
●「食育丸の内」とは、三菱地所の「都市と食に関する問題」に取り組むプロジェクトの一環です。「食」に関する様々な活動を通じて、生産者、消費者、レストランが共に手を携え、人々が一層、心身共に健康になれる社会づくりを目指し活動していきます。
●丸の内エリアを中心に活躍されている、日本を代表する和食・フレンチ、イタリアン、アジアン、4ジャンルのシェフ26名によって構成される「丸の内シェフズクラブ」。ただ、調理するではなく、食育を合言葉に、実際に生産地に足を運んだり、子どもたちへの食育授業など様々な提案、イベント発信などを行っています。


会場に入って、まずお客様を出迎えてくれるのは、本日の主役の伝統野菜たち。こうして一堂に会して見ると、かぼちゃひとつをとっても、地域によって色、大きさ、形が違うのがわかり、面白いですよね。
「京野菜」という名称は知っていても、はじめて見る野菜が多いのか、「金時人参?こんな赤い人参、はじめて」、「"すぐき"ってなに?」とお客様も興味津々。これらの伝統野菜たちが、これからはじまるコース料理を彩られると思うと、期待もふくらみます。
開演のご挨拶をする笹島シェフ(左)と遠藤シェフ(右)。
ディナーが始まる前のご挨拶で、笹島シェフは「今日のコースは、四川、イタリアンを交互に出すのではなく、一皿に四川とイタリアンの要素を織り交ぜていきます。楽しみにしていてください」と大胆宣言!一皿に辛さの四川料理と、イタリアンのエッセンスが入るだなんて、会場の誰もが想像できません。
ワクワク感に包まれた会場には、播磨産シャルドネ種を100%使用した純国産「丹波のスパークリング」がサーブ。乾杯のあと、いよいよ今宵だけの、未体験スペシャルディナーがスタートします。

前菜の「四川&イタリアン六味前菜の盛り合わせ」が振舞われている間に、今回の会津の伝統野菜を提供してくださったプロデュース会津の本田さんより、伝統野菜についてお話しがありました。
大正時代から続く青果問屋を営んでいる本田さん。「伝統野菜を子ども達に残していきたい」という意志も引き継がれています。
伝統野菜とは、「母なる野菜」とも言われる在来種のこと。種から野菜を育て、野菜から出来た種をまた植えて...と長い年月引き継がれた種から出来る野菜たちのことを言います。
伝統野菜で有名なのは京都ですが、会津、加賀、長岡、江戸なども歴史ある伝統野菜の地域なのです。
ただ残念なことに、環境の変化、収量の減少、生産者の高齢化など、様々な問題を抱えている伝統野菜。その火を消さないためにも、少しでも多くの方々に伝統野菜の良さを伝えていきたい、と本田さんは熱く語ります。
伝統野菜とは、古くは江戸時代以前から、日本のあらゆる地域で種を採って栽培し、受け継がれてきた野菜のことをいいます。栽培する地域の気候、土壌に適した野菜が多く、今の野菜には少なくなった季節感(旬)をはじめ、香り、苦み、えぐ味、甘みなど多様な味を備え、独特で繊細な味覚を育んできました。地域とのつながりが強いことから、産地の名前が付いている野菜が多く、郷土料理など地域の食文化と密接に繋がっているのも特長です。
近年の環境問題、食糧自給率への関心の高さから、地産地消、フードマイレージの観点から注目の集まっています。

両シェフが宣言されたように、出される一品一品は、はじめて体験する味ばかり。
フカヒレ料理と言えば、姿煮が想像されますが、今回はムニエルにして、なんとリゾットと一緒に提供されるのです。醤油ベースのフカヒレに、サフランとチーズって相性いいの?そんな思いで口に運んでみると驚くほどマッチするではありませんか。フカヒレだけでも、リゾットだけでも美味しいのですが、やはり二つ一緒が一番美味しい。添えられているすぐきの酸味が、いいアクセントになっています。
女性に人気のバーニャカウダも両シェフの手にかかるとひと味もふた味も違います。野菜は、本日のメイン食材、京都、会津、江戸の伝統野菜の中から代表的なものをチョイス。赤カブの大きさに目をひきます。肝心のソースは、アンチョビ、オリーブオイルベースに、「豆豉(トウチ)」ピリッとした辛みが効くソース。もっと野菜が欲しくなる、病みつきになりそうなおいしさです。
『最後に出されたパスタは、四川料理とイタリアンの真骨頂がぎゅっと詰まった一皿に。なんと手打ちパスタを、四川料理を代表する担々麺風に仕上げているのです。パスタに坦々ソースが合うだなんて、想像の域を超えています。
本場四川の本格的な辛さに、ほんのりとゴマが香る大人のソースと、歯ごたえのあるタリオリーニがマッチして、初めての味に会場も感嘆の声が沸きます。
本格的な辛さのソースに、会津の南郷トマト、東京小松菜が彩りと箸休め的なアクセントを添え、辛さが苦手な方でもおいしく召し上がっていただけるように、という両シェフの心遣いが窺える一品でした。

四川豆花飯荘といえば、茶芸パフォーマンス!今回も二人の茶芸師がその技を披露してくれました。茶芸とは四川省で誕生したカンフー式の曲芸スタイルによる独特なお茶のそそぎ方。国家資格を持った茶芸師がダイナミックな動きで四川豆花飯荘オリジナルの「八賓茶」を巧みに注いで回ります。茶を注ぐ度、会場からは歓声が上がりました。
今回、技を披露してくれたのは、茶芸師の梁(リャン)さんと、任(レン)さん。華麗な技をはじめて見るお客さまも多く、至近距離のパフォーマンスにみなさんビックリです。
中国四川省で誕生したカンフー式のアクロバティックな曲芸スタイルのお茶のそそぎ方。茶芸師は中国の国家資格で、2年の修行後、国家試験に合格しなければならない。試験は、技能と学科があり、非常に狭き門であります。
ジャスミン茶をベースに紅なつめ、クコ、菊花、百合根、竜眼、クルミ、氷砂糖の入った爽やかな芳香のお茶。血行促進や免疫力アップ、コレステロールを下げるなどの効果が期待できます。氷砂糖の溶け具合で味に変化が出て、何煎でも楽しめるのが特長です。

コースの最後を飾るデザートも四川料理×イタリアンのコラボレーションの華が咲きます。今回、デザートは3種類をご用意。おなかいっぱいだし、ちょっと多いかな、という会場の雰囲気も、一口食べればその思いは払拭。全体的にさっぱりとした甘さと、八角、ジャスミンティーなど香りを活かした上品な味に会場の空気も和みます。
爽涼感あふれる「八角風味のいちぢくコンポートとジャスミンティーのジュレ」(左)、ソースもプリンも全て巨峰を使った「福島巨峰のプリン」(中)、軽やかな食感がうれしい「あたたかなチーズスフレ」(右)
今回は、食から元気の源を得るパワフルな四川料理と、食を心から楽しむイタリアンの概念が見事に融合したコース料理となっていました。伝統野菜を通じて、笹島シェフ、遠藤シェフの斬新なアイディアと切り口で、まったく新しい概念を産みだした今回のイートアカデミーは、「食育丸の内」だからできる、意義深い食育イベントとなりました。
シェフを囲んでの記念撮影(左)、会場に展示されていた伝統野菜はお客様へのおみやげに。どの野菜にしようか迷ってしまいます。(右)
●イートアカデミーは、レストランを学びの場とするイベントです。食べることを楽しみながら、正しい食のあり方を考えるきっかけ作りをしたい。レストランで提供される料理の「背景」を知ることで、料理への理解、産地や生産者への想いはさらに深くなるでしょう。時には皿の上には盛られることのない、皿の向こう側にある物語に思いを馳せてみませんか?毎日の食卓の風景がこれまでとは違ったものになること間違いありません。
●これまで数回にわたって、県内の優良農家や生産者の元を訪れ、直に生産地の風土、環境、食材の特徴や個性を目と舌で確かめてきた丸の内シェフズクラブの料理人たちと、山梨県内で活躍し、山梨食材を使い慣れている11人の地元シェフたち。彼らの共同制作による、山梨県の食のポテンシャルの高さを再確認するプロジェクトが始動しました。
●これまで数回にわたって、県内の優良農家や、生産者の元を訪れ、直に生産地の風土、環境、食材の特徴や個性を目と舌で確かめてきた丸の内シェフズクラブの料理人たちと、山梨県内で活躍し、山梨食材を使い慣れている11人の地元シェフたち。彼らの共同制作による、山梨県の食のポテンシャルの高さを再確認するプロジェクトが始動しました。
●「干杯(中国語で乾杯)」...。三重県伊賀上野市の食材を使って中華と和食のシェフがひとつの創作フルコースを作る。晩秋の丸の内、「四川豆花飯荘」を舞台に開催されたイートアカデミー「二大シェフによるスペシャルディナー 恵比寿・笹岡×四川豆花飯荘」は大盛況のうちに幕を閉じた。伊賀を代表する「伊賀牛」「伊賀米」、そして伊賀盆地で採れた有機野菜の数々が、異なるジャンルのシェフの手によってどのように調理され、どんなフルコースとなって完成したのか。イベントを終えたばかりの二人のシェフにその舞台裏を語ってもらいました。