肉や各種臓器は主に栄養素から摂取したタンパク質から作られます。骨格などは無機質です。エネルギーは炭水化物、脂質、タンパク質などの熱量素を、体内で参加分解することで得られます。そして、これらの栄養の代謝を円滑にするのが調節素に含まれる「無機質、ビタミン」です。

Q  栄養だけを充実させても体のためにはならない

 病院の食事は美味しくないという声をよく聞きます。どんなに栄養士が栄養計算をした完璧な献立をたてても、まずい料理など体内の免疫機能を低下させるコルチゾールという副腎皮質ホルモンが増加し、回復力が弱まるという研究結果があります。逆に、香りがよく、見た目にもよい料理は、その香りが嗅覚から脳を刺激し、必須アミノ酸のトリプトファンから作られるセロトニンという物質が気持ちを和らげ、楽しい気分になることで食欲が湧き、免疫力が増すと言われています。これは、米国デューク大学のスーザン・シフマン教授らの研究で明らかになりました。
味と周囲の環境は密接に関係しています。日本の病院の平均入院日数は21日らしいのですが、おいしい料理やテーブル・コーディネーションにより、14日で退院できるというデーターもあるほどです。学校給食も家庭の食事も、栄養バランスだけでなく、食欲の湧くおいしい料理を提供することが重要なのです。

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