
●「食育丸の内」とは、三菱地所の「都市と食に関する問題」に取り組むプロジェクトの一環です。「食」に関する様々な活動を通じて、生産者、消費者、レストランが共に手を携え、人々が一層、心身共に健康になれる社会づくりを目指し活動していきます。
●丸の内エリアを中心に活躍されている、日本を代表する和食・フレンチ、イタリアン、アジアン、4ジャンルのシェフ26名によって構成される「丸の内シェフズクラブ」。ただ、調理するではなく、食育を合言葉に、実際に生産地に足を運んだり、子どもたちへの食育授業など様々な提案、イベント発信などを行っています。

菜の花のオイルはとってもマイルドでどんな料理とも合うよね。オリーブオイルは使ったことあったけど、菜の花のオイルははじめて。もちろん、菜の花そのものは大好きな食材だよ。三重県伊賀市にある菜の花の搾油施設「菜の舎」で作り方を見せてもらった。とても掃除の行き届いた清潔な工場。ひとつひとつ丁寧に愛情をこめて作られていた。できあがったバージンオイルを早速舐めてみた。本当においしいね。クセがなくてそのままパンに塗ってもぜったいおいしいよ。
工場の隅にこげ茶色のフレーク状のものを見つけた。聞くと菜の花オイルをしぼった搾りかすだという。これが捨てられると聞いて驚いた。えっ、これ捨てちゃうのって衝撃だったね。僕は直感でこれは食材として可能性があると思った。そして、すぐに口に入れて味見をしてみたんだ。油を絞った後のかす。少し酸味もあるし、まるでゴマをすり潰したようなコクがある。もう、すぐにレシピが浮かんだね。菜の花のマスタード風。これはどんな料理にもあうよ。工場の台所にあった塩、菜の花のバージンオイル。そしてこの絞りかすを使って即席でソースを考えた。
工場の人に一口食べさせると感動していた。ふだん菜の花オイルを作っている人が驚くんだ。つまり、生産者も視点を変えれば新しい味に出会えるということ。生産者が素材のことを全て知ってると思ったら大間違い。普段捨ててしまうような部位も、ちゃんと料理をしたらいくらでも可能性あるんだから。こうやって、生産者の現場を訪れてみると、自分の知らなかったことがたくさんあることに気がつく。いっぽうでシェフの目線からいろんなアドバイスもできる。こういうつながりが食卓の明日を開くんだと思う。この菜の花のマスタード風。銀座のお店でもぜったいに出そうかと思っている。


1. 菜の花の搾りかすを菜の花オイルで溶かす。なめらかになったら塩と胡椒で味付け。 2. 野菜類はひとつまみの塩を入れたお湯でさっと茹でる。 3. 伊賀牛は熱したフライパンにバターをひき焼く。途中、スプーンで肉の表面に解けたバターをかけながら好きな焼き加減を決める。 4. 皿にゆで野菜、伊賀牛のステーキを盛って、1のソースを添える。 |
● 菜の花の搾りかす ● 菜の花オイル(エクストラバージンオイル) ● 塩 ● 胡椒 ● 茹で野菜(菜の花、にんじん、ブロッコリー、カリフラワーなど) ● 伊賀牛 サーロイン、赤身好きな部位 |
文・ノンフィクションライター・中原一歩
写真・フードフォトグラファー・宮崎純一
●旅とはシェフにとって新しい食材との出会いです。その土地ならではの水や土、空気に触れてシェフたちのインスピレーションは研ぎ澄まされます。その食材を前にまだ見ぬ料理のアイディアが次々と浮かんできます。
丸の内シェフズクラブのシェフたちが、日本全国を旅して出会った旬の食材。そして、そこで生まれた新しいレシピ。出会いという名の素敵な食卓の旅がいまここにスタートします。
●丸の内エリアのレストランでの活躍ばかりではなく、日本の食文化の最前線で常に「食育」を考えている「丸の内シェフズクラブ」のメンバーが、生産者たちを紹介し、シェフならではの"目利き"で食材を掘り下げていきます。
●丸の内エリアのレストランでの活躍ばかりではなく、日本の食文化の最前線で常に「食育」を考えている「丸の内シェフズクラブ」のメンバーが、生産者たちを紹介し、シェフならではの"目利き"で食材を掘り下げていきます。
