About

「食育丸の内」とは、三菱地所の「都市と食に関する問題」に取り組むプロジェクトの一環です。「食」に関する様々な活動を通じて、生産者、消費者、レストランが共に手を携え、人々が一層、心身共に健康になれる社会づくりを目指し活動していきます。

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Chef's Club

丸の内エリアを中心に活躍されている、日本を代表する和食・フレンチ、イタリアン、アジアン、4ジャンルのシェフ26名によって構成される「丸の内シェフズクラブ」。ただ、調理するではなく、食育を合言葉に、実際に生産地に足を運んだり、子どもたちへの食育授業など様々な提案、イベント発信などを行っています。

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Contents

マルシェに行こう
イートアカデミー
旬のシェフズランチ
子どもの食育ウェルカムキッズ
シェフの履歴書
服部幸應の食育のツボ
私を育てた『あの時、あの味』
元気になるニッポンの味めぐり
ラブテリ東京&NYヘルスリテラシー向上委員会
Will Conscious Marunouchi
笹島シェフと行く京野菜
笹島シェフは京野菜に注目! 第2回担当シェフ 笹島保弘さん(イル ギオットーネ)

笹島保弘シェフ

 丸の内TOKIAにあるイル ギオットーネが開業して5年経ち、京都東山のお店は今年で9年目を迎えます。僕は新幹線の車内販売の方が名前を覚えてくれるほど京都と東京を行き来していますが、新しいメニューを考えるのはたいがい京都で野菜の生産者さんのところへ行った帰りの車の中なんです。お店から車で30分も走ると景色も変わって緑が多くなり、京都はやっぱりリラックスします。積み込んだ、まだ土の匂いが残る野菜の匂いから、身はこうして葉でこんなの作ってみようかってね。生産者の誰々さんはさっき大事なこと言ってたなとか。僕は、生産者という作り手があって、そこに信頼関係がないといい料理は作れないと当たり前に思っています。今回は僕がもっとも京都でお世話になっている京野菜作りの名手を3人ご紹介します。


笹島シェフの人柄が生産者との信頼を生み、その京野菜が料理で感動をもたらす

 今回訪ねた、田鶴均さん、石割照久さん、村上薫さんはいずれも京野菜生産者で、京野菜マイスター(京野菜の歴史文化・生産・流通・料理の各分野で活躍されている有識者の方々で構成されている京野菜マイスター認定委員会により認定)の方々だ。また、安全・安心・おいしい野菜を作る農家が集まった京有機の会のメンバーでもある。笹島シェフは、「田鶴さんが野菜を届けてくれると土がついたままで大きさも形も気にしていない。石割さんは、無駄な皮をはいで汚れをとってサイズも整えてきれいにして持ってきてくれます。村上さんに至っては、きれいに袋に入れてそれは見事ですよ。3人とも性格が出ています(笑)」と嬉しそうに話してくれた。

昨年の夏に田鶴さんが作った賀茂なす(左)、こちらも昨年の夏の賀茂とまと(右)

昨年の夏に田鶴さんが作った賀茂なす(左)、こちらも昨年の夏の賀茂とまと(右)


 まずは、笹島さんが野菜運搬専用に使っている車に乗って北区上賀茂の田鶴さんを訪ねた。数日間天気が悪く、この日は久しぶりの晴天のため、田鶴さんはとても忙しそうだった。笹島シェフが「この人、こう見えてもヴェルサーチしか着ないし野菜しか食べないんですよ」と教えてくれた。田鶴さんは野菜のできを笹島さんに説明しながらも笑顔を浮かべ、お互い懐に入り込んだ関係なのだと思った。


 田鶴さんは、上賀茂で代々野菜を作り続け、賀茂なすの種を自家採取して原種を維持してきた数少ない農主だ。賀茂なすは栽培がとても難しいとされ、また料理法もしかり。京都で400年の歴史を誇る料亭で田鶴さんの作った賀茂なすしか使わないというところもあり、また、後出の生産者の方々もそうなのだが、京都は奥で一流の料理人と一流の生産者たちが淡々と美味神髄を追求している。


かのロブションも使ったミニ・キャベツ(左)、石割さんが作った九条ねぎ艶姿(右)

かのロブションも使ったミニ・キャベツ(左)、石割さんが作った九条ねぎ艶姿(右)


 京都府の伝統野菜は明治以前の導入の歴史のなかで現存するものという決まりがある。34品目あり、ブランド指定されているのが、聖護院だいこん、みず菜、壬生菜、賀茂なす、鹿ヶ谷かぼちゃ、伏見とうがらし、えびいも、堀川ごぼう、九条ねぎ、くわい、京たけのこ、京山科なすなど。京の台所を代表する野菜だが、壬生菜は鯖などの運ばれてきた魚の臭いを消すためになくてはならないもの、また、九条ねぎは大阪のやっこねぎを甘くてちょっと辛く、そしてやわらかく、京の人々の味覚にそって改良されたもの。


 南区吉祥院で10代続く野菜の生産者石割照久さんは九条ねぎ作りの名手だ。畑から獲れた白と緑が美しい堀りたての匂いを嗅ぐと、ねちゃっとしたネギ臭さがなく、ねぎひとつとっても京らしい洗練がある。美味しい食べ方を伺うと「ぬた」(作り方は次のページで)ということだった。


石割さんのキャベツも旨し(左)、ミニ・キャベツがこうなる(右)

石割さんのキャベツも旨し(左)、ミニ・キャベツがこうなる(右)


 さて、石割さんは京野菜ばかりではなく、洋野菜も手掛ける。以前フレンチの巨匠ジョエル・ロブション氏から豆粒ぐらいのミニ・キャベツのオーダーがあり同じようなのを見せていただくと、大小様々を手のひらにのせ、「みなさん(料理人)、いろいろ考えられますね(笑)」と。


 笹島シェフとは「お互いに納得するまで、笹島さんの生の声を参考にして作っています。パスタをゆでるときに使った昆布を、今度はこんな野菜を使いたいからその畑の肥料として持ってきてくれたり、それは深いですよ」と教えてくれた。


 『最後に訪ねたのは京都の洛西、洛西といえば日本有数のたけのこの上産地だ。村上薫さんは、様々な京野菜を作り、水稲なども注目されているが、この土地の竹林(孟宗)で作られるたけのこの生産者だ。「笹島さんはたけのこを使ってリゾットを考えたり、それから花みょうがをパスタに使ったり京都にいるからこその発想があります。ウチに来たときは畑でひとりでじっと30分ぐらい考えごとをしていたり、その集中力も凄いと思いましたね」。


村上さんのたけのこの若芽。8センチくらい(左)、村上さんのところの金柑。笹島シェフも使う(右)

村上さんのたけのこの若芽。8センチくらい(左)、村上さんのところの金柑。笹島シェフも使う(右)


 お話を伺いながら見事な竹林に入っていくと、まだまだ寒いのに掘り起こして地下深く萌芽した若芽のたけのこを見せて下さった。ほのかな竹の香気、これからが旬の季節となっていくのだが、笹島さんはこの食材をどのように料理するのか、イル ギオットーネで食べるのが待ち遠しい。

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元気になるニッポンの味めぐり

元気になるニッポンの味めぐり

日本には世界に胸を張る食材があります。
日本には一口食べたら体も心も元気になる食材があります。
生産者の日々の努力と、かけがえのない日本の風土が生み出す食材たち。
おいしいに人生を捧げた人たちの哲学に触れることで、まだ見ぬニッポンの食の奥深さを再発見しましょう。
私たちを元気にしてくれる、日本全国の生産者に出会う旅がスタートしました。

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Archives

2013.12.02

元気になるニッポンの味めぐり8 美しくも厳しい自然とともに生きる、福井県で出会った生産者さん

日本海と越前の山々を愉しめる自然豊かな福井県。恵まれた自然の恩恵を受けた海の幸も山の幸も堪能できる場所。そんな福井県、実は「食育」発祥の地としての顔を持つ。「食育」という言葉を最初に唱えた石塚左玄(1851-1909)は、「その土地の季節のものを食べる事が、最も健康的で栄養が豊富であり、それが自然であり、そこに住んでいる人に一番優しい食になる」と説いた。福井県の食べ物の美味しさに魅了されたからこそ生まれた言葉なのかもしれない。

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2013.10.01

元気になるニッポンの味めぐり7 知床・羅臼の「旨み」に出会う旅

北海道・羅臼町。世界自然遺産、知床半島の南東部に位置する町である。この名前を聞けば、誰もが頭に思い浮かべるのは「昆布」ではないだろうか。

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2013.01.16

元気になるニッポンの味めぐり6 長野県飯綱町「ワイナリー・サンクゼールでぶどうの収穫体験」

その地域でワインを造りながら生活する人々に出会った。こんな小さな田舎町でも、世界的なワインやシードルを造ることができる。何より、村の人々が自分たちの製品に心から誇りをもっているということに深い感銘を受けた。

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