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「食育丸の内」とは、三菱地所の「都市と食に関する問題」に取り組むプロジェクトの一環です。「食」に関する様々な活動を通じて、生産者、消費者、レストランが共に手を携え、人々が一層、心身共に健康になれる社会づくりを目指し活動していきます。

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Chef's Club

丸の内エリアを中心に活躍されている、日本を代表する和食・フレンチ、イタリアン、アジアン、4ジャンルのシェフ26名によって構成される「丸の内シェフズクラブ」。ただ、調理するではなく、食育を合言葉に、実際に生産地に足を運んだり、子どもたちへの食育授業など様々な提案、イベント発信などを行っています。

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Contents

マルシェに行こう
イートアカデミー
旬のシェフズランチ
子どもの食育ウェルカムキッズ
シェフの履歴書
服部幸應の食育のツボ
私を育てた『あの時、あの味』
元気になるニッポンの味めぐり
ラブテリ東京&NYヘルスリテラシー向上委員会
Will Conscious Marunouchi
今年で2年目となる「美味しい山梨を創るプロジェクト」。今回のテーマは、山梨の夏の代名詞「フルーツ」。6月、7月の2回にわたって開催された山梨食材ツアーを経て、東京と山梨のシェフがフルーツをテーマに新作メニューを作り上げました。

 今年2年目となる「美味しい山梨を創るプロジェクト」。初回となった2011年は、丸の内シェフズクラブのメンバーが、県内の優良な生産者の元を訪問。地元で腕を振るうシェフのアドバイスも受けながら、山々に囲まれた盆地ならではの食材と食文化に触れながら山梨に美味しい食材がたくさんあることがわかった。
 さて2年目となる今年のテーマは山梨の夏の代名詞「フルーツ」。中でも「ぶどう」と「桃」は日本一の生産量を誇る山梨県の特産品だ。そんなフルーツの可能性を探るべく、普段は生で食べるのが常識のフルーツを、今回はあえて料理の食材として使うというのがシェフに与えられた今回の課題。これには参加した地元シェフも丸の内シェフズクラブのメンバーも「わざわざ食材にしなくても果物はそのままが一番ウマイでしょう」と苦笑い。
 しかし、日本全体では国産果物の消費は安価な外国産に押されて減少。果樹農家の後継者不足も深刻な問題だ。だからこそ、将来にむけてフルーツの新しい価値や可能性を広げる必要がある。このプロジェクトから生まれた新メニューは、期間限定で東京と山梨でランチメニューとして商品化されることが決まった。

 8月に開催されるイベントを前に、丸の内シェフズクラブからは、笹島保弘イルギォットーネオーナーシェフ)、杉山衛銀座寿司幸本店主人)、遠藤浄四川豆花飯店東京店料理長)、ドミニク・コルビル・シズィエム・サンス・ドゥ・オエノン・エグゼクティブディレクター)、笹岡隆次恵比寿笹岡主人)の5名のシェフが参加。フルーツという食材に関して、フレンチ、イタリアンの笹島、コルビ両シェフは、「フルーツはパスタを合わせたり、酸味の効いたソースとして普段の店でも常用している」と余裕のコメント。一方、中華の遠藤シェフは、「フルーツは酢豚などにアクセントの食材として使うことはある。しかし、中華らしく豪快に炒める調理法ではフルーツ本来の旨味(酸味)が抜けるので持ち味を生かせない」。笹岡シェフは、「日本料理では水菓子として食事の最後にお出しすることはあっても、甘味の強い桃やぶどうを食材として使うことはない」と頭を抱える。ジャンルによってフルーツという食材の明暗が分かれる格好となった。

 また、昨年に引き続いて山梨県内から参加する総勢23人の地元シェフからは、フルーツの産地ならではの課題が数多く上がった。「フルーツに限らず、県内の食材を使っただけでは地元の人の関心を呼ぶことはできません。レストランに入ってわざわざお金を払って食べたいと思う魅力的なメニューを作らないと商品にならないのです。また東京と山梨では物価の差もあります。したがってフルーツ以外に使う食材も限定されてしまいます」。昨年に引き続き参加した・四川菜館の藤原順一シェフは、地産地消が当たり前の山梨でレストランを経営するむずかしさをこう打ち明ける。こうした地元シェフの声に真剣に耳を傾ける丸の内シェフズクラブのメンバー。いよいよ2回に渡る食材探しのツアーが始まった。
 6月、7月の2回にわたって開催された山梨食材ツアーの目的は、東京と山梨のシェフが生産者の元を訪ねて、フルーツをテーマに作り上げる新作メニューの材料を調達し、アイディアを練ろうというもの。

 フルーツの他に、富士ヶ嶺丸一ポークを使用した自家製ハムやベーコン、身延町の手作り湯葉。勝沼産のブドウで作った甲州ワイン。山梨産の新鮮な野菜の畑などをめぐった。
 旬を迎えるフルーツの中でも、山梨県西部に位置する南アルプス市はソルダムに代表されるすももの産地。年間2千トンもの出荷量は日本一である。町では完熟フルーツマスターと呼ばれる生産者の案内で畑に入り、完熟寸前までに木々で熟成された果物の味を堪能できる果樹ツアーが観光客にも大人気だという。
この南アルプス市でシェフたちが発見したのが「南アルプス完熟ピューレ」。最高級の完熟すももを贅沢にピューレ状にしたものだ。口に入れた途端に顔を赤くして目をパチパチさせ満面の笑顔を見せたのはフレンチのコルビシェフ。「いやー酸っぱい。けどすももの味が生きているね。普段は台風などで落下したB品をこういった加工品にするよね。けどこれは一番旨い状態のものをそのままピュレ状にして冷凍されている。これは使えるなー」と満足な様子。すももの組織を壊すことなく急速冷凍に成功したことで、今では県外のパティシエなどからも注文が入るという。目の覚めるような酸味にシェフたちも虜になったようだ。

 本格的な日本料理の中で、果物を食材として扱うのは難しいと語っていた笹岡隆次シェフは、生産地に足を運ばないと分からない発見を甲州市勝沼町にある内田フルーツ農園で体験した。  「桃といえば水菓子でもよく使います。やっぱり、瑞々しくて柔らかい。完熟したものが一番だと思っていました。しかし、山梨の人は完熟前に収穫したカリカリとした触感の桃を好むというではありませんか。確かに硬い桃ありますっていう看板もある。完熟ではなく早生のものが旨いという発想は、好みの問題はあるけど驚きの視点だね」  2回の食材ツアーの道中、本番で提供するメニューのアイディア出しが何度も行われた。メイン食材は「フルーツ」。果たしてどんなメニューを誕生したのだろうか?

 8月2日、笛吹市にあるブライダルヴィレッジミラベルで行われたお披露目会には200名以上がつめかけ大盛況となった。各シェフはフルーツをテーマにした料理をそれぞれ4、5品完成させたがその中から代表的なものを紹介しよう。

銀座寿司幸本店の杉山シェフチームは、海のない山梨を代表する「甲斐サーモン」やみょうが、おくら、キャベツなどの夏野菜を昆布締めにするなど、江戸前らしいひと手間を加えた握りずしを披露。醤油ではなく巨峰の酸味でいただく新感覚の江戸前寿司だ。

同じく日本料理の笹岡シェフは、甲州ワインビーフを甘辛く照煮にしたものに、千切りキャベツを添え、すももの乱切りを添えた丼メニューを考案。一見、丼にすもも?と思うが、ご飯を呼ぶ甘辛の牛肉、シャキシャキのキャベツとご飯。そこに酸味の効いたすももがお寿司で言うガリのような役割を果たしいいアクセントになっている。試食会では若い世代の行列ができあがっていた。

中華の遠藤シェフのグループは、南アルプス市のすもも、そしてそのピューレを山梨産の夏野菜と合わせた。ピーマン、アスパラ、ナス、ブロッコリーといった野菜を油通しした後、さっぱりとした塩炒めに。最後に生のすももの乱切りとすももピューレで味にメリハリをつけた。甲府盆地にさんさんと降り注ぐ太陽を浴びて育った味の濃い夏野菜に、さっぱりとしたすももの酸味が効いている。いかにも山梨の夏に食べたい炒め物だ。

生の巨峰やブルーベリー、すもも、さくらんぼを使ったまるで絵画のような一品を仕上げたのはイタリアンの笹島シェフのグループ。甲斐サーモンをマリネにした後、フルーツといっしょにお皿へ。巨峰とすももの皮をミネラルウォーターとレモン汁、ミントなどで煮出したピューレ、ディルを添えた。

あの南アルプス市のすもものピューレに感動していたコルビシェフは、このピューレと巨峰を合わせて冷たいスープを完成。浮かべるのは塩麹のアイスクリーム。目にも涼しいこの夏の冷製スープは、試食した参加者の間でも大評判。コルビシェフの洗練された技法が光った作品となった。

 「美味しい山梨を創るプロジェクト」は大盛況のうちに幕を閉じた。参加した地元のシェフの中には、改めて山梨の食材の魅力を再認識した人も多い。
 市川三郷町で、父の代から続くレストランニューポートで腕を振るう小林祐介シェフは、一流シェフの仕事を目の前で見ることができたことが大きな勉強になったと振り返る。
「山梨では東京とは違って、自分の作りたい料理と、お客さんが食べたい料理との間にギャップがあります。僕はフレンチを勉強してきましたが、フレンチといっても本格的なフレンチは単価も高いし敬遠される。けれでも、東京で活躍する先輩シェフの発想、技法があれば山梨でもあっと驚くようなメニューを展開できる。もっと勉強する必要があると痛感しました」  実は、東京であってもジャンルの違うシェフ同士が同じ厨房で腕を振るう機会は少ない。20代の小林シェフは、お披露目会が終わった後も、積極的にジャンルの違う料理人に話かける姿が印象的だった。

 イベントの最後に挨拶に立った四川菜館の藤原順一シェフは、いずれこの山梨でもシェフズクラブのような、世代を超えた料理人のつながりを作りたいと最後に語ってくれた。
「地域で腕を振るうシェフって東京とは違う悩みや課題があるのです。地元の食材の良さをもっと地元の人に知ってもらいたいと思っても、地産地消の掛け声だけでは前に進まない。料理人が世代に関係なく、楽しみながら技術を磨き合う。そして、東京のシェフにも応援してもらいながら山梨の食の魅力を県内外に発信できればと考えています」
 実は、昨年のこのイベントに参加していた地元の若きシェフが四川豆花飯店の遠藤シェフの元で修行を始めたのだという。いつか技術を磨いて故郷山梨に恩返しをするのが目標だという。2年に渡って開催された「美味しい山梨を創るプロジェクト」。東京と山梨のシェフの間には確かな絆が生まれつつある。

文・中原一歩
写真・磯裕文


イートアカデミー

イートアカデミーは、レストランを学びの場とするイベントです。食べることを楽しみながら、正しい食のあり方を考えるきっかけ作りをしたい。レストランで提供される料理の「背景」を知ることで、料理への理解、産地や生産者への想いはさらに深くなるでしょう。時には皿の上には盛られることのない、皿の向こう側にある物語に思いを馳せてみませんか?毎日の食卓の風景がこれまでとは違ったものになること間違いありません。

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